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藤井寺市藤が丘|外壁と屋根を塗り替え|ハウスメーカーの見積りが高いと感じたときに見る5項目

藤井寺市藤が丘・築15年住宅の外壁塗装前の全景
BEFORE 施工前
外壁と屋根の塗り替えが完了した藤井寺市藤が丘の住宅
AFTER 施工後

「家を建てたところから見積りをもらったんですが、思ったより高くて」

藤井寺市藤が丘にお住まいのお客様から、最初にいただいたのはこの一言でした。お住まいは築15年。そろそろ外壁と屋根の塗り替えを、とお考えになり、まずは家を建てた会社に声をかけられたそうです。返ってきた見積書を見て、その金額が高いのか妥当なのか自分では判断できない、というところで手が止まっていました。

これは私たちが年に何度もいただくご相談で、同時にいちばん誤解されやすいご相談でもあります。

先に、この記事の立場をはっきりさせておきます。ハウスメーカーの塗装見積りが高めに出るのには、はっきりした理由があります。ただしそれは「不当に高い」という意味ではありません。金額を項目ごとに分解していくと、多くの場合はそれぞれ理由のある費用が並んでいます。問題なのは、その内訳が施主さんの側から見えにくいことです。見えないから、総額だけが独り歩きして「高い」という印象になってしまう。

この記事では、藤井寺市藤が丘で実際に行った外壁・屋根の塗り替え工事の全記録をお見せしながら、なぜ会社によって金額が違うのか、その差をどう読めばいいのかを、できるだけ「構造」の話として説明します。他社の見積額を公開したり、金額差を煽ったりするつもりはありません。判断材料をお渡しするのが目的です。

この工事の概要|築15年・外壁と屋根・工期は約3週間

まず、今回の工事の中身を先にお見せします。記事の後半で「見積書のどこを見るか」という話をしますが、その物差しになるのがこの一覧です。

お住まいの場所 大阪府藤井寺市藤が丘
築年数 15年
建物 2階建て戸建て/窯業系サイディング外壁・スレート屋根
施工内容 外壁塗装・屋根塗装・シーリング補修・付帯部塗装
外壁の塗料 KFワールドセラグランツW(無機・ラジカル制御タイプ)
屋根の塗料 NKクールリペイント(クリヤー仕様)
シーリング 状態に応じた部分補修(増し打ちを中心に実施)
付帯部 雨樋・軒天・シャッターボックスなど
工期 約3週間
保証 10年
参考価格 165万円前後(税込)
参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ・形状・足場のかかり方・下地の状態によって金額は変わります。

なぜハウスメーカーの塗装見積りは高くなるのか?

ハウスメーカーの塗装見積りが高く見える理由を、窓口、保証や記録管理、下請け施工の管理費に分けた図解
高い・安いだけでなく、何に費用が含まれるかを見ます

ここからが本題です。「ハウスメーカーの見積りが高い」と感じたとき、その差はどこから生まれているのか。大きく三つの理由があります。

実際に塗るのは誰か——元請けと下請けという構造

いちばん大きいのはここです。ハウスメーカーが塗装工事を受注した場合、実際に足場を組んで塗るのは、多くの場合その会社の協力会社(下請けの塗装会社)です。これは手抜きでも隠しごとでもなく、住宅の建築から改修まで自社の職人だけで抱えるのは現実的ではない、というだけの話です。

ただ、この形をとると、施主さんが支払う金額の中に「実際に工事をする会社の取り分」と「窓口になる会社の取り分」の両方が入ります。後者には、営業の人件費、現場を管理する担当者の人件費、書類やシステムの維持費、広告宣伝費、保証を引き受けるための引当などが含まれます。一般に、この管理費・営業経費のぶんだけ総額は上がります。

一方、私たちのような地元の塗装会社は、相談を受ける人間と、現場を見る人間と、塗る職人が同じ会社の中にいます。窓口の会社と施工の会社が分かれていないぶん、中間に乗る費用がありません。金額差の多くは、この一点から生まれています。

「窓口が一つで済む」ことにも、ちゃんとコストはかかっている

ここを誤解しないでいただきたいのですが、中間に入る会社は何もしていないわけではありません。

ハウスメーカーに頼むと、連絡先が一つで済みます。建てたときの図面や仕様のデータが社内に残っているので、「どの外壁材を使ったか」「どんな下地なのか」を調べる手間が要りません。工事の記録も同じ会社に蓄積されます。担当者が変わっても、次の点検やリフォームのときに履歴をたどれます。

これは、施主さんにとって確実に価値のあるサービスです。ただ、価値のあるサービスにはコストがかかります。「高い」の中身の一部は、この安心と手間の省略に対する費用だと考えるのが、いちばん実態に近いと思います。

仕様が先に決まっていて、選び直しが利きにくいことがある

三つ目は、工事の中身そのものの違いです。窓口の大きな会社は、品質を一定に保つために「この建物にはこの工程、この材料」という標準仕様を持っていることがあります。標準があるのは良いことなのですが、建物の状態に合わせて工程を減らす、という調整はしにくくなります。

今回の藤が丘のお住まいがまさにそうでした。詳しくは後半の現地調査の項に書きますが、この建物はシーリングの状態が良く、全部を撤去して打ち替える必要がありませんでした。必要な箇所を見極めて補強する方針にしたことで、工事の中身を落とさずに金額を抑えられています。標準仕様で一律に「全打ち替え」となっていれば、その分は当然上がります。

つまり金額の差は、会社の善し悪しではなく、「どこまでを標準として組んだか」の差でもあるということです。

では、ハウスメーカーに頼んだほうがいいのはどんなとき?

ハウスメーカーに頼む価値がある場面として、長期保証、記録管理、対応体制を示した図解
安心の形が違うだけで、どちらが正解かは家ごとに変わります

ここは正直に書きます。私たちは地元の塗装会社ですが、「ハウスメーカーに頼んだほうがいい」と申し上げるケースは実際にあります。次のような場合です。

長期保証の継続条件が絡んでいるとき

新築時に長期の保証が付いている住宅では、定められた時期に、定められた内容の点検やメンテナンスを受けることが保証継続の条件になっていることがあります。この条件を外れると、以降の保証が終了する仕組みです。

ここは建物ごと・契約ごとに内容がまったく違うので、一般論では判断できません。まず新築時の契約書と保証書を出して、条件を実際に読んでください。「保証を続けたい」という優先順位がはっきりしているなら、多少高くても指定のメンテナンスを受けるほうが合理的です。私たちも、その条件が確認できたお客様には「今回は建てた会社にお願いされたほうがいいと思います」とお伝えしています。

建物の記録を一か所にまとめておきたいとき

将来の売却や、大きなリフォームを見据えている場合、建てた会社に工事履歴が一本化されているのは分かりやすいという利点があります。誰がいつ何をしたかが一つの窓口で追える状態は、それ自体が資産の管理です。

トラブルが起きたときの対応体制を最優先したいとき

規模の大きい会社は、担当者が異動しても組織として引き継ぐ仕組みを持っています。何か起きたときに「担当者が辞めていて連絡がつかない」という事態になりにくい。この体制を最優先するなら、その費用を払う判断は十分に合理的です。

逆に言えば、これらに当てはまらない場合は、地元の業者に相談してみる価値があります。ただし「必ず安くなる」とは申し上げられません。理由は次の項で書きます。

地元の業者に頼むと、何が変わる?

中間のコストがない

先ほど書いたとおりです。相談を受ける人間と塗る職人が同じ会社にいるので、管理費・営業経費が二重に乗りません。

判断する人と塗る人の距離が近い

これは金額よりも工事の質に効いてきます。足場を組んで初めて見える場所は必ずあります。屋根に上がって初めて分かることもあります。そのときに「どうしますか」を即決できるかどうかは、意思決定の階層が何段あるかで変わります。今回のシーリングの判断も、現地調査の段階で職人の目を通したうえで決めています。

正直な話、地元業者のほうが高くなることもある

ここは書いておかないとフェアではないので書きます。条件によっては、地元業者の見積りのほうが高くなります。

  • 特殊な外壁材が使われている場合。専用の下塗り材が必要だったり、材料の入手経路が限られていたりすると、少量仕入れになる分だけ材料費が上がります。大量に扱う会社のほうが安く入る材料は実際にあります。
  • 足場の条件が厳しい場合。隣地との距離が取れない、道路使用の許可が要る、といった条件では、足場の費用がふくらみます。ここは会社の規模と関係なく現場条件で決まります。
  • 先方の見積りに、塗装以外の工事が含まれている場合。点検・部材の交換・防水工事などが一式で入っていることがあります。この場合、塗装だけの見積りと総額を比べても意味がありません。
  • グレードの高い塗料を提案している場合。今回私たちが使ったのは無機系の塗料で、シリコン系と比べれば材料費は上がります。長持ちさせるための選択ですが、初期費用としては高くなります。

ですから、「地元だから安い」と言い切ることは私たちにはできません。言えるのは、内訳を見れば理由が分かるようになる、ということだけです。

金額だけを並べて比べてはいけないのはなぜ?

相見積もりを取ったとき、多くの方が最初にやるのは総額の比較です。気持ちは分かるのですが、これはほとんど意味がありません。見積書に書かれている工事の中身が違えば、金額が違うのは当たり前だからです。

同じ「外壁塗装」という言葉でも、こんなに変わります。

  • 塗る面積の出し方。窓やドアの開口部を引いて計算しているか、建坪からざっくり出しているかで、数量が2割近く変わることがあります。
  • 塗る回数。下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本ですが、下塗りの材料と回数は下地の状態で変わります。
  • 塗料のグレード。シリコン系・ラジカル制御タイプ・フッ素系・無機系で、材料費も期待できる持ちも違います。
  • シーリングの処理方法。既存を撤去してから充填する「打ち替え」と、上から充填する「増し打ち」では、手間も材料の量も違います。
  • 付帯部の範囲。雨樋・軒天・破風・水切り・シャッターボックス・ベランダの手すり。どこまで入っているかで金額は動きます。

総額が同じでも中身が違えば別の工事ですし、総額が違っていても中身をそろえたら逆転する、ということも普通に起きます。比べるべきは金額ではなく、金額の根拠です。

見積書を並べたとき、実際に見るべき5つの点はどこ?

外壁塗装の見積書で見るべき5項目として、面積根拠、一式、塗料名と缶数、シーリング、付帯部を示した図解
金額より先に、工事内容が同じかを確認します

では具体的にどこを見るか。私たちがお客様に「ここだけは確認してください」とお伝えしている5点です。特別な知識は要りません。書いてあるかどうかを見るだけです。

① 塗る面積の根拠が書いてあるか

外壁塗装の金額は、ほぼ「面積×単価」で決まります。ですから何平方メートルとして計算したのかが書かれていない見積書は、根拠が読めません。「外壁塗装 一式」ではなく「外壁塗装 ◯◯㎡ × ◯◯円」と書かれているか。そして、その面積が実際の建物と大きくずれていないか。2社の見積りで面積が2割以上違っていたら、どちらかの測り方を聞いてみる価値があります。

② 「一式」がいくつ並んでいるか

「一式」という表記そのものは悪ではありません。足場や仮設のように、まとめたほうが分かりやすい項目もあります。問題は、塗装の本体工事まで「一式」で処理されている場合です。数量が書かれていなければ、後から「これは含まれていない」と言われても確認する手段がありません。

目安として、「一式」が3つも4つも並んでいたら、内訳を出してもらってください。まっとうな会社であれば、聞かれて困ることはありません。

③ 塗料は製品名と缶数まで書いてあるか

「シリコン塗料」「高耐久塗料」といった書き方では、実際に何を使うのか分かりません。メーカー名と製品名が書かれているか。ここが書いてあれば、その塗料の情報を自分で調べられます。

さらに踏み込むなら缶数(使用量)です。塗料には1缶あたりの標準塗布量が決まっていて、面積から必要な缶数は計算できます。ここが極端に少なければ、薄めて塗るか、塗る回数が足りない可能性があります。今回の工事では、外壁にKFワールドセラグランツW、屋根にNKクールリペイントのクリヤー仕様を使うことをお見積りの段階でお伝えしています。

④ シーリングは「打ち替え」か「増し打ち」か

ここは金額差が出やすいところです。「打ち替え」は既存のシーリングをカッターで撤去してから新しく充填する方法、「増し打ち」は既存を残したまま上から充填して厚みを足す方法です。撤去の手間があるぶん、打ち替えのほうが高くなります。

どちらが正しいかは建物次第です。既存のシーリングが硬化してひび割れているなら打ち替えが必要ですし、今回のように上から部材で覆われていて劣化していないなら、増し打ちや部分補修で十分な場合があります。大事なのは、見積書にどちらなのかが書いてあることと、その理由を説明してもらえることです。

⑤ 付帯部はどこまで入っているか

外壁と屋根に目が行きがちですが、金額の差が静かに出るのは付帯部です。雨樋、軒天、破風板、鼻隠し、水切り、シャッターボックス、換気フード、ベランダの手すり。これらが一つずつ書かれているか、それとも「付帯部一式」で終わっているか。

付帯部が抜けたまま工事が終わると、外壁と屋根だけがきれいになって、細い部材だけが古いまま残ります。遠目に見たときの印象は、実はここでかなり変わります。

現地調査で分かったことは?(藤が丘・築15年)

ここからは、実際の工事の記録です。見積りの話をしてきましたが、その根拠になるのは結局この調査です。

外壁:チョーキングは出ていた

外壁を手で触ると白い粉が付くチョーキング現象
外壁を手で触ると白い粉が付くチョーキング現象

外壁を手でなぞると、白い粉が指に付きました。チョーキング現象と呼ばれる状態です。塗料に含まれる樹脂が紫外線で分解され、顔料が粉になって表面に出てきています。

これは「汚れ」ではなく、塗膜の防水機能が落ちているサインです。外壁材を守る膜が薄くなっているので、このまま置くと雨水を吸い込みやすくなります。築15年という年数を考えれば、出ていて不思議のないタイミングでした。

目地:シーリングは、上から覆われて守られていた

サイディング目地のシーリングをパッキンが覆っている状態
サイディング目地のシーリングをパッキンが覆っている状態

そしてここが、今回の工事でいちばん大きな判断でした。

サイディングの継ぎ目に打ってあるシーリングを見ると、その上をパッキンが覆っていて、紫外線と雨に直接さらされていない構造になっていました。おかげで、築15年としては非常に良い状態を保っていました。

シーリングは、劣化していれば当然打ち替えが必要です。硬くなってひび割れ、痩せて隙間ができていれば、そこから水が入ります。ですが、状態が良いものまで一律に撤去して打ち替えるのは、費用を増やすだけで品質にはつながりません。今回は既存のパッキンを活かし、補強が必要な箇所に増し打ちを行う方針にしました。

「全部新しくする」ことが常に正解ではない、というのは、この仕事をしていて何度も実感することです。見極めることそのものが工事の一部だと考えています。

屋根:色褪せと苔

現地調査で確認したスレート屋根の全体
現地調査で確認したスレート屋根の全体

屋根はスレート瓦でした。全体を確認すると、塗膜が劣化して色が抜けているのが分かります。

スレート屋根に発生した苔と黒ずみ
スレート屋根に発生した苔と黒ずみ

屋根材が水分を含みやすくなっており、苔やカビが出やすい状態でした。苔は日陰や北面に出やすいのですが、これも「汚れ」ではなく屋根材が水を保持したままになっているサインです。外壁と同じく、塗り替えの時期に来ていました。

調査を終えて、外壁も屋根も塗装によるメンテナンスが必要という結論になりました。同時に、シーリングをはじめ状態の良い部分は活かせることも分かりました。削れるところを削って、その分を塗料のグレードに回す。これが今回ご提案した組み立てです。

工事はどう進んだ?全工程の記録

外壁と屋根の塗装工事で、足場と洗浄、シーリング、外壁3回塗り、屋根縁切り、付帯部塗装、完成確認を行う工程図
見積書の項目が、現場の工程として実行されます

足場を組んで、高圧洗浄から

足場を組んだら、まずは高圧洗浄です。ここを省くと、どれだけ良い塗料を使っても密着せずに剥がれます。

サーフェスクリーナーを使った屋根の高圧洗浄
サーフェスクリーナーを使った屋根の高圧洗浄

屋根の洗浄には、円盤状のカバーが付いたサーフェスクリーナーという洗浄機を使いました。水しぶきが周囲に飛び散るのを抑えながら、強い水圧で苔とカビを落とせます。住宅が隣り合って建っている場所では、この配慮が工事の成否を分けます。

外壁の高圧洗浄
外壁の高圧洗浄

外壁も同様に洗浄します。チョーキングの粉をここでしっかり落としておかないと、粉の上に塗料を乗せることになってしまいます。

土間コンクリートの高圧洗浄
土間コンクリートの高圧洗浄
ベランダ床の高圧洗浄
ベランダ床の高圧洗浄

外壁と屋根だけでなく、普段は掃除しにくい軒天、汚れがたまりやすいベランダの床、それに土間まで洗いました。足場が架かっているあいだにしかできない作業です。

シーリング工事——必要なところを見極めて補強

シーリング工事の養生とプライマー塗布
シーリング工事の養生とプライマー塗布

マスキングテープで養生し、プライマー(接着剤の役割をする下塗り材)を刷毛で塗布します。プライマーを省くとシーリング材が下地に付かず、あとで剥がれます。地味ですが、シーリング工事の質はここでほぼ決まります。

窓まわりのシーリング増し打ちが完了した状態
窓まわりのシーリング増し打ちが完了した状態

そのうえで、状態の良いパッキン部分はそのまま活かし、補強が必要な箇所に上から充填する増し打ちを行いました。現地調査で決めた方針のとおりです。

外壁塗装——無機塗料で3回塗り

外壁の中塗り ローラーで塗料を乗せる
外壁の中塗り ローラーで塗料を乗せる

外壁は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りです。使用したのはKFワールドセラグランツWという無機系の塗料で、紫外線による色褪せを抑えるラジカル制御タイプでもあります。

ローラーでたっぷりと塗料を乗せ、厚みのある塗膜をつくっていきます。塗膜は薄く伸ばすほど早く切れます。決められた量をきちんと使い切ることが、そのまま持ちにつながります。

色は、もともとのベージュ系から深みのあるダーク系へ。シーリングの全撤去を省いたぶんの予算を、塗料のグレードと色替えに回しています。

屋根塗装——タスペーサーで縁切りをしてから

スレート屋根へのタスペーサー挿入(縁切り)
スレート屋根へのタスペーサー挿入(縁切り)

スレート屋根の塗装で欠かせないのが縁切りです。屋根材は上下が重なって葺かれていて、その隙間が雨水の逃げ道になっています。塗料でこの隙間が塞がると、入った水が抜けられなくなり、雨漏りや野地板の傷みにつながります。

それを防ぐために、タスペーサーという部材を屋根材の重なりに差し込み、隙間を確保します。塗り終わってから一枚ずつカッターで切り開く方法もありますが、部材を入れるほうが確実で、屋根材を傷めません。

スレート屋根の中塗り
スレート屋根の中塗り

下塗りで屋根材を固めたあと、中塗りに入ります。使用したのはNKクールリペイントのクリヤー仕様です。

スレート屋根の上塗りが完了した状態
スレート屋根の上塗りが完了した状態

そして上塗り。乾いてカサついていた屋根に、水を弾く膜が戻りました。

付帯部塗装——細い部材ほど印象を左右する

雨樋の上塗りが完了した状態
雨樋の上塗りが完了した状態

雨樋です。細い部材は小さなローラーと刷毛を使い分けて塗ります。ここが古いままだと、外壁がきれいになるほど逆に目立ちます。

軒天の上塗りが完了した状態
軒天の上塗りが完了した状態

軒天は湿気に強い塗料で真っ白に仕上げました。軒裏は湿気がこもりやすく、雨がかりも受ける場所です。

シャッターボックスの上塗りが完了した状態
シャッターボックスの上塗りが完了した状態

シャッターボックスは金属部材なので、錆止めを入れてから仕上げ塗りをしています。鉄部は下地処理を飛ばすと、数年で錆が浮いてきます。

完成

塗り替えが完了したスレート屋根の全景
塗り替えが完了したスレート屋根の全景

足場を解体した後の屋根です。落ち着いたブラウン系で仕上がりました。

外壁は深みのあるダーク系のサイディングになり、重厚感のある表情に変わりました。工期は約3週間、保証は10年です。

この工事の参考価格は?

今回の工事の参考価格は165万円前後(税込)です。同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安としてお考えください。

内訳のイメージとしては、足場、養生、高圧洗浄、シーリング補修、外壁3回塗り、屋根3回塗り+タスペーサー、付帯部塗装、廃材処分といった項目が並びます。このうち足場と洗浄は、どの会社に頼んでも大きくは変わらない固定費に近い部分です。会社によって差が出るのは、塗料のグレード、シーリングの処理方法、付帯部の範囲、そして管理費です。

なお、家を建てた会社からのお見積りとのあいだには差がありましたが、その金額や差額をここに書くことはしません。他社のお見積りを公開することになりますし、その中に何が含まれていたのかを私たちが正確に把握しているわけでもないからです。金額の大小ではなく、内訳を並べて確認していただくこと。それがこの記事でお伝えしたいことのすべてです。

藤井寺市藤が丘というエリアについて

藤井寺市は大阪府の南河内地域にあり、面積はおよそ8.9平方キロメートル。大阪府内でも面積の小さい市のひとつです。市内には世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」を構成する古墳がいくつも含まれています。

市域がコンパクトにまとまっているぶん、住宅が近接して建っている場所も少なくありません。外壁塗装の現場としては、足場の組み方と、高圧洗浄の水しぶきへの配慮が最初の課題になります。今回、屋根の洗浄にサーフェスクリーナーを使ったのも、飛散を抑えるためです。近隣にお住まいの方への影響を先に潰しておくことは、工事を気持ちよく終えるための段取りの一部だと考えています。

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、藤井寺市を含む近隣エリアで施工しています。

よくあるご質問

ハウスメーカーの見積りと地元業者の見積りは、そのまま比べられますか?

そのままでは比べられません。含まれている工事の範囲が違うことが多いからです。ハウスメーカーの見積りには、塗装以外の点検や部材交換、防水工事などが一緒に入っていることがあります。まず両方の見積書を項目ごとに横に並べて、片方にしかない行に印を付けてください。その行が金額差の正体であることがほとんどです。そのうえで、印を付けた工事が本当に必要なのかを、それぞれの会社に確認します。範囲をそろえてから比べる。これが順番です。

見積書の金額差が大きいとき、最初に確認すべきなのはどこですか?

塗る面積(㎡数)です。金額はほぼ「面積×単価」で決まるので、面積が違えば総額は当然ずれます。2社の見積りで面積が2割以上違っていたら、どちらかの測り方に理由があります。開口部を引いているか、付帯部を面積に含めているか。ここを聞くと、その会社が数量をどう扱っているかが分かります。面積の次に見るのは、塗る回数と塗料の製品名です。この3つがそろえば、単価の比較ができる状態になります。

「一式」と書かれた見積りは、それだけで避けるべきですか?

いいえ、「一式」自体は悪くありません。足場、仮設、養生、廃材処分などは、まとめて表記したほうが読みやすい項目です。問題になるのは塗装の本体工事やシーリング工事まで「一式」になっている場合です。数量が書かれていないと、後から範囲の食い違いが起きたときに確認する手段がありません。判断の目安は、「一式」の行に金額の大きいものが含まれているかどうか。含まれていれば、内訳を出してもらってください。断られることは、まずありません。

相見積もりを取るのは、家を建てた会社に失礼になりませんか?

失礼にはあたりません。数十万円から百万円を超える買い物で複数の見積りを取ることは、ごく普通の手順です。実際、ハウスメーカーの担当者の方も相見積もりがあることは前提で動いています。気になるようでしたら、「他社にも相談してみます」と正直に伝えるのがいちばん角が立ちません。隠して進めるほうが、後で気まずくなります。なお、比較のために他社の見積書をそのまま見せるのは避けたほうが無難です。金額だけを合わせにいく話になりやすく、中身の議論から遠ざかります。

費用を抑えたいとき、削ってよい工事と削ってはいけない工事はありますか?

あります。削ってよいのは、劣化していない部分への過剰な処置です。今回のシーリングのように、状態が良いのに一律で全撤去する、といった項目は見直せます。付帯部で、素材的に塗装が不要なものも同様です。逆に削ってはいけないのは、高圧洗浄、下塗り、そして塗る回数です。ここは仕上がった直後には差が見えず、3年後5年後に剥がれや色褪せとして出てきます。安くするために工程を減らすのは、支払いを先送りしているのと変わりません。判断に迷ったら、「これを省くと何年後に何が起きますか」と聞いてみてください。

おわりに

「家を建てたところから見積りをもらったんですが、思ったより高くて」

最初にいただいたこの一言に、いま改めてお答えするとすれば、こうなります。高く見えたのには理由があり、その理由は見積書の中に書いてあります。そして、その理由が納得できるものなら、高いほうを選ぶことは何も間違っていません。長期保証の条件が絡んでいるなら、なおさらです。

私たちがお伝えしたいのは、「安いほうにしましょう」ではありません。金額の裏側にある工事の中身を、施主さんご自身が見られる状態にしてから決めてくださいということです。面積の根拠、「一式」の数、塗料の製品名、シーリングの処理方法、付帯部の範囲。この5つを確認するだけで、見積書は急に読めるようになります。

今回の藤が丘のお住まいでは、状態の良い部分を活かして工程を整理し、そのぶんを塗料のグレードに回しました。結果として、外壁は無機系の塗料で、屋根はタスペーサーによる縁切りを入れて仕上げています。工期は約3週間、保証は10年。お客様には「思っていたより中身の話ができた」と言っていただけました。

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、藤井寺市をはじめとする近隣エリアで施工しています。まだ工事を決めていない段階でも構いません。他社のお見積りの読み方だけ知りたい、というご相談でも結構です。お住まいの写真を送っていただければ、状態の診断と、いま塗るべきか待てるかを正直にお伝えします。

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