松原市別所|築25年で色褪せた外壁を濃グレーに|色褪せの原因と全工程


「新築のときは、もっと薄いグレーだったんです」
松原市別所のお客様が、最初のご相談でそうおっしゃいました。築25年の2階建て。窯業系サイディングの外壁は、引き渡しのときは清潔感のある薄いグレーだったそうです。それが年々くすんできて、今では何色と呼べばいいのか分からない——そんな言い方をされていました。
それから3週間後。足場が外れた日、同じ場所に立って建物を見上げたお客様は、しばらく黙ってから「別の家みたいや」と言われました。薄いグレーだった外壁は、濃いチャコールグレーに変わっていました。
この記事は、その3週間の記録です。外壁塗装・屋根塗装・シーリング工事をあわせて、同等の内容を現在の価格でお見積りすると138万円前後になります。
そして同時に、この記事は「外壁はなぜ色褪せるのか」という一点について、私たちが現場で見てきたことをまとめた記録でもあります。色褪せは見た目の問題だと思われがちですが、実際にはそうではありません。その理由も含めて、全工程を22枚の写真で公開します。
工事データ
| 施工エリア | 大阪府松原市別所 |
|---|---|
| 築年数 | 25年(初めての塗り替え) |
| 建物 | 2階建て戸建て/窯業系サイディング+スレート屋根 |
| 施工内容 | 外壁塗装/屋根塗装/シーリング工事/付帯部塗装 |
| 使用塗料 | 外壁:KFシェアルドSi(KFケミカル・シリコン系) 屋根:シャネツテックⅡSi-JY(遮熱シリコン系) |
| 工期 | 約3週間 |
| 保証 | 外壁5年・屋根5年 |
| 参考価格 | 138万円前後 ※同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です |
「くすんできた気がする」から始まったご相談
お問い合わせをいただいたきっかけは、外壁の色でした。汚れとは違う、洗っても戻らない感じの変化。ご主人様は「毎日見ているから気づきにくいけれど、写真を見返すと明らかに違う」とおっしゃっていました。
実はこれが、色褪せの一番やっかいなところです。1日で変わるものではないので、住んでいる本人がいちばん気づきにくい。気づいたときには、10年分・15年分の変化がまとめて目に入ってくる。だから「急に古びた気がする」という感じ方になります。
もう一つ、お客様が気にされていたのが外壁の目地でした。サイディングとサイディングのつなぎ目に入っているゴム状の充填材が、所々で切れていたのです。

「色褪せはまだ我慢できるけれど、これは大丈夫なんですか」というのがご相談の中心でした。結論から言えば、この2つは別々の問題ではなく、同じ「築25年」という時間が生んだ症状です。どちらも紫外線と雨と温度差にさらされ続けた結果として現れています。
目地のシーリングそのものの劣化・打ち替えについては、松原市のシーリング工事・費用相場で詳しく書いています。この記事では、もう一方の主役である「色褪せ」に絞ってお話しします。


外壁が色褪せる原因を、もう一度きちんと整理する

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。外壁の色褪せは「経年劣化だから仕方ない」で片づけられがちですが、何が起きているのかを知っていると、次の塗り替えでの塗料選び・色選びがまるで変わります。
外壁が色褪せるのはなぜ?
主犯は紫外線です。それも、汚れや雨ではなく、光そのものが原因です。
外壁の色は、塗料に混ぜられた顔料という粒がつくっています。顔料は色のもとになる物質で、これが樹脂という接着剤のような成分の中に閉じ込められ、塗膜という一枚の膜になって壁を覆っています。
紫外線は、この顔料の分子結合を少しずつ切っていきます。分子が壊れると、それまで反射していた光の波長が変わる。物理的に色が「抜ける」わけではなく、色を出す仕組みそのものが壊れていく——これが色褪せの正体です。
同時に、顔料を包んでいる樹脂も紫外線で分解されます。だから色褪せは、単独では起きません。必ず塗膜そのものの劣化とセットで進みます。
色褪せとチョーキングは同じもの?
よくいただく質問ですが、答えは「ほぼ同じ現象の、別の見え方」です。
先ほど書いたとおり、紫外線は顔料と樹脂の両方を分解します。樹脂の分解が進むと、顔料を抱えていた膜がボロボロになり、行き場を失った顔料が塗膜の表面に粉として浮き出てきます。この粉が手につく状態がチョーキング(白亜化)です。
つまり、順番としてはこうなります。
- 顔料が壊れる → 色が薄く、くすんで見える(=色褪せ)
- 樹脂が壊れる → 顔料が粉になって浮く(=チョーキング)
見え方は違いますが、原因は同じ紫外線です。「色が褪せてきた」と「手に白い粉がつく」は、同じ坂道の上と下だと思っていただくと分かりやすいと思います。だから、色褪せが気になり始めた家を触ってみると、たいてい指先にうっすら粉がつきます。
今回のお宅でも、外壁を手で撫でると粉が付着する状態でした。築25年で一度も塗り替えていないのですから、当然といえば当然です。
褪せやすい色・褪せにくい色

ここは色を選ぶときに知っておいていただきたいところです。同じ塗料でも、色によって褪せ方がまったく違います。
褪せやすいのは、赤・朱色・黄色・オレンジ・紫・鮮やかな青といった、彩度の高い色です。これらの色を出す顔料は分子構造が複雑で、紫外線で結合が切れやすい傾向があります。とくに赤系は、数年で目に見えて色調が変わることがあります。
逆に褪せにくい——正確には褪せても目立ちにくいのが、白・オフホワイト・グレー・チャコール・ベージュ・アイボリーです。もともと彩度が低いので、多少退色しても「色が変わった」と認識されにくい。日本の住宅でグレーやベージュが定番になっているのは、飽きにくさだけでなく、この理由もあります。
今回のお客様が選ばれた濃いチャコールグレーは、この意味では非常に扱いやすい色です。「濃い色は褪せやすいのでは」とご心配される方がいらっしゃいますが、問題になるのは濃さではなく彩度です。彩度の低い濃色は、退色しても印象が崩れにくいのです。
方角によって、褪せ方はここまで違う
現地調査でいつも確認するのが、面ごとの色の差です。同じ日に同じ塗料で塗られた家なのに、方角によって色が違って見えます。
先に褪せるのは南面と西面です。南面は日照時間が長く、西面は西日という角度の低い強い光を、夏場の一番暑い時間帯に受け続けます。次いで東面。そして北面はほとんど褪せません。
だから、ご自宅の色褪せがどこまで進んでいるかを知りたいときは、北面と南面を見比べてみてください。北面の色が「元の色」に近く、南面がその家の劣化した姿です。この差が大きいほど、塗膜が受けてきた紫外線の量が多かったということになります。
今回のお宅も、南面と西面のくすみが顕著でした。逆に言えば、北面がまだ元の色を保っていたおかげで、「新築時は薄いグレーだった」というお客様の記憶を、私たちも現物で確認することができました。
色褪せは放っておくとどうなる?
ここがいちばん誤解されやすい点です。色褪せは、見た目の問題では終わりません。
塗膜の役割は、色をつけることではなく水を弾くことです。外壁材そのもの——とくに窯業系サイディングはセメントと繊維を混ぜて板状に固めたもので、そのままでは水を吸います。塗膜という膜があるから、水を吸わずに済んでいる。
色褪せは、その膜をつくっている樹脂が分解されているサインです。色が抜けているということは、防水性も一緒に抜けているということになります。順を追うとこうなります。
- 塗膜の防水性が落ちる
- 外壁材が雨水を吸うようになる
- 吸って乾いてを繰り返し、反り・浮き・ひび割れが出る
- 目地や継ぎ目から内部に水が回り、下地の木材が傷む
ここまで来ると、塗装だけでは元に戻せません。板の張り替えや下地の補修が必要になり、費用の桁が変わります。色褪せの段階で手を打てば「塗るだけ」で済む——これが、私たちが色褪せを軽く見ないでくださいとお伝えする理由です。
今回のお宅は、外壁材そのものにはまだ大きな損傷が出ていませんでした。目地の破断は進んでいましたが、下地までは水が回っていなかった。塗装とシーリングの打ち替えで十分に回復できるタイミングだったと言えます。
色褪せにくくするために、できること

完全に防ぐことはできません。紫外線が当たる以上、塗膜は必ず劣化します。ただし、進みを遅くすることはできます。
1つめは塗料のグレードです。アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機——右にいくほど樹脂の結合が強く、紫外線に分解されにくくなります。フッ素や無機の塗料は、シリコンよりも褪色しにくく、ツヤの持ちも長い。そのぶん初期費用は上がりますが、次の塗り替えまでの年数が延びるので、長い目で見た1年あたりの費用は必ずしも高くなりません。
2つめは色の選び方です。先ほど書いたとおり、彩度の低い色を選べば、退色しても印象が崩れにくくなります。どうしても鮮やかな色を使いたい場合は、面積を絞って一部のアクセントに留める、という方法もあります。
3つめは定期的な洗浄と点検です。汚れや苔が壁に残っていると、そこが湿気を抱え込み、塗膜の劣化を早めます。5年に一度くらいの頻度で状態を見ておくと、「まだ大丈夫」「そろそろ」の判断を間違えずに済みます。
今回のお客様には、費用と耐用年数のバランスからシリコン系のKFシェアルドSiをご提案しました。「次は10年後くらいにまた見てもらえたら」というご希望に、いちばん素直に合う選択でした。
3週間の全工程

ここからは実際の工事です。足場を組み、高圧洗浄で汚れと粉を落とし、目地のコーキングを打ち替え、養生をしてから塗装に入ります。
屋根:苔と黒ずみが広がったスレート
外壁と同時に、屋根も塗り替えました。施工前のスレート屋根は、表面全体に苔と黒ずみが広がっていました。

屋根に苔が生える理由も、外壁の色褪せと根は同じです。塗膜が機能していれば水は流れ落ちますが、劣化して水を吸うようになると、常に湿った状態が生まれ、そこに苔が根を張ります。屋根は外壁よりも紫外線を真上から受けるため、傷むのが早いのが普通です。




屋根に使ったシャネツテックⅡSi-JYは遮熱塗料です。太陽光の熱を反射することで屋根材の温度上昇を抑え、結果として塗膜自体の劣化も緩やかになります。
外壁:3回塗りで濃いチャコールグレーへ
目地のコーキングを打ち替えて完全に硬化させてから、外壁の塗装に入りました。手順は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りです。

下塗りは色をつけるための工程ではありません。25年分の紫外線で傷んだ既存の塗膜に、これから乗せる仕上げ塗料を密着させるための土台づくりです。ここを省いたり薄く済ませたりすると、数年で剥がれます。


中塗りと上塗りで同じ塗料を2回重ねるのは、塗膜の厚みを確保するためです。色褪せに耐えられるかどうかは、塗料の性能だけでなく、規定どおりの厚みが確保されているかで決まります。1回塗りで済ませた壁は、どんなに良い塗料を使っても早く褪せます。

付帯部:軒天・破風板・雨樋・雨戸・水切り
外壁と屋根がきれいになると、付帯部の古さが逆に目立ちます。今回は付帯部をすべて塗り替え、ブラック系で統一しました。






金属製の部材は、塗る前にサビ止めを入れます。ここを飛ばすと、上からいくら仕上げ塗料を塗っても内部からサビが進み、数年で膨れや剥がれが出ます。見えなくなる工程ほど、後で差が出ます。
松原市別所という土地の条件
色褪せの進み方は、その家が建っている場所の条件にも左右されます。松原市別所という土地には、いくつか特徴があります。
まず、内陸なので塩害はほとんど気にしなくてよいという点です。海沿いの地域では潮風に含まれる塩分が金属部材のサビを早めますが、松原市はその心配が小さい。今回のお宅でも、水切りや雨樋の金属部材の傷みは年数相応の範囲に収まっていました。
一方で、日射の条件はかなり厳しいと感じています。周囲に高い建物や山が少なく、朝から夕方まで日を遮るものがありません。とくに西日を受ける面は、夏場の午後に長時間、強い光と熱にさらされます。
この2つを合わせると、松原市別所のような立地では「サビよりも紫外線」が塗膜の寿命を決める主因になります。実際、今回のお宅も南面と西面の褪せが先行し、北面がいちばんきれいに残っていました。地域の気候をひとまとめに語るより、その家のどの面がいちばん日を受けているかを見るほうが、ずっと確実です。
松原市全体の外壁塗装の考え方については、松原市の外壁塗装 完全ガイドにもまとめています。
足場が外れた日
3週間後、足場を解体しました。


薄いグレーから、濃いチャコールグレーへ。数字の上では「色を変えただけ」ですが、実際に建物の前に立つと、印象がまるで違います。色が濃くなったこと以上に、色にムラがなくなったことのほうが効いている——私たちはそう感じています。
築25年の外壁は、南面が褪せ、北面が残り、面ごとにトーンがバラバラでした。それが1つの色で揃った。だから「別の家みたいや」という感想になったのだと思います。
お客様が最初に私たちに求められたのは、特別な提案ではなく「言ったとおりに、丁寧にやってくれること」でした。その一点だけを守り続けた3週間でした。
よくあるご質問
外壁の色褪せは、何年目から気になり始めますか?
使われている塗料のグレードによりますが、シリコン系の塗料で塗った場合、7年目あたりからツヤが引け、10年前後で色のくすみを感じる方が多いです。アクリルやウレタン系だともう少し早く、フッ素や無機系だと15年以上ツヤが残ることもあります。ただしこれはあくまで目安で、南面と西面の日当たり具合によって数年単位で変わります。年数よりも、北面と南面を見比べて差が出ているかどうかで判断してください。
色褪せているだけで、ひび割れも剥がれもありません。まだ塗り替えなくて大丈夫ですか?
「まだ塗るだけで済む、いちばん良いタイミング」だとお考えください。色褪せは塗膜の防水性が落ちてきたサインです。この段階なら塗装だけで回復できますが、放置して外壁材が水を吸い始めると、反りや浮き、下地の傷みへと進み、板の張り替えが必要になることがあります。費用の桁が変わる前に手を打てる、ちょうどその位置にいらっしゃいます。ただし今すぐ工事が必要という意味ではありませんので、まずは点検で現状を確認されることをおすすめします。
手で触ると白い粉がつきます。これは洗えば落ちますか?
洗えばその場では落ちますが、また出てきます。この白い粉はチョーキングといって、紫外線で塗膜の樹脂が分解し、中の顔料が粉になって浮き出たものです。汚れが付着しているのではなく、塗膜そのものが崩れて粉になっているため、洗浄では根本的に解決しません。粉が出ている状態は、塗り替え時期に入っているという明確なサインです。
濃い色は色褪せが目立ちやすいと聞きましたが、本当ですか?
「濃いかどうか」ではなく「鮮やかかどうか」で考えてください。赤や黄色のように彩度の高い色は、濃くても薄くても褪色が目立ちます。一方、今回のチャコールグレーのように彩度の低い濃色は、多少退色しても印象が崩れにくく、扱いやすい色です。濃いグレーやダークブラウンは、色褪せの観点ではむしろ安心してお選びいただける部類です。
次の塗り替えまでの期間を、できるだけ延ばしたいのですが。
塗料のグレードを上げるのがいちばん確実です。フッ素系や無機系は樹脂の結合が強く、紫外線による分解が起きにくいため、シリコン系より長くもちます。初期費用は上がりますが、塗り替えの回数が減るので、30年・40年という長さで見ると総額が逆転することもあります。あわせて、彩度の低い色を選ぶこと、5年に一度は状態を見ておくこと。この3つで、次の塗り替えまでの期間はかなり変わります。ご予算とお住まいになる年数をお聞かせいただければ、逆算してご提案します。
「新築のときは薄いグレーだった」の続き
最初のご相談でお客様がおっしゃった「新築のときは、もっと薄いグレーだったんです」という言葉。あれは、色の記憶の話であると同時に、25年という時間が家に何をしたかの記録でもありました。
紫外線が顔料を壊し、樹脂を分解し、色が抜け、粉が浮き、防水性が落ちていく。その一部始終が、あの薄いグレーのくすみに全部入っていた。だから私たちは、色褪せを「見た目の話」として扱いません。
いま、あのお宅の外壁は濃いチャコールグレーです。次に色の変化が気になり始めるのは、10年ほど先になると思います。そのときにまた声をかけていただけるように、塗って終わりではなく、そこからのお付き合いを続けていきます。
ご自宅の外壁の色が、新築のときと変わってきた気がする——そう感じられたら、それは家からの合図です。北面と南面を見比べてみてください。差が出ていたら、一度ご相談ください。
▼ 松原市の外壁塗装・関連記事
代表・松本|お気軽にどうぞ写真を送るだけ、スマホで無料診断
劣化のサインが気になったら、お家の写真をLINEで送るだけ。無料で状態を診断し、今すぐ塗るべきか・まだ待てるかを正直にお伝えします。
- 大阪・平野区の業者が対応
- 無料・かんたん
- しつこい営業はしません
代表・松本|お気軽にどうぞ- 大阪・平野区の業者が対応
- 無料・かんたん
- しつこい営業はしません














