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施工事例紹介

東大阪市吉田本町|築30年の整体院の外壁・屋根を塗装|営業しながら3週間、店を開けたまま進めた段取り

BEFORE 施工前
東大阪市吉田本町の整体院 施工前のモルタル外壁とタイル腰壁の全景
AFTER 施工後
東大阪市吉田本町の整体院 フッ素塗料で塗り替えた施工後の外壁全景

「工事の間、店を閉めないといけませんか」

東大阪市吉田本町。1階で整体の治療院を営み、2階と3階がお住まいという築30年の建物から、外壁と屋根の塗り替えについてご相談をいただきました。最初にお客様が口にされたのが、この一言でした。

商売をされている方からのご相談で、いちばん先に出てくる心配ごとは、たいていこれです。壁の色でも、塗料のグレードでも、費用でもありません。工事のあいだ、お店をどうするか。ここが決まらないと、そもそも工事に踏み切れない。当然だと思います。

先に結論を書きます。店舗の外壁塗装は、営業しながら進めるのが基本です。ただし「まったく影響ありません」とは言えません。音が出る日はありますし、においが気になる日もあります。窓が養生シートでふさがる時間帯もあります。大切なのは、影響をゼロにすることではなく、影響が出る日と時間をあらかじめ決めてしまい、お客様にお伝えできる状態にしておくことです。

この記事は、東大阪市吉田本町の整体院で行った外壁フッ素塗装・屋根塗装の3週間の記録です。工程の写真もすべて載せますが、それ以上に「店を開けたまま塗るには、どこをどう段取るのか」を書きました。これから店舗の塗り替えを考える方が、工事の前に決めておくべきことを一つずつ拾えるように整理しています。

工事データ

施工エリア 大阪府東大阪市吉田本町
築年数 30年
建物 1階が整体院・2〜3階が住居の店舗併用建物/モルタル外壁(ボンタイル仕上げ)+一部タイル張り+スレート屋根
施工内容 外壁塗装/屋根塗装/シーリング打ち替え(サッシ廻り・目地)/付帯部塗装/換気フード交換
使用塗料 外壁:KFシェアルドF(フッ素)
屋根:ファインパーフェクトベスト
工期 3週間
保証 外壁 10年/屋根 5年
参考価格 現地調査後にお見積り
この事例は工事金額を公開していません。金額は足場面積・下地の傷み具合・付帯部の数によって大きく変わるため、実際の建物を見たうえでお出ししています。

営業しながら塗るには、まず何を決める?

店舗を営業しながら外壁塗装する前に、出入口、駐車場、窓の養生、看板、音とにおいの時間を決める図解
店を開ける日は、工事より先に動線を決めます

店舗の外壁塗装で最初に決めるのは、色でも塗料でもありません。「工事のあいだ、お客様がどこから入って、どこを歩くか」です。ここが決まると、足場の掛け方も、養生の順番も、作業の時間帯も、ほとんど自動的に決まっていきます。

足場はどこから組む?出入口はふさがらない?

足場は建物の四周に組みます。つまり原則として、出入口の前にも足場の柱が立ちます。ここで「入口がふさがるのでは」と心配される方が多いのですが、実際には出入口の部分だけ柱の間隔を広げ、頭上に手をかけない構成にして通路を確保します。足場は規格の部材を組み合わせて作るものなので、どこに柱を落とすかはある程度こちらで選べます。

ですから、現地調査のときに必ずお聞きするのが「お客様が使う入口はどこですか」「スタッフが使う裏口は別にありますか」の2点です。今回の建物は角地に建っていて、通りに面した店舗の入口と、建物の脇にある別の出入口の二方向がありました。二方向あるということは、片方の面を作業しているあいだ、もう片方を通路として生かせるということです。

逆に言うと、出入口が1か所しかない建物ほど、段取りは慎重になります。その場合は、入口の前に足場を組む日を最初か最後にまとめ、その一日だけ「入口の位置が少し変わります」とご案内する形にします。

駐車場が使えなくなるのはどれくらい?

ここは正直にお伝えしないといけない部分です。建物に面した駐車スペースは、足場の設置日から解体日まで、使えない可能性が高いです。足場の柱が立ち、その内側に材料や道具を置くためです。

今回のように3週間の工期であれば、駐車スペースは実質3週間押さえられると考えてください。お客様が車で来られる業態なら、これは事前にお伝えしておくべき最大の項目です。近隣のコインパーキングの場所をあらかじめ調べて、貼り紙に書いておく。これだけで、当日の「停められない」というトラブルはほぼ防げます。

建物の前面道路が広くない土地では、足場材を積んだトラックを停める時間帯にも配慮が要ります。今回の現場も、車がすれ違うのに気を使うような幅の道に面した角地でした。搬入・搬出は交通量の落ち着く時間に合わせるのが、近隣にも来院される方にもいちばん影響が小さくなります。

養生で窓がふさがるのは、いつ、どのくらい?

養生シートで窓がふさがるのは、その面を塗っている日だけです。工期3週間まるごと真っ暗になるわけではありません。

ただし、窓を大きく取った店舗は影響が出やすいのも事実です。外の光が入らないと室内は想像以上に暗くなりますし、通りから店内の様子が見えなくなります。対策は二つ。ひとつは、店舗の面を塗る日を営業の少ない曜日に寄せること。もうひとつは、その日は照明を一段明るくしておくことです。塗装が終わってシートを外せば元に戻りますが、当日その場にいるお客様にとっては「今日は暗いな」がすべてなので、ここは手を打つ価値があります。

看板は外す?養生する?それとも塗り替える?

店舗の工事で必ず出てくるのが看板の扱いです。判断は三つに分かれます。

1つめは、外して工事のあいだ預かる。壁付けのプレート看板やパネル看板で、ビス留めのものはこれができます。外すと壁の裏側まできれいに塗れるので、仕上がりがいちばん良くなります。ただし外している期間は看板が無い状態になるので、代わりの表示を用意しておく必要があります。

2つめは、外さずに養生する。袖看板(突き出し看板)や電飾看板など、外すのに手間と費用がかかるものはこちらです。ビニールとテープで包み、塗料が付かないようにします。この場合、養生している数日間は看板が見えなくなります。夜間に光る看板なら、その間は消灯になることも伝えておきます。

3つめは、この機会に塗り替える。看板の下地が鉄部で、錆が浮いている場合です。足場が架かっているうちに手を入れておくほうが、あとから看板だけのために足場を組むより圧倒的に安く済みます。

どれを選ぶかは、看板の作り・劣化の状態・お店にとっての重要度で決まります。工事が始まってから決めると必ず慌てるので、見積りの段階で「この看板はどうしますか」を1つずつ確認しておくのが正解です。

音とにおいが出るのは、どのタイミング?

ここは工程が決まっているので、ほぼ正確に読めます。

音がいちばん出るのは高圧洗浄の日です。エンジンの音と、水が壁を叩く音が一日中続きます。今回の現場では屋根と外壁で分けて行いました。整体院のように静かな環境が売りの業態では、この日だけは予約を薄くしておく判断が現実的です。それ以外では、足場の組立と解体の日に金属音が出ます。この二日も、できれば予約を控えめにしておきたい日です。

においが出るのは塗装の日です。いまの外壁塗料の主流は水性で、油性のシンナー臭に比べればかなり穏やかになりました。それでも「無臭」ではありません。特に鉄部や樋の塗装には溶剤系を使うことがあり、この日は窓を開けにくくなります。においは風向きに左右されるので、当日の朝に「今日は少しにおいが出ます」とお伝えできるようにしておくのが親切です。

逆に言えば、下塗り・中塗り・上塗りといった「塗る」工程の大半は、静かです。ローラーを転がす音しかしません。工期3週間のうち、はっきり影響が出る日は数日に絞り込めます。

休業したほうがよい場合もあります

すべての工事を営業しながらできるかというと、そうではありません。次のような場合は、短期間の休業や時間短縮を検討したほうが結果的に良いことがあります。

ひとつは、出入口が1か所しかなく、その真上で作業する日がある場合。足場の下は養生ネットを張って落下物を防ぎますが、頭上作業のある時間帯にお客様に通っていただくのは、やはり気持ちのいいものではありません。

もうひとつは、においに敏感な業態。飲食店や、施術中に長時間同じ空間にいていただく業態では、塗装日だけ営業時間をずらすほうが安心です。

三つめは、店内の内装工事を同時に行う場合。外装だけなら営業できますが、内装が絡むと話は変わります。

「休まないでできますよ」と言い切る業者より、「この2日だけは休まれたほうがいいです」と言う業者のほうが、たぶん現場を分かっています。

お客様には、いつ・何を伝える?

店舗外壁塗装中にお客様へ伝える、いつから、いつまで、入れること、予約時の一言を示した図解
不便が残る部分ほど、先に伝えると安心につながります

貼り紙に書くのは「いつから・いつまで・入れます」の3点

工事の案内は、足場が架かる1週間前には掲示を始めたいところです。足場が立ってから貼り紙を出すと、「知らずに来て驚いた」という方が必ず出ます。

書く内容は3点で足ります。

1つめ、期間。「◯月◯日〜◯月◯日」と具体的に。天候で前後することも一行添えておきます。
2つめ、出入口。「入口はこれまでどおりお使いいただけます」。ここが最大の不安なので、いちばん大きい字で書きます。入口が変わる日があるなら、その日付も。
3つめ、駐車場。使えない期間と、近くの駐車場の場所。

細かい工程表は要りません。来られる方が知りたいのは「今までどおり来ていいのか」だけです。逆に、工事の内容を詳しく書きすぎると、かえって「大変そうだから今回はやめておこう」と読まれることがあります。

予約のときの一言が、いちばん効きます

予約制の業態なら、貼り紙より確実なのが予約を受けたときの一言です。「その日は外壁の工事が入っていますが、いつもどおりお入りいただけます。足場が組んでありますので、少しだけ見た目が驚くかもしれません」。これを電話や連絡の最後に足しておくだけで、当日の混乱はほとんど無くなります。

ポイントは「驚くかもしれません」と先に言っておくことです。足場と養生シートに囲まれた建物は、想像以上に「営業していないように見える」からです。人は、知らされていた驚きには動じません。

それでも、ご不便をかける部分は残ります

正直に書きます。ここまで段取っても、ゼロにはなりません。

足場と養生シートに囲まれた3週間は、外から見て店の存在が分かりにくくなります。通りがかりで入ってこられる新規の方は、この期間おそらく減ります。駐車場も使えません。洗浄の日は音がしますし、塗装の日はにおいがします。

これを「まったく影響ありません」と説明する業者がいたら、その説明は疑ってください。影響はあります。だから、いつ・どこに出るかを先に決めて、伝えられる形にしておく。これが店舗の外壁塗装でできる、いちばん誠実な対処だと考えています。

現地調査|築30年のモルタル外壁に出ていたこと

段取りの話が続きましたが、そもそも「なぜ今なのか」を決めるのが現地調査です。この建物で確認できたことを順に見ていきます。

南面の色ムラは、何のサイン?

最初に目についたのは、日当たりの良い南面に出ていた色のムラでした。外壁はモルタル壁で、新築時に表面へボンタイルという吹き付け塗装が施されています。この塗膜が紫外線と風雨にさらされ続けると、防水性が少しずつ失われていきます。

防水性が切れた壁は、雨を弾かずに吸ってしまいます。吸った水が乾くときに、壁の内側から塗膜を押し上げる。この繰り返しが、色ムラや白っぽい粉ふき(チョーキング)として表に出てきます。色ムラは汚れではなく、防水性が切れたという合図です。

ひび割れ(クラック)は、どこまで放っておける?

モルタル外壁に走ったひび割れ(クラック)の様子
モルタル外壁に走っていたひび割れ

各所にひび割れが発生していました。モルタル壁のひび割れは、地震や大型車の通過による建物の揺れ、そして経年で塗膜そのものが硬く弱くなることで起こります。

幅の細いヘアークラックであれば、下塗り材で埋めながら塗装することで対応できます。今回も下塗りに微弾性のフィラーを使い、細かいひび割れを埋め込みながら進めました。ただし、幅が大きいものや、動きが続いているひび割れは、塗るだけでは止まりません。放置すれば、そこが雨水と湿気の入口になります。「まだ細いから」で先送りにできる期間は、思ったより短いと考えておいてください。

サッシ廻りのシーリングが切れると、どうなる?

タイルとサッシの取り合いに入っているシーリング(ゴムのような充填材)が劣化していました。ここは雨漏りに直結する場所です。サッシの周囲は雨がまわりこみやすく、シーリングが切れると水が壁の内部に入ります。壁の中に入った水は乾きにくく、木部を傷めます。

外壁塗装の見積りを見比べるとき、シーリングの扱いは必ず確認してください。「打ち替え」(古いものを撤去して新しく充填する)と「増し打ち」(上から足す)では、耐久性がまったく違います。

屋根はドローンで確認しました

ドローンで撮影した塗装前のスレート屋根
塗装前のスレート屋根|ドローンで撮影
塗膜が劣化したスレート屋根の表面
塗膜が劣化して素地が見えかけたスレート屋根の表面

屋根はドローンを飛ばして撮影しました。スレート屋根と呼ばれる薄い板状の屋根材で、外壁と同じく太陽光によって表面の塗膜が劣化していました。

店舗にとって屋根は「見えない場所」です。だからこそ後回しになりがちですが、足場を架けたこのタイミングで一緒にやってしまうのがいちばん安く済みます。外壁だけ塗って、5年後に屋根のために足場をもう一度架けるのは、費用の面でも営業への影響の面でも損な選択です。

タイルの欠損と、割れた換気フード

外壁タイルの一部が欠け落ちていた箇所
外壁タイルの一部が欠け落ちていた箇所

外壁の一部はタイル張りで、欠けて落ちている箇所がありました。タイルは基本的に手入れの要らない外壁材ですが、写真のように欠損することがあります。店舗の外装では、こうした小さな欠けが意外と目に付きます。補修が可能な箇所だったので、あわせてご提案しました。

さらに、換気フードが紫外線で劣化して割れていました。築30年相応の傷みが、あちこちに出ていた建物です。

全工程を写真で公開します(3週間)

店舗を営業しながら進める外壁と屋根の塗装工程として、シーリング、高圧洗浄、外壁、屋根、付帯部、換気フードを示した図解
音やにおいが出る工程は、営業への影響を見ながら進めます

1|シーリングの打ち替え

サッシ廻りの劣化したシーリングを撤去したところ
サッシ廻りの劣化したシーリングをカッターで撤去
シーリングの下地にプライマーを塗布する作業
マスキングテープを貼り、密着のためのプライマーを塗布
ガンで新しいシーリング材を充填する様子
ガンで新しいシーリング材を充填
サッシ廻りのシーリング打ち替えが完了した状態
ヘラで押さえ、テープを剥がして打ち替え完了

まずサッシ廻りのシーリングです。カッターを入れて劣化した既存材を取れるだけ撤去し、両サイドにマスキングテープを貼り、密着させるためのプライマーを塗ってから新しい材料を充填します。最後は空気が入らないようヘラで押さえ、テープを剥がして仕上げます。

同じ色のシーリング材で施工しているため、写真では前後の違いが分かりにくいのですが、中身は完全に入れ替わっています。

外壁目地部へプライマーを塗布する作業
外壁目地部へのプライマー塗布
外壁目地のシーリング補修が終わった状態
目地部のシーリング補修が完了した状態

外壁の目地部も補修します。目地はサッシ廻りと違い、マスキングテープでラインを出すと塗装したときに逆に段差が目立ってしまうため、テープを貼らずに施工しました。こういう判断の積み重ねが、仕上がりの印象を決めます。

この工程は静かです。営業への影響はほとんどありません。

2|高圧洗浄(工期でいちばん音が出る日)

高圧洗浄でスレート屋根の旧塗膜を落としている様子
高圧洗浄で屋根の旧塗膜を落としていく
高圧洗浄を終えて白くなったスレート屋根
洗浄を終えて白くなったスレート屋根
軒天とタイル面を高圧洗浄している様子
軒天とタイル面の洗浄
モルタル外壁を高圧洗浄している様子
モルタル外壁の高圧洗浄

シーリングが乾くのを待って、高圧洗浄に入ります。洗浄は必ず上から下へ。屋根、軒、外壁の順です。

写真で白っぽくなっているのが洗浄済みの部分です。表面の旧塗膜が剥がれ、素地がむき出しになっているのがはっきり分かります。ここまで落とさないと、新しい塗料が下地に密着しません。塗装の耐久性の半分は、この洗浄で決まります。

そして冒頭に書いたとおり、この日が工期でいちばん音の出る日です。エンジンの音と、水が壁を叩く音が一日続きます。予約が調整できるなら、この日を薄くしておくのが賢い選択です。

3|外壁の下塗り(フィラー)

外壁に下塗りのフィラーを塗布した状態
下塗りのフィラーを塗布し、外壁全体が白くなった状態

洗浄した壁が乾いたら、フィラーと呼ばれる下塗り材を塗ります。下地と上の塗料を密着させる接着剤の役割を果たすと同時に、細かいひび割れを埋めてくれる材料です。

フィラーは白いので、いったん外壁全体が白っぽくなります。ここで「思っていた色と違う」と驚かれる方がいますが、これは途中経過です。ちなみに、この状態を通行人が見て「白く塗り替えたのか」と誤解されることもあるので、店舗の場合はお客様に一言添えておくと安心です。

4|外壁の中塗り・上塗り(フッ素塗料)

ローラーで外壁のフッ素塗料を塗り重ねる作業
ローラーでフッ素塗料を塗り重ねていく

フィラーの上から主剤を塗ります。今回使用したのはKFシェアルドFというフッ素塗料です。下塗り・中塗り・上塗りの合計3回塗りで仕上げます。

2回目と3回目は同じ色の塗料を重ねるため、どこまで塗ったかが見た目で分かりません。塗り漏れが出ないよう、区画を区切って慎重に進めます。ここは職人の集中力がそのまま耐久性になる工程です。

店舗にとってフッ素を選ぶ意味は、次の工事までの期間が延びることにあります。塗り替えのたびに足場が架かり、駐車場が使えなくなり、お客様にご案内をする。その回数が減るということです。工事そのものの手間より、営業を止めずに済ませる回数のほうが、店舗では効いてきます。

5|屋根塗装(タスペーサーから)

スレート屋根に下塗りシーラーを塗布した状態
下塗りシーラーを塗布した直後の屋根|濡れ色の部分が塗布済み
スレート屋根の中塗りで色が付いていく様子
中塗りで屋根に色が入っていく
スレート屋根の上塗りを塗り重ねる作業
上塗りを重ねて仕上げる
塗装が仕上がったスレート屋根
塗装が仕上がったスレート屋根

屋根はまずタスペーサーという縁切り部材を、屋根材同士の隙間に差し込むところから始めます。

スレート屋根はもともと屋根材が重なっており、そこにわずかな隙間があります。この隙間は、内部に入った水を逃がすための通り道です。塗装するとその隙間を塗料が毛細管現象で埋めてしまい、かえって屋根裏に湿気が溜まりやすくなる。それを防ぐために、あらかじめ部材を挟んで隙間を確保しておくのが縁切りです。

その上で、シーラー(下塗り)→中塗り→上塗りの3回塗り。シーラーは無色なので色は付きませんが、乾いた屋根材に塗ると濡れ色になるため、塗った場所は色が濃く見えます。中塗りに入ると一気に色が付き、変化が目に見えるようになります。使用した屋根用塗料はファインパーフェクトベストです。

屋根の作業は建物の上で行うため、店内への音の影響は比較的小さい工程です。

6|付帯部の塗装

横樋を塗装している様子
横樋の塗装
外部階段の手摺を塗装した後の状態
外部階段の手摺を塗装した後

樋や鉄部、外部階段の手摺も塗装します。外壁と屋根がきれいになったのに付帯部がそのままだと、そこだけが色あせて目立ちます。見た目の問題だけでなく、鉄部は塗膜が切れると錆が進むので、耐久性のためにも必要な工程です。

店舗の場合、お客様の手が触れる場所ほど印象に残ります。手摺はその代表です。

7|換気フードの交換

割れた換気フードを切り落とした開口部
割れた換気フードを切り落とした開口部
新しいステンレス製換気フードをマスキングした状態
新しいステンレス製フードを取り付け、シーリング前にマスキング
ステンレス製換気フードへの交換が完了した状態
ステンレス製の換気フードへの交換が完了

紫外線で割れていた換気フードは交換しました。もとはプラスチック製だったため、簡単に切り落とすことができます。

新しく取り付けたのはステンレス製のフードです。プラスチック製より耐久性が高く、次に外装をさわるまでのあいだ、同じ壊れ方をしにくくなります。ビスで固定したあと、隙間から雨が入らないようマスキングテープを貼ってシーリングで埋め、ヘラで押さえてテープを剥がして完了です。

こうした小さな部材の交換は、足場が架かっている今しかできません。足場のあるうちにどこまでやるか——これも、店舗にとっては「次に営業へ影響を出す時期をいつにするか」という判断そのものです。

東大阪市吉田本町という場所で、店を開けたまま工事するということ

東大阪市吉田本町は、近鉄奈良線沿いの、住宅と小さな店舗が混ざり合うエリアです。今回の建物も、生活道路の角地に建つ、1階が店舗で上階が住まいという形でした。

この「住宅地のなかの店舗」という立地は、工事の段取りに二重の配慮を要求します。来られるお客様への配慮と、隣近所への配慮の両方です。朝の作業開始を早くしすぎない。洗浄の日は近隣にも先にお伝えする。足場材の搬入は交通量の落ち着く時間に合わせる。どれも派手な工夫ではありませんが、この積み重ねが「工事のあいだ、気まずくならない」という結果につながります。

大阪市平野区を拠点にしている私たちにとって、東大阪市は日常的に伺うエリアです。近い場所だからこそ、洗浄の翌日に様子を見に寄る、といった細かい対応ができます。店舗の工事では、この距離の近さが効いてくる場面が少なくありません。

外装の清潔感は、第一印象を変えます

店舗外装の施工前に見えやすい色ムラ、ひび割れ、汚れと、施工後に伝わりやすい清潔感、手入れ感、入口の分かりやすさを比較した図解
集客を保証するものではなく、見た目の印象を整える工事です

3週間後、足場のシートが外れました。

色あせてムラの出ていたモルタル外壁は落ち着いた色に締まり、屋根も塗り替わりました。欠けていたタイルは補修され、割れていた換気フードはステンレスに替わっています。築30年の建物が、手入れの行き届いた建物に見えるようになりました。

ここで、正直に線を引いておきます。

外装をきれいにすれば来院者が増える、とは申し上げられません。集客はお店の中身で決まるものですし、私たちに保証できることではありません。

お伝えできるのは、ここまでです。建物の外装は、初めて訪れる方がそのお店について得る最初の情報であるということ。壁が色あせ、ひび割れがあり、換気フードが割れたままの建物と、そうでない建物とでは、扉を開ける前の印象が違います。清潔感という言葉で片づけられがちですが、店舗にとってはそれが最初の一手であることも確かです。

それが数字にどう表れるかは、私たちには分かりません。分からないことを「増えます」と言わないのが、外壁塗装屋としての誠実さだと考えています。

完工の日

築年数が経っていたぶん、補修すべき箇所の多い建物でした。ひび割れ、シーリングの劣化、タイルの欠損、割れた換気フード。ひとつずつ手を入れて、3週間で仕上げました。

冒頭の「工事の間、店を閉めないといけませんか」に、あらためて答えます。

閉めなくてもできます。ただし、閉めなくて済むように段取るのは、業者の仕事です。出入口をどう確保するか、足場をどの順で組むか、音の出る日をいつに置くか、看板をどう扱うか、駐車場の代替をどう案内するか。ここを工事前に詰めておけば、営業を続けながらの外壁塗装は十分に成り立ちます。逆に、ここを詰めずに始めてしまうと、毎日どこかで小さなトラブルが起きます。

店舗の外壁塗装で本当に大事なのは、塗料のグレードより先に、この段取りの話ができる業者かどうかだと思っています。

よくあるご質問

店舗の外壁塗装は、本当に営業しながらできますか?

ほとんどの店舗ではできます。外装の工事は建物の外側だけで完結するため、店内に職人が入ることは基本的にありません。ただし「まったく影響がない」わけではなく、高圧洗浄の日は音が出ますし、塗装の日はにおいが出ます。窓のある面を塗る日は、養生シートで外光が入らなくなります。営業しながら進めるというのは、影響が無いという意味ではなく、影響が出る日をあらかじめ特定して、対策とご案内ができる状態にしておくという意味です。出入口が1か所しかない建物や、においに敏感な業態では、2日程度の休業や時間短縮を検討したほうが結果的に良い場合もあります。

工事中、お客様は今までどおり出入りできますか?

できるように足場を組みます。足場は建物の四周に立ちますが、出入口の部分は柱の間隔を広げ、頭上での作業がその時間帯に重ならないよう工程を組みます。現地調査のときに「お客様が使う入口はどこか」「別の出入口はあるか」を必ず確認するのはこのためです。出入口が二方向ある建物なら、片方を作業しているあいだ、もう片方を通路として使えます。ただし、足場と養生シートに囲まれると建物は営業していないように見えます。入口の前に「営業中」「通常どおり営業しています」の表示を出しておくことを強くおすすめします。

看板は工事のあいだ、どうなりますか?

看板の作りによって三通りです。ビス留めの壁付け看板は取り外して工事のあいだお預かりできます。壁の裏まで塗れるので仕上がりが最もきれいになります。袖看板や電飾看板など取り外しに手間のかかるものは、ビニールとテープで包んで養生します。この場合、養生している数日間は看板が見えず、電飾は消灯になります。看板の下地が鉄部で錆が出ている場合は、足場のあるこの機会に塗り替えてしまうのが効率的です。どれにするかは見積りの段階で1つずつ決めておいてください。工事が始まってから決めると、必ず段取りが崩れます。

高圧洗浄の音やにおいは、どのくらい続きますか?

高圧洗浄は建物の規模にもよりますが、屋根と外壁を分けて行うため、音の出る日は工期全体のうち1〜2日程度です。その日は朝から夕方までエンジン音と水音が続きます。においについては、いまの外壁用塗料は水性が主流なので、以前ほど強くはありません。ただし鉄部や樋には溶剤系の塗料を使うことがあり、その日は窓を開けにくくなります。音が出る日と、においが出る日は、工程表の段階で分かります。ご予約の調整が可能な業態なら、その日を薄くしておくのがいちばん確実な対策です。

お客様への工事の案内は、いつから始めればいいですか?

足場が架かる1週間前には掲示を始めてください。足場が立ってから貼り出すと「知らずに来て驚いた」という方が必ず出ます。書く内容は、工事期間・出入口が使えること・駐車場が使えない期間と代替の3点で十分です。細かい工程表は不要どころか、書きすぎると「大変そうだから今回は控えよう」と読まれることがあります。予約制の業態なら、予約を受けたときに一言添えるのがいちばん効きます。「足場が組んでありますが、いつもどおりお入りいただけます」。先に驚きを予告しておけば、当日の混乱はほとんど起きません。

お店を止めずに塗れるか、まず段取りからご相談ください

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、東大阪市を含む近隣エリアで施工しています。店舗の外装は、塗料の話より先に「営業をどう続けるか」の設計が要る工事です。まだ工事を決めていない段階でも構いません。建物の写真を送っていただければ、状態の診断とあわせて、その建物なら営業しながら進められるか、どの日に影響が出るかまで、具体的にお伝えします。

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