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施工事例紹介

東大阪市吉田本町|築34年 金属サイディング+モルタルの塗り分け|下塗りを面ごとに変えた24日間

BEFORE 施工前
東大阪市吉田本町 築34年3階建て 外壁塗装の施工前全景
AFTER 施工後
東大阪市吉田本町 築34年3階建て 外壁塗装の施工後全景

「うちは何もしなくていい壁だと聞いていたんですが」

東大阪市吉田本町のお客様から最初にいただいた言葉です。築34年、3階建て。近くにお住まいのご家族から「そろそろ手入れをしたほうがいい」と言われ、ご近所でも同じ時期に建った家が次々と足場を組みはじめている——そんなタイミングでのご相談でした。

お客様の記憶は、半分だけ正解でした。このお家の壁は正面だけがモルタル、残りの3面は金属サイディング。1軒に2種類の外壁材が使われていて、しかも面ごとに、必要な下ごしらえがまったく違ったのです。

それから24日後。足場が外れた朝、お客様は道路の向かい側まで歩いていって、正面と側面を何度も見比べてから、こう言われました。

「別の壁だったなんて、今まで気づいてなかった」

この記事は、その24日間の記録です。モルタル面と金属サイディング面で下塗りを塗り分け、屋根も同時に仕上げました。同等の内容を現在の価格でお見積りすると119万円前後(足場費用を含む)になります。

金属サイディングとは何なのか、窯業系サイディングと何が違うのか、そして1軒に外壁材が混ざっているとき何が起きるのか。全工程を22枚の写真で公開します。

工事データ

施工エリア 大阪府東大阪市吉田本町
築年数 34年
建物 3階建て戸建て/正面モルタル+3面 金属サイディング/スレート屋根
施工内容 外壁塗装/屋根塗装/下地補修(ひび割れ・サッシまわり)/付帯部塗装
使用塗料 外壁:KFシェアルドSi(シリコン系)
屋根:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント)
工期 24日間
保証 外壁5年・屋根5年
参考価格 119万円前後(足場費用を含む)
※同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です
正面がモルタル壁、側面3面が金属サイディングの混在外壁
角から見ると一目瞭然。左がモルタル、右が金属サイディング

「まだ大丈夫」と思っていたお客様が、相談を決めた理由

ご相談のきっかけは、はっきりした不具合ではありませんでした。雨漏りもしていない、壁が剥がれ落ちてもいない。ただ、同じ年代に建った近所のお家が次々と足場を組み、足場が外れると見違えるようにきれいになっていく。その光景を1年ほど見続けたそうです。

そこへご家族からの一言が重なりました。「そろそろ手入れをしたほうがいいよ」。ご本人としては「悪くなったから直す」ではなく「悪くなる前に手を入れる」という感覚で、最初のお問い合わせをくださったことになります。

いっぽうで、不安もはっきりしていました。ひとつは3階建てであること。高さがあるぶん足場も大きくなり、費用がどれくらい変わるのか見当がつかない。もうひとつが冒頭の言葉、「うちの壁は手入れのいらない壁だと聞いていた」という記憶です。

これは、まったく的外れな記憶ではありません。金属サイディングは「メンテナンスが少なくて済む外壁材」として売られてきた歴史があるからです。ただし、少ないことと、ゼロであることは違います。

現地調査で見つかった、34年分の劣化

築34年の金属サイディングとモルタル外壁で見つかった色の粉、ひび割れ、屋根劣化の図解
見た目が大きく崩れる前でも、粉・ひび・屋根の劣化は進んでいます

私たちが最初にやることは、見積書を出すことではありません。今この家がどうなっているのかを写真で撮り、お客様と一緒に見ることです。ここでの見落としが、そのまま仕上がりの差になります。

モルタル面:指でなぞると色の粉がついた

モルタル外壁に発生したチョーキング現象
チョーキング。塗膜の防水性が切れているサイン

正面のモルタル壁は、新築時にボンタイルという凹凸のある吹き付け塗装で仕上げられていました。その塗膜を指でなぞると、外壁と同じ色の粉が手についてきます。チョーキングと呼ばれる現象です。

ガードレールに触ると白い粉がつくのと同じで、塗膜の樹脂が紫外線で分解され、顔料だけが表面に残っている状態。粉が出るということは、その面はもう雨をはじいていません。はじかないどころか、水を吸います。外壁塗装をするかどうかを判断するとき、道具がなくても自分で確認できる、いちばん簡単なチェックがこれです。

モルタル面:数か所にひび割れ

モルタル外壁に確認できたひび割れ(クラック)
モルタル特有のひび割れ。塗る前に埋めておく箇所

モルタルはセメントを塗り重ねてつくる湿式の外壁なので、乾燥収縮や建物の動きでひび割れが出ます。34年経っていれば、出ていないほうが珍しいくらいです。数か所で確認できました。

ひび割れは、それ自体がすぐ雨漏りにつながるとは限りません。ただし放置してよくなることは絶対にない箇所です。塗料を上から塗っただけでは埋まりませんので、塗装の前に別工程として補修します。

屋根:ドローンで確認

ドローンで確認したスレート屋根の色あせ
3階建ての屋根はドローンで確認。全体に色あせ

3階建ての屋根は、はしごを掛けて覗き込むだけでは全体が見えません。ドローンを飛ばして真上から確認したところ、スレート屋根の全面が白っぽく色あせていました。工場で塗られた塗膜が寿命を迎えている状態です。今回は外壁と同じタイミングで塗装することになりました。

屋根材ごとの傷み方や判断の目安については、東大阪市の屋根塗装・屋根材別の判断で詳しくまとめています。ここから先は、この記事の本題である外壁の話に戻します。

金属サイディングとは?窯業系との見分け方

金属サイディングとモルタル外壁の見分け方を示した比較図
同じ家でも、外壁材が違えば下塗りも変わります

ここが、この工事のいちばん重要なところです。ひとくちに「サイディング」と言っても、窯業系と金属系はまったく別の建材で、必要な下ごしらえも違えば、傷み方も違います。

日本の戸建てで圧倒的に多いのは窯業系サイディング。セメントと繊維質を混ぜて板状に成形したもので、要するに「薄いコンクリートの板」です。重く、水を吸い、板と板のつなぎ目にシーリングがたくさん入ります。

いっぽう金属サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミなどの金属板を成形した外壁材です。裏側に断熱材が貼り合わされている製品が多く、軽くて断熱性に優れます。ご自宅がどちらか分からない場合、次の3点で見分けられます。

金属サイディングを見分ける3つのポイント

  • 指の背で軽く叩くと「コンコン」と軽い金属音がする。窯業系は「コツコツ」と詰まった鈍い音。
  • 継ぎ目が少ない。金属サイディングは板同士がかみ合う構造で、シーリングを打つ箇所がサッシまわりなどに限られる。窯業系は縦に何本もシーリングの線が走る。
  • とにかく軽い。窯業系のおおむね数分の1の重さで、建物への負担が小さい。

このお家も、角に立って側面を見た瞬間に分かりました。正面のモルタルは表面がざらついた塗り壁、側面は継ぎ目の少ないすっきりした横張りの板。同じ「外壁」でも、育ちがまったく違います。

金属サイディングは錆びる?塗装で防げる?

錆の出た金属部をケレンで研磨する下地処理
金属面の下ごしらえはケレン。錆と旧塗膜を落としてから塗る

結論から言うと、錆びます。ガルバリウム鋼板はめっきの働きで錆びにくいだけで、錆びない金属ではありません。とくに切断された端部(小口)、ビスまわり、傷がついて素地が出た箇所からは錆が始まります。

そして金属外壁の厄介なところは、錆は上から塗料を塗っても止まらないという点です。塗膜の下で進行し、やがて塗膜を内側から押し上げて膨れさせます。だから金属面の塗装は、下ごしらえの中身が窯業系ともモルタルとも根本的に違います。

金属サイディング塗装で外せない3つの条件

  • ケレン(研磨):紙やすりや工具で錆と浮いた旧塗膜を物理的に落とす。ここを省くと、何を塗っても数年でふくれます。
  • 錆止め(金属用プライマー):モルタルや窯業系に使うシーラー・フィラーでは代用できません。金属用の下塗りは、密着させるだけでなく錆の進行そのものを抑える役目を持っています。
  • 伸び縮みへの追従性:金属は夏と冬、日なたと日陰で伸縮します。硬いだけの塗膜だとその動きについていけず、ひび割れて剥がれます。上塗りにはある程度しなやかさが必要です。

今回、外壁の上塗りに選んだKFシェアルドSiはシリコン系の塗料です。金属サイディングの伸縮にも追従し、モルタルの上でも問題なく仕上がる。上塗りは共通にできる。だが下塗りは共通にできない。これが、この現場の設計の骨格でした。

金属サイディングの塗り替え時期は?

お客様が記憶しておられた「手入れのいらない壁」という説明は、窯業系より手入れの回数が少なくて済むという意味では正しいものでした。目地のシーリングが少ないぶん、打ち替えの手間も窯業系より小さくなります。

ただ、塗り替えが不要ということではありません。判断の目安は次のとおりです。

  • 色あせ・つやが引けてきた:表面の塗膜が痩せてきているサイン。錆が出る前のこの段階が、いちばん費用対効果の高いタイミングです。
  • 白い錆のような粉、赤茶色の点:小口やビスまわりに出ていれば、すでに錆が始まっています。早めに手を入れてください。
  • サッシまわりのシーリングが硬い・切れている:金属サイディング自体は無事でも、ここから水が入ります。板の裏に回った水は外から見えません。
  • 塗膜がふくれている・浮いている:内側で錆が進行している可能性があります。この段階では塗装だけで済まないこともあり、部分的な張り替えの検討が必要です。

このお家は、色あせと、サッシまわりのシーリングの傷みが出ていた段階でした。錆が広がりきる前で、塗装で十分に対応できるタイミングです。「そろそろ」と言ってくださったご家族の勘は、正確でした。

1軒に外壁材が2種類ある場合、塗り方はどう変わる?

外壁材が2種類ある家で、モルタル面と金属サイディング面の下塗りを分ける理由の図解
素材ごとに下塗りを変えることで、剥がれを防ぎます

ここからがもうひとつの本題です。このお家は正面がモルタル、残り3面が金属サイディング。1軒の中に、下地の性格が正反対の面が同居していました。

モルタルは水を吸うセメント系の下地で、細かなひび割れが出ます。金属は水を吸わない代わりに錆び、熱で動きます。この2つを同じ手順で塗ることは、原理的にできません。

モルタル面(正面) 金属サイディング面(3面)
主な劣化 チョーキング・ひび割れ 色あせ・小口の錆・シーリングの傷み
下ごしらえ ひび割れへのシーリング充填 ケレン(研磨)で錆と旧塗膜を除去
下塗り フィラー(厚みで凹凸をならし密着させる) 金属用プライマー(錆止めを兼ねる)
中塗り・上塗り KFシェアルドSi KFシェアルドSi(同色)

表のとおり、変わるのは下塗りで、上塗りは共通です。ここを取り違えて金属面にもモルタル用の下塗りを塗ってしまうと、密着はしても錆は止まりません。逆にモルタル面に金属用プライマーだけを塗れば、ボンタイルの凹凸も細かいひび割れも埋まらないまま色だけが乗ります。

もうひとつ、仕上がりの話をしておきます。同じ塗料・同じ色で塗っても、下地が違えば質感は完全には揃いません。モルタルのボンタイル面はざらつきが残り、金属サイディングは板の凹凸そのものが出ます。これは施工の良し悪しではなく、素材の違いです。事前にお伝えしておかないと「正面だけ色味が違う気がする」というご不安につながるので、着工前に必ず説明しています。

見積書が「外壁塗装 一式」だと、この塗り分けは見えない

費用の面でも、これは他人事ではありません。金属面のケレンと錆止め、モルタル面のひび割れ補修とフィラー。これらは全部、手間も材料も別々にかかる工程です。

ところが見積書に「外壁塗装 一式 ○○円」としか書かれていないと、この塗り分けをやる前提の金額なのか、全面同じ下塗りで済ませる前提の金額なのか、まったく判別できません。安く見える見積もりの安さが、この工程を省いたことによるものかどうかを、お客様が確かめる手段がなくなってしまう。これがいちばんの問題です。

外壁材が混在しているお家で相見積もりを取るときは、「面ごとの下塗りは何を使いますか」の一言を聞いてみてください。答えられる会社は、現地で外壁材を判別しています。見積書の読み方については東大阪市の費用相場・見積書の読み方もあわせてご覧ください。

モルタル面へのフィラー下塗り
モルタル面の下塗りはフィラー。白いのは色ではなく下地材

全工程の記録|24日間、何をしていたのか

素材別に仕上げる24日間の工程。ひび割れ補修、サッシ補修、高圧洗浄、下塗りの塗り分け、中塗り上塗り、屋根付帯部
素材が違う面を同時に仕上げるため、下地処理と下塗りを分けて進めます

外壁のみの塗装なら2週間ほどで終わることもあります。この現場が24日かかったのには理由があります。3階建てで足場が大きいこと、屋根を同時に施工したこと、そして面ごとに下塗りを変えたぶん工程が増えたこと。順に見ていきます。

1|下地補修(ひび割れ)

ひび割れ部へシーリング材を充填する下地補修
ひび割れにシーリング材を充填
ヘラで押さえて仕上げたひび割れ補修
ヘラで押さえて壁になじませる

モルタル面のひび割れにシーリング材を充填し、ヘラで押さえます。ここであえてマスキングテープを使いません。ひび割れは不規則な方向に走っているので、テープでまっすぐな線を出すと、かえって補修跡が直線として目立ってしまうからです。壁になじませることを優先しました。

2|下地補修(サッシまわり)

補修前のサッシまわりのシーリング
補修前のサッシまわり
サッシまわりへシーリング材を充填する様子
こちらはテープで真っすぐに線を出してから充填
補修が完了したサッシまわりのシーリング
テープを剥がして完成

ひび割れとは逆に、サッシまわりはマスキングテープでまっすぐな線を出します。サッシは直線の部材なので、シーリングの縁が曲がっていると一気に素人仕事に見えます。同じシーリング作業でも、場所によってテープを使うか使わないかが変わる——ここは職人の判断です。

金属サイディングにとって、サッシまわりは数少ない「水の入口」になり得る場所です。板そのものが丈夫でも、取り合いが切れていれば裏に水が回ります。足場を組んでいるこの機会を逃さず、確実に処理しておきたい箇所でした。

3|高圧洗浄

高圧洗浄で外壁の汚れと旧塗膜を落とす作業
業務用の高圧洗浄機で汚れと粉化した旧塗膜を落とす

業務用の高圧洗浄機で、屋根から外壁へと上から順に洗います。チョーキングで粉になった旧塗膜は、洗い流さないまま塗ると粉の層の上に塗料を乗せることになり、密着しません。洗浄後はしっかり乾かします。乾燥を待つ日も、工期に含まれる大事な時間です。

4|下塗り(面ごとに材料を変える)

ここが今回の山場です。モルタル面にはフィラーを塗ります。少し厚みのつく下地材で、ボンタイルの凹凸をならしつつ、下地と上塗り塗料をつなぐ接着剤の役割を果たします。写真で壁が白く見えるのは、これが色ではなく下地材だからです。

そして金属サイディングの3面には、金属用のプライマーを塗布しました。フィラーではありません。錆を抑え、金属の面に上塗りをしっかり食いつかせるための、まったく別の材料です。

同じ日に同じ家で、面によって缶の中身が変わる。外から見れば同じ「下塗り」ですが、やっていることは別工事に近い——これが、外壁材が混在するお家の実際です。

5|中塗り・上塗り

外壁2回目の中塗り KFシェアルドSi
2回目の中塗りから色が付く
外壁3回目の上塗りで塗り漏れなく仕上げる
3回目の上塗り。同じ色を重ねるので塗り漏れに注意

2回目からはKFシェアルドSiで、いよいよ色が乗ります。お客様に「こういう色になるんですね」と実感していただけるのがこの日です。

3回目は、中塗りが十分に乾いてから。2回目と3回目は同じ材料・同じ色なので、塗ったところと塗っていないところの見分けがつきにくくなります。塗り漏れを出さないよう、面を区切りながら慎重に進めました。この「同じ色を重ねる2回」を1回に減らしても、当日は誰にも分かりません。分かるのは数年後です。だからこそ、写真で記録を残しています。

6|屋根塗装

屋根塗装後の仕上がり
屋根も塗り替え完了

屋根は日本ペイントのファインパーフェクトベストで、こちらも3回塗り。スレート屋根なので、瓦と瓦の隙間をふさがないよう縁切り部材を入れてから塗装しています。外壁と並行して進めたため、そのぶん足場の設置期間も長くなりました。

7|付帯部の塗装

ベランダ笠木の鉄部をケレンする様子
ベランダ笠木は鉄。塗る前にケレン
小さめのローラーで付帯部を塗装
壁より小さいローラーに持ち替えて塗る
塗装して生まれ変わったベランダ笠木
笠木の仕上がり

ベランダの笠木は鉄製でした。金属サイディングと同じ考え方で、まずケレン。紙やすりを当てて錆と汚れを落としてから塗ります。外壁と違って面積は小さいので、小さめのローラーに持ち替えて作業しました。

付帯部は面積が小さいぶん見積書でも軽く扱われがちですが、鉄部は建物の中でもっとも早く錆びる場所です。足場があるうちにやっておかないと、次の機会は10年後になります。

外壁塗装前の壁面の状態
施工前の壁面
外壁塗装後の壁面の仕上がり
施工後の壁面

正直にお伝えしておくと、ひび割れを補修した箇所は、塗装後もうっすら跡が残ります。シーリングで埋めた部分と、もとのボンタイルの凹凸では表面のかたちが違うためです。ここを「跡が完全に消える」と説明する会社があれば、それは説明として正確ではありません。私たちは着工前に必ずお伝えします。

東大阪市吉田本町という土地について

吉田本町は近鉄奈良線の吉田駅にほど近く、東大阪市の中でも早い時期から住宅地として整備が進んだエリアです。恩智川と第二寝屋川に挟まれた平坦な土地で、区画された道路沿いに戸建てが並びます。

このあたりで多いのが、今回のような3階建て・敷地いっぱいに建てられたお家です。限られた敷地で床面積を確保するため上に伸ばした結果、高さが出て、足場も大きくなります。ご相談時に「3階建てだと高いのでは」と心配されるのは自然なことです。

もうひとつ地域的な特徴として、1980年代から1990年代にかけて建てられたお家に、外壁材の混在がよく見られます。道路に面した正面はモルタル吹き付けで表情を出し、隣家に接して見えにくい側面や背面はコストと施工性に優れた金属サイディングにする——当時としては合理的な設計です。その結果、築30年を超えた今、1軒の中に性格の違う下地が同居することになりました。

大東・八尾方面から生駒山地の裾へ向かう一帯は、住宅の密集度が高く、隣家との距離が近い現場も少なくありません。足場を組む段階から近隣へのご挨拶を含めて段取りする必要があり、地元の事情を知っているかどうかが工期に効いてきます。私たちは大阪市平野区に事務所があり、東大阪市までは日常的に通っている距離です。

完工の日

24日目、足場を解体しました。

お客様は道路の向かい側まで歩いていって、しばらく正面と側面を交互に見比べておられました。そして冒頭の言葉です。「別の壁だったなんて、今まで気づいてなかった」。

34年間、毎日見ていたご自宅です。それでも、正面と側面で外壁材が違うことも、正面の壁が触ると粉を出すようになっていたことも、ご存じないままでした。無理もありません。外壁材の種類は、住んでいるだけでは分からないのが普通です。

私たちの仕事は、色をきれいにすることだけではないと思っています。今この家の壁が何でできていて、どこがどう傷んでいて、そのために何をしたのか。それをお客様が自分の言葉で説明できる状態にして工事を終える。24日かけてやっていたのは、そういうことでした。

よくあるご質問

Q1. 金属サイディングは塗装しなくていいと聞きましたが、本当ですか?

「窯業系より手入れの回数が少なくて済む」という意味では正しく、「一生なにもしなくていい」という意味では誤りです。金属サイディングも色あせますし、小口やビスまわりからは錆が出ます。とくに錆は上から塗料を重ねても止まらず、塗膜の下で進んで最後は膨れにつながります。色あせやつやの引けが見えてきた段階が、いちばん費用を抑えられるタイミングです。

Q2. 正面と側面で外壁材が違うと、費用は高くなりますか?

下塗りの材料が2種類になり、金属面にはケレンの手間が加わるため、全面が同じ外壁材のお家より工程は増えます。ただし金属サイディングは目地のシーリングが少ないぶん、窯業系サイディングのお家で必要になる打ち替えの量は抑えられます。どちらの要素が大きいかは建物ごとに違うので、面積を実測したうえでお見積りします。

Q3. 見積書が「外壁塗装 一式」だったのですが、大丈夫でしょうか?

金額の妥当性以前に、何をする前提の金額なのかが判別できません。外壁材が混在しているお家なら、面ごとの下塗りの種類、金属面のケレンの有無、ひび割れ補修の箇所数が書き分けられているかを確認してください。書けない会社は、現地で外壁材を見分けていない可能性があります。

Q4. 工期24日は長くないですか?

3階建てで足場が大きく、屋根も同時に施工し、さらに面ごとに下塗りを変えたための日数です。外壁のみの2階建てなら2週間前後で終わることもあります。また塗装は乾燥時間を確保しないと本来の性能が出ないため、待つ日も工程のうちです。雨天の場合は順延します。

Q5. 東大阪市吉田本町まで来てもらえますか?

対応しています。事務所は大阪市平野区加美南にあり、東大阪市は日常的にお伺いしているエリアです。吉田本町のほか、吉田・新庄・日下町・若江・長田などでも施工実績があります。まずは現地調査だけでもお気軽にどうぞ。

東大阪市吉田本町 築34年3階建て 外壁塗装の施工後全景
24日間の工事を終えて

おわりに

「うちは何もしなくていい壁だと聞いていた」——最初のご相談は、この記憶から始まりました。

その記憶は間違いではなく、少しだけ古かっただけです。金属サイディングは確かに手のかからない外壁材ですが、34年という時間は、どんな素材にも等しく効いてきます。そして正面のモルタルは、金属とはまったく違う速さで、違う傷み方をしていました。

1軒の家に、性格の違う壁が同居している。だから下塗りを分け、ケレンを入れ、24日をかけました。足場が外れた日にお客様が口にされた「別の壁だったなんて」という言葉は、私たちにとって、その24日間がきちんと伝わった証しでもありました。

ご自宅の壁を軽く叩いてみて、軽い金属音がしたなら、それは金属サイディングです。色あせが気になりはじめているなら、まだ間に合う段階かもしれません。写真を1枚送っていただければ、今すぐ塗るべきか、まだ待てるかを正直にお答えします。

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