羽曳野市|築14年サイディング外壁を濃い茶色に塗装|汚れが目立ちにくい色の選び方


工事データ
| 施工エリア | 大阪府羽曳野市 |
|---|---|
| 築年数 | 14年 |
| 建物 | 2階建て戸建て住宅/窯業系サイディング外壁・スレート屋根 |
| 施工内容 | 外壁塗装(3回塗り)/屋根塗装(3回塗り)/シーリング打ち替え/付帯部塗装 |
| 色 | 外壁:濃い茶色(ダークブラウン)×うすいベージュ 屋根:チョコレート |
| 使用塗料 | 外壁 下塗り:水性シリコン浸透シーラー(日本ペイント) 外壁 主剤:KFシェアルドF/1液水性フッ素(KFケミカル) 屋根 下塗り:ファインパーフェクトベスト強化シーラー(日本ペイント) 屋根 主剤:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント) シーリング:ノンブリードタイプ変性シリコン |
| 工期 | 22日 |
| 保証 | 外壁10年/屋根5年 |
| 参考価格 | 132万円前後(税込) 同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。実際のお見積りは足場面積・下地の状態により変動します。 |
「派手にはしたくない。でも、古く見えるのももう嫌なんです」
玄関先でお客様が口にされたのは、この一言でした。羽曳野市の、築14年の戸建て住宅。窯業系サイディングのブリック調で、もともとの色はうすい茶色です。周囲にも同じ年代とみられるお宅が並んでいて、そのうちの何軒かが先に足場を組みはじめた。それを見て、そろそろかもしれない、と思われたそうです。
加えて、訪問の営業や電話も増えていました。「今なら足場代がサービスになります」「近所で工事をしているので、ついでに見ますよ」。そういう声のかかり方に気持ちよく乗れる方は多くありません。かといって、放っておくのも落ち着かない。そんなタイミングでご連絡をいただきました。
色の話になったとき、最初に出てきたのが冒頭の一言です。真っ白にして家全体を明るくしたいわけでもなく、流行りの黒やネイビーにしたいわけでもない。ただ、くすんで見えるのが嫌だ、と。この条件で候補に挙がってくる色が、茶色です。
結論から書くと、外壁は濃い茶色(ダークブラウン)、上部と一部の面をうすいベージュにして仕上げました。屋根も同じ日程で塗り替え、色はチョコレート。もとの色も茶系ですから、色相そのものはほとんど動かしていません。動かしたのは濃さ(明度)だけです。それでも、写真を並べていただくと分かるとおり、外観の印象は別の家のように変わりました。
この記事では、茶色という色が外壁で選ばれる理由、濃さを変えると何がどう変わるのか、そして茶色の弱点までを、この現場の工程写真と一緒に書いていきます。塗装の内容そのものは、シーリングの打ち替え、高圧洗浄、外壁と屋根の3回塗り、付帯部の塗装という標準的なものです。
現地調査|築14年のサイディングに出ていたこと
色の話に入る前に、この家に何が起きていたかを書いておきます。塗り替えは化粧直しではなく、外壁材を守るための工事だからです。
表面の塗膜は、もう水をはじいていなかった
窯業系サイディングは、セメントや砂、水、鉱物繊維などを混ぜて板状に成形した外壁材です。国内の新築でもっとも多く使われている建材で、デザインの自由度が高く、丈夫でもあります。ただし、水そのものに強いわけではありません。表面に塗られた塗膜が防水の役目を担っていて、その塗膜には寿命があります。
築14年という年数は、その塗膜の防水性がほぼ残っていない時期にあたります。実際、壁面を見ていくと、雨のあとに乾く速度が場所によってばらついていました。水を吸っている面と、まだ少し弾いている面が混ざっている状態です。

サイディングが湿気を吸い込みはじめると、板そのものが変形します。膨らみ、反り、そしてひび割れ。反りが進むと、留めている釘やビスの周りから割れが広がり、そこまでいくと塗装では収まりません。板ごと張り替えるしか手がなくなり、費用は塗装工事の何倍にもなります。
この家はまだその手前でした。だからこそ、いま塗膜を作り直しておくのが、長い目で見ていちばん出費の少ない方法になります。塗り替えを「見た目のための工事」と受け取られる方は多いのですが、実際にはこちらが本題です。

目地とサッシまわりのシーリングにひび
もうひとつ、はっきりと出ていたのがシーリングの劣化です。サイディングの継ぎ目と、窓サッシの周囲には、ゴムのような弾力のある材料が充填されています。これが板と板のすき間をふさぎ、雨水が壁の内側へ回るのを止めています。

新築時のシーリングは当然しなやかですが、紫外線と外気にさらされ続けることで表面から硬くなっていきます。硬くなると、板の伸び縮みに追従できなくなる。追従できなくなると、割れます。写真の赤い印の部分がそれです。

雨漏りの原因を一つ挙げるとすれば、屋根よりもむしろこの継ぎ目です。そして目視で確認できる程度にひびが入っているなら、内側ではもう少し進んでいると考えたほうが安全です。今回は外壁塗装と合わせて、シーリングを打ち替え——既存を撤去して新しく充填し直す方法で対応することにしました。
外壁を茶色に塗装する家が多いのはなぜ?

色の相談をお受けしていると、茶色は毎年かならず候補に残ります。流行の色ではないのに残り続ける。その理由を、現場で実際に伺ってきた声から3つに整理します。
土や木の色に近いから、周囲の景色になじむ
外壁の色でいちばん多いご心配は、「うちだけ浮かないか」です。茶色がその点で強いのは、自然界にある色だからです。土の色、樹皮の色、枯れた草の色。人の目は、こうした色を背景として処理することに慣れています。だから茶色の建物は、隣家や庭木や道路の中に置いたとき、視線を引っぱりません。
反対に、彩度の高い色や真っ白は、周囲との明度差が大きくなるぶん、どうしても目に留まります。それが狙いなら良い選択ですが、「静かに、きれいにしたい」というご要望とは方向が違います。
和にも洋にも当てはまる、数少ない色
茶色は、瓦屋根の日本家屋にも、レンガ調のサイディングにも、木目の玄関ドアにも収まります。木という素材がどちらの様式にも使われてきたからです。外壁の色を考えるとき、玄関ドア・アルミサッシ・門柱・カーポートといった「塗り替えないもの」との相性が制約になりますが、茶色はその制約をくぐり抜けやすい色でもあります。
今回のお宅も、玄関まわりに濃い色の建具があり、そこと外壁が喧嘩しない色を探した結果として茶色が残りました。
時間が経ったときの見え方が想像しやすい
もう一つ、あまり語られない利点があります。茶色は10年後の姿を想像しやすい色です。白い外壁は、汚れると「汚れた白」になります。灰色は、色あせると「くすんだ灰色」になります。どちらも変化が分かりやすい。茶色の場合、汚れも色あせも、もとの色と同じ方向に転ぶことが多いので、変化が緩やかに見えます。次の塗り替えまでの十数年を、あまり気にせず暮らせる色だ、という言い方もできます。
茶色は汚れが目立たない?現場で見てきた本当のところ

「茶色は汚れが目立たないと聞いたのですが、本当ですか」。これはよくいただく質問で、答えは半分は本当で、半分は逆です。ここは茶色を選ぶうえでいちばん実務的な話なので、丁寧に書きます。
外壁に付く汚れの正体は、たいてい土の色をしている
外壁が汚れる原因のうち、いちばん量が多いのは大気中の粉じんです。道路から舞い上がった砂ぼこり、風で運ばれた土、排気に含まれるすす。これらが壁面に付着し、雨で流されて筋になります。
この汚れの色を思い浮かべてみてください。黄土色から灰褐色、つまり薄い茶色です。外壁が茶色なら、汚れと壁の色の距離が近い。距離が近ければ、付いても見えにくい。これが「茶色は汚れが目立たない」と言われる理由の中身です。
白やアイボリーの外壁で、雨樋の下や窓の下に黒っぽい筋が出ているのを見たことがあると思います。あれは特別に汚れているわけではなく、同じ量の汚れが「見えている」だけです。茶色の外壁でも同じ量の汚れは付いていますが、色として認識されにくい。だから、洗浄の頻度を落としても気になりにくくなります。

逆に、白い汚れは濃い茶色ほど目立つ
ここからが「半分は逆」の話です。外壁に付く汚れは、土色のものばかりではありません。
エアコンのドレン水や結露が流れた跡は、水に含まれるカルシウム分が乾いて白い筋になります。コンクリートやモルタルの笠木から溶け出した成分も白く残ります。鳥のフンも白です。これらは、外壁が濃い茶色であるほどコントラストが強くなり、はっきり見えてしまいます。
ですから、濃い茶色をご検討中の方には、現地調査のときに次の場所を一緒に見ていただくようにしています。換気フードの下、エアコンの配管が壁を貫通している位置、ベランダの排水口の下、笠木の端部。ここに白い筋の跡があるなら、塗り替え後も同じ場所に同じものが出る可能性が高い、と先にお伝えします。
対策がないわけではありません。ドレンホースの排水位置を変える、壁を伝わないよう延長する、といった小さな工夫で改善することがあります。工事の前に分かっていれば足場のあるうちに手を打てるので、この確認は必ず入れています。
茶色の濃淡で印象はどう変わる?

「茶色にします」と決まってからが、本当の色決めです。茶色は幅の広い色で、濃さを変えるだけで家の性格が変わります。
ダークブラウン|重心が下がって、落ち着いて見える
濃い茶色は、面が引き締まって見えます。建物の輪郭がはっきりし、屋根とのつながりも自然になるので、全体として「どっしりした家」という印象になります。窓やドアの位置が読み取りやすくなり、造りが整って見えるのもこの濃さの特徴です。
ただし、濃い色は面積が大きいほど圧が出ます。総二階の大きな面をすべて濃い茶色で塗ると、家が実際より近く、大きく感じられることがあります。今回、上部にうすいベージュを入れたのは、この圧を抜くためでもありました。

この写真が、いちばん分かりやすいと思います。左側が濃い茶色を塗った面、右側がまだもとのうすい茶色のブリック調です。色相はどちらも茶系で、変えたのは濃さだけ。それでも、まるで違う建物の壁のように見えます。
ベージュ寄り|やわらかく、面が広く見える
茶色を薄くしていくと、ベージュになります。こちらは光をよく返すので、面がやわらかく、そして広く見えます。同じ大きさの壁でも、ベージュのほうが余裕を感じさせます。

弱点は、汚れの見え方が逆になることです。土色の汚れとの距離が開くので、雨だれの筋が見えやすくなります。濃い茶色とベージュを組み合わせるときは、汚れやすい下部を濃く、上部を薄くという考え方が理にかなっています。今回もその向きにしました。
面積効果|見本の色は、必ず「もっと濃く」出る
色決めで毎回お伝えしているのが、面積効果です。小さな色見本で見た色は、実際の壁一面に塗ると濃く、鮮やかに見えます。手のひらサイズのチップと、20㎡の壁とでは、目に入る光の量が違うからです。
そのため、色見本で「これくらいの濃さがいい」と感じた色をそのまま採用すると、仕上がったときに「思っていたより暗い」となりがちです。茶色は特にこの差が出やすい色で、濃い茶色は塗り上がると黒に近づいて見えることさえあります。
対策は単純で、見本より一段薄い色を選ぶこと、そして可能な限り大きな見本で、屋外の自然光の下で確認することです。室内の蛍光灯の下と、晴れた日の屋外では、同じ色が別の色に見えます。今回も、実際の塗料で作った見本を現地に持ち込み、日の当たる面と当たらない面の両方で確認していただいてから決定しました。

今回の選択|色相を動かさず、濃さだけを大きく動かした
もとの外壁はうすい茶色、仕上がりは濃い茶色。色の系統は変えず、明度だけを大きく落としました。この選び方には、はっきりした利点があります。
ひとつは、周囲の景色との関係が変わらないこと。ご近所から見たとき「あの家、色を変えたな」ではなく「あの家、きれいになったな」という見え方になります。もうひとつは、家の中から見える景色が変わらないことです。外壁の色は、窓枠の外側やベランダの手すり壁として、じつは室内からもよく目に入ります。色相を大きく変えると、この見慣れた景色が変わって落ち着かない、という声を聞くことがあります。
一方で、正直にお伝えしておくと、この選び方は変化の「驚き」が小さい方法でもあります。まったく違う色に変えたときのような劇的さを期待される場合には向きません。今回のお客様は「派手にはしたくない」というご希望でしたから、この方向が合っていました。
茶色が向かないのはどんなお家?正直に書きます
ここまで茶色の良さを書いてきましたが、すべての家に向く色ではありません。おすすめしにくいケースを3つ挙げます。
1|周囲が白・淡色でそろった新しい分譲地
建売が同時期に並んだ区画では、外壁の色がグレージュや白でそろっていることがあります。そこに濃い茶色を一軒だけ入れると、なじむどころか逆に目立ちます。茶色の「なじむ」という長所は、周囲に土や緑や木の要素があってこそ働くものだからです。この場合は、茶色でも一段薄いベージュブラウンにするか、上下で色を分けて濃さを散らす方法をご提案します。
2|木調の外装材や木部が多い家
玄関ポーチの柱や軒天、木目調のサイディング。こうした本物の木や木目柄が多い家に濃い茶色を合わせると、木の質感が壁に溶けて消えることがあります。せっかくのアクセントが読み取れなくなるので、この場合は外壁側を明るくして、木部を浮かび上がらせるほうがきれいに収まります。
3|西日が強く当たる面が大きい家
濃い色は光を吸収するので、表面温度が上がります。住まいの体感に効くのは屋根や窓のほうが大きいのですが、それでも西面がほぼ全面で日射を受けるような建ち方の場合は、その面だけ濃さを一段落とす、といった調整を検討します。この点は色の好みではなく建物の向きの問題なので、現地で必ず確認します。
ちなみに、濃い色全般に共通する注意点については別記事で扱っています。ここでは茶色に固有の話にとどめました。
茶色の外壁と相性のよい屋根・付帯部の色は?

外壁の色が決まると、次は屋根と付帯部です。付帯部とは、外壁と屋根以外で塗装できる箇所の総称で、今回は雨戸・シャッターボックス・水切り・幕板が対象でした。
屋根|同じ茶系に寄せるか、思い切って離すか
今回、屋根は「チョコレート」という濃い茶系の色を選びました。外壁の濃い茶色と系統をそろえた形です。屋根と外壁を同系統でまとめると、建物の上下がつながって見え、まとまりが出ます。屋根は道路から見上げると意外に大きく目に入る部材なので、ここが外壁と喧嘩しないだけで全体の完成度が上がります。

もう一つの考え方は、屋根を黒やチャコールグレーで離す方法です。輪郭がはっきりして引き締まりますが、外壁が濃い茶色の場合は上下ともに暗くなるので、全体の重さが増します。屋根の色を離す場合は、外壁側を少し明るくしてバランスを取るのが定石です。
付帯部|外壁より濃くすると、輪郭が締まる
雨樋、水切り、幕板、シャッターボックス。これらは面積こそ小さいものの、家の輪郭を作っている部材です。ここを外壁と同じ色にすると全体がのっぺりし、外壁より濃い色にすると輪郭が締まります。

茶色の外壁の場合、付帯部に選びやすいのは、こげ茶・黒に近いブラウン・チャコールグレーです。逆に、白い付帯部は茶色の壁に対してコントラストが強く出すぎることがあり、しかも白は汚れが目立つ位置に付いている部材が多いので、慎重に判断します。
幕板については、上下で外壁の色を分けている場合、この部材が色の境目そのものになります。今回は幕板の位置で濃い茶色とベージュが切り替わる形になりました。色の切り替え位置の考え方については、別の記事で詳しく扱っています。
工事の記録|22日間で行ったこと
ここからは実際の工程です。色の話とは別に、下地に対して何をしたかを記録として残しておきます。
1|シーリングの打ち替え
塗装より先に、シーリングを直します。仕上がりのラインをまっすぐ出すため、まず目地の両サイドにマスキングテープを貼ります。この地味な作業が、最終的な見た目をほぼ決めます。


テープを貼り終えたら、既存シーリングの両サイドにカッターで切り込みを入れ、ペンチで引っ張って撤去します。増し打ち(古い上に重ねる方法)ではなく、いったん取り去ってから入れ直す打ち替えです。

撤去した溝にプライマーを塗り、新しいシーリング材を充填します。使用したのはノンブリードタイプの変性シリコンです。ノンブリードでないタイプは、上から塗装したあとに可塑剤が塗膜側へ移り、目地の線に沿って黒い筋が浮いてくることがあります。塗装とセットで行う工事では、ここは必ずノンブリードを選びます。

充填したシーリングは、内部に空気が残らないよう気をつけながらヘラで均します。均し終えたらすぐにマスキングテープを剥がす。乾いてから剥がすと、縁が引っぱられて欠けます。



2|高圧洗浄
次に外壁と屋根を洗います。塗料は、汚れの上には密着しません。粉状に浮いた古い塗膜、苔、カビ、ほこり。これらを落としきることが、そのまま塗膜の寿命に直結します。

洗浄はエンジンを回して行うので、それなりの音が出ます。時間帯に配慮し、ご近所へは事前にご挨拶をしたうえで作業しました。洗ったあとは十分に乾燥させます。湿ったまま塗ると、あとから塗膜が剥がれる原因になります。
3|外壁の下塗り(1回目)
外壁は3回塗りです。1回目は下塗りで、日本ペイントの水性シリコン浸透シーラーを使いました。
シーラーは無色なので、塗っても色は変わりません。ただ、外壁が吸い込むことで表面に光沢が出るので、塗った場所と塗っていない場所の区別はつきます。役目は、傷んだ下地の吸い込みを止め、上に乗る塗料との密着をつくることです。

このシーラーは非常にさらさらしていて、ローラーに含ませすぎるとすぐ垂れます。適量を取りながら、垂れを出さずに均一に入れていく。派手さのない工程ですが、ここが甘いと上に何を塗っても持ちません。

4|外壁の中塗り・上塗り(2回目・3回目)
主剤はKFケミカルのKFシェアルドFです。1液水性のフッ素樹脂塗料で、水性なので臭いが控えめ、作業性もよく、フッ素樹脂ならではの高い耐候性が期待できます。今回は濃い茶色とうすいベージュの2色を使い分けました。

中塗りから色が付きます。ここで初めて、決めた色が実際の壁に乗った状態を見ていただけます。面積効果の話をあらかじめしていたので、「思ったより濃いですね」という言葉のあとに「でも、これでいいです」と続いたのが印象的でした。


中塗りをしっかり乾燥させてから、上塗りに入ります。上塗りは中塗りと同じ塗料・同じ色です。同じ色を重ねるので塗り漏れが見えにくく、一列ずつ位置を確認しながら進めました。
5|屋根の塗装
屋根も外壁と同じく3回塗りです。1回目は日本ペイントのファインパーフェクトベスト強化シーラー。


屋根のシーラーも無色ですが、劣化した屋根材がよく吸い込むので、塗ったあとは色が一段濃く見え、表面に艶が出ます。吸い込みが激しい箇所は、もう一度重ねて入れます。


主剤は同じシリーズのファインパーフェクトベストで、色はチョコレート。2液型の塗料なので、主剤と硬化剤を規定の比率で混ぜ、可使時間の中で使い切ります。



6|付帯部の塗装と仕上げ
最後に付帯部です。雨戸、シャッターボックス、水切り、幕板。ここまで終わると塗装の工程は終了で、あとはタッチアップと清掃に回ります。
足場を解体する前に、お客様と一緒に外周を一周し、気になる箇所がないか確認していただきました。全部で22日間。天候待ちを含めた日数です。
羽曳野市で外壁の色を決めるということ
羽曳野市は大阪府の南東部、南河内に位置する街です。市内には世界文化遺産に登録された古市古墳群があり、丘陵地ではぶどう栽培も行われています。市街地と、土や緑の残る風景が近い距離で同居しているのが、この地域の景色です。
今回のお宅は、同年代とみられる住宅が並ぶ区画にありました。周囲の外壁色は、ベージュ、白、グレー、そして茶系。そのなかで濃い茶色を選んでも浮かなかったのは、周りに土や植栽の色が視界に入る環境だったからだと考えています。色が景色になじむかどうかは、色そのものよりも、その家が建っている場所の色でほとんど決まります。
色見本を郵送で見て決める、という方法をとらないのはこのためです。私たちが現地で見本を広げるのは、光の当たり方だけでなく、隣に何が建っていて、道の向こうに何が見えるかを一緒に確認するためでもあります。
費用と保証について
今回の工事は、外壁塗装・屋根塗装・シーリング打ち替え・付帯部塗装を含めて、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合、132万円前後(税込)が目安になります。足場、洗浄、養生、材料、施工、廃材処理まで含んだ金額です。
保証は外壁10年、屋根5年としています。外壁にフッ素樹脂塗料を使っているぶん、シリコン塗料で仕上げる場合より初期費用は上がります。ただし塗り替えの周期が延びれば、そのたびに必要になる足場代を減らせます。何回塗り替えるかまで含めて考えると、判断は変わります。塗料のグレードごとの違いについては、別記事にまとめてあります。
金額はお家の大きさ、足場の架け方、下地の傷み具合で変わります。同じ「30坪」でも、隣家との距離や庭の造りで足場の手間はまったく違います。ですので、正確な金額は現地を見てからのお見積りになります。
よくあるご質問
Q. 茶色の外壁は古臭く見えませんか?
「茶色=古い家の色」という印象は、じつは色そのものではなく“ツヤ”と“見切り”から来ていることがほとんどです。年数の経った茶色の外壁は塗膜のツヤが落ちて表面がざらつき、光を乱反射するので、色が濁って見えます。さらに雨樋や幕板が色あせて白っぽくなると、外壁との境目がぼやけて全体が眠たい印象になります。今回のように塗り替えでツヤを戻し、付帯部をはっきり締めた色でそろえると、同じ茶色でも印象はまったく変わります。古く見えるかどうかは、色の名前ではなく、面の状態と色の切り替え方で決まります。
Q. 茶色は本当に汚れが目立ちにくいのですか?どんな汚れなら目立ちますか?
外壁につく汚れの多くは、風で運ばれた土埃や砂ぼこり、それが雨で流れてできる薄い筋です。これらは黄土色から灰褐色をしていて、茶色の外壁とは色の距離が近いため、付いても目立ちにくくなります。ここは茶色の実務的な強みです。ただし、逆のものは目立ちます。エアコンの排水や結露で流れる白っぽい水垢、コンクリートやモルタルから溶け出した白い成分、そして鳥のフンです。濃い茶色ほど白い汚れとのコントラストが強くなるので、換気フードの下やベランダの排水まわりなど、白い筋が出やすい位置は事前に確認しておくと安心です。
Q. 濃い茶色にすると家の中は暑くなりますか?
濃い色は光を吸収するので、外壁の表面温度は薄い色より上がります。ただし、住まいの体感に効いてくるのは外壁より屋根と窓の影響が大きく、外壁の色を濃くしたから室温が何度上がる、と言えるほど単純ではありません。実務的には、屋根の色や塗料の選び方、断熱・通気の状態のほうが効きます。それでも気になる場合は、日射がいちばん強く当たる西面だけ濃さを一段落とす、あるいは屋根側で遮熱タイプの塗料を検討する、という調整ができます。ご予算と合わせて現地でご相談ください。
Q. 今も茶色系の外壁です。同じ茶色に塗り替える意味はありますか?
あります。今回がまさにそのケースでした。もとの外壁はうすい茶色のブリック調で、塗り替え後も茶色系ですが、濃さを大きく動かしたことで外観の印象は完全に別物になりました。色相を変えずに明度だけを動かす選び方は、「今の家の雰囲気は好きだけれど、古びた感じだけを消したい」という方に向いています。ご近所の景色から浮きにくく、家族の間でも意見が割れにくいのが利点です。逆に、まったく違う色に変えたときのような“驚き”は小さいので、そこを期待される場合は事前にお伝えしています。
Q. 茶色の外壁に合わせる玄関ドアやサッシの色はどう考えればいいですか?
玄関ドアとサッシは塗り替えないことが多いので、先に「動かせないもの」を確認してから外壁の濃さを決めるのが安全です。ブロンズやシャンパンゴールドのアルミサッシは茶色と同系統なので、濃い茶色にするとサッシが壁になじんで輪郭が消えます。落ち着きは出ますが、窓の位置が読みづらくなることもあります。黒に近いサッシなら、濃い茶色との組み合わせで引き締まって見えます。木目調の玄関ドアは、外壁を同じくらいの濃さにするとドアが埋もれるので、外壁を一段濃くするか、逆に上部をベージュにして明暗をつけると、ドアがきちんと主役になります。
「派手にはしたくない、でも古く見えるのも嫌」への答え
足場を解体した日、お客様が道路の向かいまで歩いて行って、しばらく家を眺めておられました。戻ってきて言われたのが、「新しい家になったわけじゃないのに、ちゃんと手が入っている家に見えますね」という一言でした。
これは、冒頭のご要望にそのまま対応する言葉だと思っています。派手にはしていません。色の系統は塗り替える前と同じ茶色のままです。それでも古く見えなくなったのは、塗膜のツヤが戻り、目地のラインがまっすぐ通り、付帯部の色がそろったからです。家の印象を決めているのは、色そのものよりも、そうした細部の状態でした。
茶色は、選んだあとに後悔しにくい色です。周囲になじみ、汚れの主成分と色が近く、和にも洋にも収まる。一方で、白い汚れが出やすい位置には弱く、濃くしすぎると熱を持ち、周囲が淡色でそろった区画では逆に目立ちます。この長所と短所を両方お伝えしたうえで濃さを決めることが、私たちの仕事だと考えています。
みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、羽曳野市を含む近隣エリアで施工しています。色でお悩みの段階でも、工事を決めていない段階でも構いません。お家の写真を送っていただければ、状態の診断と、その建物と周辺の景色に合う色の考え方を一緒にお伝えします。
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