柏原市法善寺|めくれたベランダ床の防水をやり直し|撤去範囲の判断と全工程


「何年か前にやってもらったばかりなのに、もうめくれてきて」
柏原市法善寺のお客様から、そんなご連絡をいただいたのは梅雨に入る前のことでした。ベランダの床の防水が、あちこちで浮いて、めくれている。雨が続く季節が来る前に、なんとかしておきたい——ご相談の内容は、はっきりしていました。
実はこのお家、2年前に当社で外壁塗装をさせていただいたお客様です。当時すでにベランダの防水工事は他で済んでおり、施工から日が浅く、わずかな傷みは見えていたものの手を入れる段階ではないと判断していました。それから2年。剥離の範囲は目に見えて広がり、めくれた防水層の下に水が入り込んでいました。数年前にお金をかけて防水したはずの床が、もう機能していない。この記事は、そこからのやり直し工事の記録です。
ベランダ防水のやり直しで、いちばん難しいのは工法選びではありません。既存の防水層をどこまで撤去するか——ここを間違えると、数年後にまったく同じことが起こります。今回の現場で何を見て、どう判断したのかを、全工程の写真とあわせて公開します。
築25年、工期7日間、保証5年。同等の内容を現在の価格でお見積りすると20万円前後(税込)になります。
なぜ数年でめくれた? 現場で見えた4つの手がかり

先に断っておきます。前回どんな材料が使われ、どう施工されたのかを私たちは見ていません。「こういう手抜きがあった」と断定はできませんし、するべきでもありません。書けるのは、剥がした床から読み取れた事実と、そこから技術的に考えられる原因だけです。それでも、原因を「誰のせい」ではなく「何が起きたのか」として知る意味はあります。同じことが起きる条件がわかれば、次を防げるからです。
手がかり1|膜がきれいに剥がれた——密着が取れていなかった可能性
めくれた箇所の防水層をつまんで引くと、下地から面としてきれいに剥がれてきました。健全に密着している防水層は、こういう剥がれ方をしません。無理に剥がそうとすると、下地のモルタルごと欠けて持ち上がります。
面で、きれいに、剥がれる。これは防水材と下地のあいだで接着が成立していなかったことを示しています。原因として考えられるのは、プライマー(接着剤の役割をする下塗り)が塗られていなかったか、下地の吸い込みに対して選定や塗布量が合っていなかったか、あるいは下地が十分に乾いていない状態で塗り重ねられたか。いずれかである可能性が高いと見ています。

手がかり2|床のひび割れが、そのまま塗り込まれていた
旧防水層を撤去すると、下地のモルタルにひび割れが走っていました。そしてそのひび割れの真上を、防水層がまたぐように塗られていました。ひび割れの補修処理をしないまま、上から防水材を流した状態です。
ひび割れは二重に厄介です。ひとつは湿気の通り道になること。下地内部の水分が、ひびを伝って防水層の裏側まで上がってきます。もうひとつは動くこと。温度変化や建物の挙動でひび割れは開閉し、その上の塗膜は毎日引っ張られ続けます。伸びの限界を超えれば、塗膜はひびの線に沿って切れます。
手がかり3|立上り面にも剥離が出ていた
剥離は床(平場)だけでなく、壁との取り合いである立上り面にも出ていました。立上りは平場より塗りにくく、材料が垂れて薄くなりやすいうえ、雨が壁を伝って集まってくる場所でもあります。ベランダで雨漏りの起点になりやすいのは、真ん中の平場ではなく立上り・入隅・ドレン(排水口)まわりという「端っこ」です。ここが弱いまま数年経つと、床の見た目が多少きれいでも、水は静かに内側へ入っていきます。
手がかり4|めくれた膜の下に、水が残っていた
決定的だったのがこれです。剥がれた防水層の下に、水がしみ込んでいました。雨のたびにめくれた隙間から水が入り、行き場をなくして下地に吸われていく。膜の上は乾いていても、下は湿ったまま——それが2年続いていたことになります。
この4つは単独でも防水層をだめにしますが、実際の現場ではたいてい重なります。重なった結果が、めくれ・膨れ・ひび割れという見た目の症状です。症状は同じでも、原因の組み合わせは現場ごとに違います。だからやり直しは「めくれているからウレタンを塗り直す」では済みません。

やり直しで最初に決めるのは「どこまで撤去するか」

ベランダ防水のやり直しには、大きく3つの選び方があります。
| 選択肢 | どういう工事か | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 上から重ねる | 既存の防水層を残し、洗浄と部分補修だけして新しい層を塗り重ねる | 既存層が下地にしっかり密着していて、浮き・膨れ・めくれがほぼ無い |
| 部分撤去 | 浮いている範囲だけを剥がし、段差を均してから全体を塗り直す | 傷んでいる場所が限られ、残す部分の密着が確認できる |
| 全面撤去 | 既存層をすべて剥がし、下地から作り直して防水層を新設する | 広範囲に浮きがある/下地に水が入っている/下地自体が傷んでいる |
判断を誤るとどうなるか。浮いた膜を残して上に塗り重ねれば、新しい層は「浮いた膜の上」に乗ります。土台が動くのですから新しい層も一緒に動き、やがて同じように剥がれる。表面はきれいになるので、しばらくは直ったように見える。それが厄介なところです。
現場では、こうやって撤去範囲を決めています
難しい理屈ではありません。手と耳で確かめます。
- 叩く——樹脂ハンマーや指の関節で床を軽く叩き、音を聞きます。密着していれば詰まった音、浮いていれば「ポコポコ」という空洞の音がします。
- 引く——めくれている端を持って引いてみます。すっと面で剥がれてくるなら、その周囲も密着していないと考えます。
- 切る——健全に見える部分にもカッターで切り込みを入れ、断面と付き方を確認します。
- 触る——剥がした下地に手を当て、湿り気があるかを見ます。乾いた日の日中でも冷たく湿っていれば、内部に水が残っています。
これを床全体で、位置を変えながら行います。「浮いている面積が何割か」ではなく、「残す部分を、これから10年ぶら下がる土台として信用できるか」で判断します。
今回、全面撤去を選んだ理由
柏原市法善寺のこの現場では、迷いはありませんでした。
- めくれが床の広い範囲に及び、健全に見える部分を叩いても空洞音が返ってきた
- 剥がれた膜の下に水が入り込み、下地が湿っていた
- 下地のモルタルにひび割れがあり、その処理が必要だった
- 立上り面にも剥離が出ており、端部を作り直す必要があった
この4つが揃った時点で、残せる部分はありませんでした。部分撤去や重ね塗りなら工事費は下がりますが、それは数年後にもう一度同じ工事をする前提の節約です。全部剥がしてやり直しましょう、とお伝えしました。


上から重ねてもいい? 重ねられる条件と、重ねてはいけない条件

「全部剥がすと高くなるなら、上から塗るだけでは駄目ですか」——よくいただく質問です。答えは「条件が揃えば、重ねる方が合理的なこともあります」。ただし条件はかなり限定的です。
上から重ねられる可能性がある状態
- 床全体を叩いても空洞音がしない(浮きが無い)
- めくれ・膨れが見当たらず、傷みが表面のトップコートの色あせ・チョーキング程度にとどまる
- ひび割れが無い、あるいはヘアクラック程度で下地の動きが小さい
- 立上り・入隅・ドレンまわりに切れや浮きが無い
- 既存の防水層が何であるかがわかっている(ウレタンかFRPかで、上に塗れる材料が変わります)
上から重ねてはいけない状態
- 広い範囲で浮いている/めくれている(今回のケース)
- 膨れが出ている——膨れは、下に水分か空気が溜まっているサインです
- 剥がした下地が湿っている
- 下地のひび割れが動いている、または幅がある
- 既存の防水層の種類がわからない
最後の一点は見落とされがちです。ウレタン防水とFRP防水では、上に塗れる材料も下地処理も違います。種類がわからないまま重ねると、縮れる・まったく密着しないといったことが起こり得ます。前の工事の記録が無い場合は、既存層を試験的に切り取って確認するところから始めます。
そして、やり直しの現場で「重ねられる」と判断できるケースは、そう多くありません。数年でだめになった防水層は、だめになるだけの理由を下に抱えていることがほとんどだからです。
下地に水が残っていると、塗り重ねた防水層はどうなる?
ここが、やり直し工事のいちばんの分かれ道です。
ウレタン防水は、膜が下地に密着することで機能します。ところが下地内部に水分が残っていると、日射で温められて水蒸気になり、逃げ場を求めて上へ押してきます。上には隙間なく密着した防水層がある。押されて膜が持ち上がる。これが膨れです。膨れた部分は下地から離れているので、踏めば裂け、裂ければ雨が入る。めくれの始まりです。
だから、下地が濡れている現場に、密着させる工法をそのまま使ってはいけないという判断が出てきます。ここで登場するのが通気緩衝工法です。小さな通気層を持つシートを下地との間に挟み、湿気を横に逃がして脱気筒から外へ抜く。同時に、下地のひび割れが動いてもシートがその動きを吸収し、防水層に直接伝えません。
※ 通気緩衝工法そのものの仕組みや、密着工法との違いについてはベランダ床のひび割れを通気緩衝工法で防水した施工事例で詳しく解説しています。この記事では「やり直しという状況で、それをどう判断材料に使うか」に絞ります。
逆に言えば、通気緩衝工法は万能の上位互換ではありません。下地が乾いていて動きも小さいベランダなら、密着工法のほうが工程も短く、費用も抑えられます。今回この工法を選んだのは、剥がした下地が湿っていて、ひび割れがあり、そして同じ失敗を繰り返せない現場だったからです。
やり直しの全工程|7日間で何をしたか

新規の防水工事と決定的に違うのは、最初の2工程(撤去と下地の作り直し)に大きく手間がかかることです。
1|旧防水層の撤去(ケレン)
カッターナイフで切り込みを入れ、スクレーパーで浮いた膜を剥ぎ取ります。地味ですが、この工事でいちばん時間のかかる作業です。剥がしたカスは残さず掃き取ります。細かい粉が残れば、そこが次の弱点になります。
なお床全面をやり直すには、床の上のものをすべてどける必要があります。今回は室外機の二段架台を、冷媒ガスを回収したうえで室内に一時保管させていただきました。
2|下地補修(カチオン樹脂モルタル)
剥いだ後の床は段差ができ、ひび割れも露出しています。これをカチオン樹脂モルタル(接着力が高く、コンクリート下地の補修に適した材料)で埋め、平らに均します。順番は決まっていて、まず立上り、入隅から。雨漏りの起点になりやすい端部を先に固めてから平場に移ります。


下地は、次の工事にまで効いてきます。今回のように作り直しておけば、次のメンテナンスでは撤去も補修も大幅に軽くなり、その分だけ費用も抑えられます。逆に下地が悪いまま重ねれば、次も同じところからやり直しです。防水工事の費用は、その1回だけでは測れません。

3|プライマー塗布
下地とシートを接着させるための下塗りです。ローラーでムラなく全面に行き渡らせます。今回の現場で密着不良が疑われた工程は、まさにここでした。塗り残しを作らず、規定量をきちんと使うことを徹底しています。


4|通気緩衝シート貼り
小さな穴の空いたシートを敷き込み、下地の湿気を横に逃がします。継ぎ目には末端テープ(エンドラップテープ)を貼って水の入り込む経路を断ち、立上りには補強クロスを入れて傷みやすい端部の強度を上げます。


5|脱気筒の取付け
シートが集めた湿気を外へ逃がす部材です。取り付ける位置に意味があります。湿気は高いほうへ上がるので、勾配の高い側に設置しないと通気層が働きません。この一本が無いと湿気は行き場を失い、防水層を押し上げて膨れやめくれの原因になります。

6|ウレタン防水 1回目・2回目
垂れやすい立上り・入隅から塗り、その後に平場へ。そして必ず2回塗ります。目標膜厚は3mm。1回ではどうしても薄い箇所が出ます。防水層は「塗ってあるか」ではなく「必要な厚みがあるか」で性能が決まります。2回目を終えると光沢が増し、厚みがついたことが見た目にもわかります。


7|トップコート塗布
トップコートは防水層そのものではなく、ウレタン防水層を紫外線から守るための膜です。普段目にしているベランダの床面は、このトップコートの面になります。


ここが次のやり直しを防ぐ最重要ポイントです。トップコートは5年に一度くらいのペースで塗り替えるのが理想。傷みが防水層本体まで達していなければ、外壁塗装などとあわせてトップコートだけを塗り直せます。防水工事をやり直すよりずっと安く済みます。
最後に室外機の架台を戻し、支柱の下のゴムシートも新品に交換。冷媒ガスを戻して試運転し、冷風が出ることを確認して完了です。

やり直しは新規より高い? 費用の考え方
やり直し工事は、同じ面積の新規工事より手間がかかります。理由は工程を見ていただいたとおりです。
- 旧防水層を剥がす作業が、まるごと1工程増える
- 剥がした後の下地が荒れているため、補修の量が読みにくい
- 下地が湿っていれば工法の選択肢が狭まり、通気緩衝工法など工程数の多い方法になる
- 床の上の設置物(室外機、物置など)の移動・保管・復旧が必要になる
この4つのうちどれが必要かで、金額は大きく動きます。「ベランダ防水のやり直しはいくら」という一律の答えはありません。ご参考として、今回の内容を示します。
| 工事内容 | ベランダ防水のやり直し(ウレタン防水 通気緩衝工法) |
|---|---|
| 場所 | 大阪府柏原市法善寺 |
| 築年数 | 25年 |
| 施工期間 | 7日間 |
| 主な工程 | 室外機架台の移動 → ケレン(旧防水層の全面撤去) → 下地補修(カチオン樹脂モルタル) → プライマー塗布 → 通気緩衝シート貼り・末端テープ・立上り補強クロス → 脱気筒取付け → ウレタン防水1回目 → 2回目(膜厚3mm) → トップコート → 室外機復旧 |
| 保証年数 | 5年 |
| 参考価格 | 20万円前後(税込) |
※ 参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。面積・下地の状態・撤去範囲により変動します。
※ 防水工事の㎡単価や工法別の相場を挙げている情報を目にすることがあると思いますが、それらは業界で一般的に言われている目安であり、当社の見積金額を示すものではありません。
お伝えしたいのは、「1回いくらか」ではなく「10年でいくらかかるか」で見てほしいということです。安く済ませた防水が数年で剥がれ、撤去からやり直すことになれば、支払う総額は増えます。今回のお客様が経験されたのが、まさにそれでした。
次に同じことを繰り返さないために、施主が確認できる5つのこと
防水工事は、完成すると中身が見えなくなります。撤去したのか、プライマーを塗ったのか、何ミリ塗ったのか——仕上がった床を見ても施主には判断できません。だからこそ、工事の前後で確認できることがあります。専門知識は要りません。
1|工程写真を出してもらえるかを、契約前に聞く
「工事中の写真を工程ごとに出していただけますか」と見積りの段階で聞いてください。撤去後の下地、プライマー塗布後、シート貼り、1回目、2回目、トップコート。この6枚が出てくるかどうかが目安です。隠れる工程を記録に残す習慣がある会社かどうかが、この一言でわかります。
2|見積書に「撤去」の項目があるかを見る
やり直しなのに既存防水層の撤去・処分の項目が無いなら、それは上から重ねる前提の見積りです。それ自体が悪いわけではありませんが、なぜ重ねて大丈夫だと判断したのか根拠を聞いてください。「叩いて確認したが浮きは無かった」といった具体的な答えが返るかどうかです。
3|使用材料の名前と、必要な数量を書いてもらう
「ウレタン防水 一式」ではなく、メーカー名・製品名と使用量(何缶/何kg)まで書かれた見積書が理想です。膜厚は塗る回数ではなく使った量で決まるので、数量があれば後から検証できます。
4|膜厚と塗布回数を確認する
ウレタン防水は2回塗りが基本です。「何回塗りますか」「目標の膜厚は何ミリですか」と聞いてください。この2つに即答できない場合は、少し慎重になったほうがいいかもしれません。
5|保証書の「中身」を読む
年数の数字だけで安心しないでください。見るべきは何が対象で、何が対象外か。トップコートの劣化は対象か、下地由来のひび割れは対象か、定期点検を怠った場合どうなるのか。ここが書かれていない保証書は、年数が長くても意味が薄くなります。
やり直しが必要かどうか、ご自身でできるチェック
- 床を軽く叩くと「ポコポコ」と空洞のような音がする箇所がある
- 風船のように膨らんでいる箇所がある
- 端がめくれ上がり、指でつまむと剥がれてくる
- ひび割れが線状に走っている
- 雨のあと、水がなかなか引かない/いつも濡れている場所がある
- 立上り(壁ぎわ)や排水口のまわりに、切れ・浮き・剥がれがある
- 階下の天井やベランダ下の軒天にシミが出ている
上の3つ(空洞音・膨れ・めくれ)のどれかに当てはまるなら、上から塗り重ねるだけでは解決しない可能性が高い状態です。最後のひとつ(階下のシミ)が出ている場合は、すでに防水層の内側まで水が入っていると考えて、早めに見てもらってください。
柏原市法善寺で、ベランダ防水を考えている方へ
柏原市は大阪府の東部にあり、市内を大和川が流れ、東側には生駒山地の南端が迫っています。法善寺は近鉄大阪線・法善寺駅を中心とした住宅地で、築20〜30年の戸建てが多く並ぶエリアです。
ただ、「柏原市だからベランダ防水が傷みやすい」という話をするつもりはありません。傷み方を決めるのは地域よりも建物の条件です。ベランダの向き、ひさしの有無、日射、排水口の造り。同じ町内の隣り合った家でも、状態は驚くほど違います。
今回の現場も、築25年という年数だけ見れば「そろそろ防水の時期」で片づけられる家でした。実際には、前回の工事から数年の防水層が機能を失っていた。年数ではなく床を見て判断するとは、こういうことです。
やり直しても、絶対に再発しないとは言えません
最後に正直なことをお伝えします。今回のやり直しで、防水層が永久に安心になったわけではありません。ウレタン防水には寿命があります。紫外線を浴び、人が歩き、夏と冬の温度差で伸び縮みを繰り返す。トップコートを塗り替えずに放置すれば防水層本体が傷み始めますし、建物の動きが想定を超えればひび割れが再び出ることもあり得ます。
また、下地の状態によって選べる工法も費用も変わります。「うちも同じようにめくれているから、同じ工事で同じ金額」とは、残念ながらいきません。
私たちにできるのは、原因になり得るものを一つずつ潰し、その記録を残すことです。剥がすべきものは剥がす。ひび割れは埋める。プライマーは規定量を塗る。膜厚を確保する。湿気の逃げ道を作る。そして次に手を入れる人のために、何をしたかを写真で残しておく。
「何年か前にやってもらったばかりなのに、もうめくれてきて」。あの一言に対する答えは、きれいな床そのものではなく、その下に何が積み重なっているかを説明できることだと思っています。5年後、10年後にこの床を開けた誰かが、なぜこうなっているのかを読み取れる状態にしておく。それが、同じことを繰り返さないということです。
よくあるご質問
Q. 前の防水工事の保証がまだ残っています。まずどうすればいいですか?
まず保証書を確認し、施工した会社に連絡して見てもらうのが先です。保証の範囲内なら無償または一部負担で対応してもらえる可能性があります。その際、めくれや膨れの状態がわかる写真を日付とともに残しておいてください。ただし保証書には「経年劣化」「下地に起因するもの」「定期点検を受けていない場合」などが対象外として書かれていることが多くあります。話が進まない場合に、第三者として状態を確認することも承っています。
Q. めくれている部分だけを補修することはできますか?
技術的には可能ですが、おすすめできる場面は限られます。めくれは「そこだけが弱かった」結果ではなく、床全体で密着が不十分だった一部が先に表面化しただけ、というケースが多いためです。部分補修をする場合は、周囲を叩いて浮きの範囲を確認し、健全な部分まで切り込んでから処理します。それでも数か月後に隣がめくれてくるなら、下地の側に原因があります。梅雨をしのぐ応急処置、と目的がはっきりしている場合には有効です。
Q. 雨が多い時期でも、やり直し工事は進められますか?
ウレタン防水は下地が濡れていると塗れません。雨の当日と、雨上がりで下地が乾くまでは作業できないため、梅雨や台風の時期は工期が延びやすくなります。今回の7日間も、実作業日数に材料の乾燥待ちを含んだ日数です。特にやり直しでは、旧防水層を剥がした直後の下地が湿っていることがあり、その乾燥を待つ必要があります。乾かないうちに塗り重ねれば、今回のような膨れの原因になります。
Q. 前の工事に問題があったかどうか、専門家でなくても見分けられますか?
完全な判断は難しいですが、手がかりはあります。ひとつは剥がれ方。防水層が面としてきれいに剥がれ、下地のモルタルが無傷で残っている場合、接着が成立していなかった可能性が高くなります。もうひとつは、下地のひび割れが補修されないまま防水層に覆われているかどうか。ただし、これらは剥がして初めてわかることで、施工時の天候など後から検証できない要因も多くあります。私たちも断定はせず、確認できた事実と可能性の高い原因をお伝えしています。
Q. やり直したあと、次はいつ手を入れればいいですか?
まずはトップコートです。5年に一度程度の塗り替えが理想で、色あせや汚れが目立ってきたらそのサインだと考えてください。塗り替えているあいだは、その下のウレタン防水層はほとんど傷みません。逆に放置すると紫外線が防水層本体に届き、次は防水層のやり直しになります。外壁塗装や屋根塗装の予定があるなら、そのタイミングで一緒にが最も無駄がありません。あわせて年に一度、排水口の詰まりを取り除いてください。
まとめ|やり直しで見るべきは、工法ではなく「下」
この工事で最初にした判断は「ウレタンかFRPか」でも「通気緩衝か密着か」でもありませんでした。床を叩き、剥がし、下地に手を当てて、既存の防水層をどこまで撤去するかを決めること。工法はその後から自動的に決まりました。
数年前に施工したはずの防水がもうだめになっている。その状態でいちばんやってはいけないのは、原因を確かめないまま、きれいに見える工事をすることです。
ベランダの床に空洞音や膨れ、めくれが出ている方は、まずその一枚を剥がしてみるところからです。写真を送っていただければ、剥がすべきか、まだ様子を見ていいかを正直にお伝えします。みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、柏原市を含む近隣エリアで施工しています。
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