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施工事例紹介

外壁と屋根の同時塗装|足場1回で終える判断と全工程【羽曳野市羽曳が丘西・築16年】

BEFORE 施工前
塗装前の羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。築16年の窯業系サイディングと屋根
AFTER 施工後
塗装が完了した羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。外壁は白系、アクセント部分と屋根は濃いグレーで仕上げた


塗装前の羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。築16年の窯業系サイディングと屋根
塗装前の羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。築16年の窯業系サイディングと屋根
外壁の前に大きく育った常緑樹を見上げた様子
新築時は背丈ほどだった木が、16年で建物より高くなっていました。
外壁の主剤として使用したフッ素塗料の缶
外壁の主剤に使用した1液水性フッ素塗料。
外壁の換気扇フード下に流れ落ちた黒い汚れの筋
現地調査で最初に指摘のあった換気扇フード下の汚れ。
窯業系サイディングの目地に充填されたシーリング材が硬化して痩せている状態
ボードの継ぎ目のシーリング材。硬化して縮み、幅が細くなっていました。
既存のシーリング材を撤去し、マスキングテープで塗り境を出した外壁の目地
古いシーリング材をカッターで切り取り、マスキングで真っすぐなラインを出します。
専用のガンで目地に新しいシーリング材を充填している様子
専用ガンで新しいシーリング材を充填。奥まで隙間なく詰めます。
ヘラでシーリング材を押さえて空気を追い出している作業
ヘラでしっかり押さえ、内部に空気が残らないように仕上げます。
シーリングの打ち替えが完了し、目地がまっすぐ整った外壁
打ち替え完了。サッシ廻りや軒との取り合いも同じ手順で処理しました。
高圧洗浄機のトルネードノズルでスレート屋根を洗浄している様子
屋根の高圧洗浄。表面の汚れを落とし、塗料が密着する下地をつくります。
高圧洗浄で外壁の凹凸に入り込んだ汚れを洗い流している様子
外壁の高圧洗浄。屋根と同じ日に、足場を組んだ状態で一気に進めます。
ローラーで外壁にシーラーを塗布している作業
外壁1回目のシーラー。無色ですが、下地と塗料をつなぐ接着剤の役割です。
外壁の中塗り作業中で、ベージュ系の既存色が白に変わっていく様子
中塗りから色が付きます。ベージュ系から白へ切り替わる境目。
外壁の上塗りをローラーで仕上げている様子
上塗り。中塗りと同じ材料・同じ色で塗り重ねます。
塗り終えた外壁の表面。凹凸の陰影が均一に出ている
外壁の仕上がり。凹凸の奥まで塗料が回っています。
洗浄後のスレート屋根に強化シーラーを塗布する前の状態
屋根の下地づくり。傷んだ屋根材に強化シーラーを吸わせます。
スレート屋根の中塗り途中で、塗った部分と未塗装部分の色の差がわかる様子
屋根の中塗り。左が塗装後、右が未塗装。濃いグレーが乗っていきます。
ローラーでスレート屋根の上塗りをしている様子
屋根の上塗り。傾斜の上で踏ん張りながらの作業です。
塗装が完了した濃いグレーのスレート屋根
屋根の仕上がり。素地が見えていた部分も均一になりました。
水切りなどの鉄部に錆止めを塗布している様子
付帯部の鉄部には錆止めを先に入れます。
雨樋と破風板を小さなローラーで塗装している様子
雨樋の塗装。細い部材ほど、外壁と同じだけ手間がかかります。
塗装が完了した羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。外壁は白系、アクセント部分と屋根は濃いグレーで仕上げた
塗装が完了した羽曳野市羽曳が丘西の住宅外観。外壁は白系、アクセント部分と屋根は濃いグレーで仕上げた

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「屋根は、次のときでもいいかなと思っていて」

羽曳野市羽曳が丘西のお客様から最初にいただいたご相談は、この一言から始まりました。気になっているのは外壁。屋根は上を見上げてもよく分からないし、外壁ほど困っている実感もない。だから今回は外壁だけにして、屋根はまた何年か先に——という、ごく自然な考え方です。

実際、そのご判断が正解になるお家もあります。ただ今回は、屋根に上がって状態を確認したうえで「同じタイミングでやってしまったほうが、たぶん損が少ないです」とお伝えしました。理由は塗料の性能でも、キャンペーンでもありません。足場という、外壁にも屋根にも必要な同じ設備を、二度組むか一度で済ませるかという、それだけの話です。

この記事では、築16年の窯業系サイディング外壁とスレート屋根を同時に塗り替えた羽曳が丘西の現場を、全工程の写真とあわせて公開します。あわせて、同時にしないほうがよいケースについても正直に書きます。同時施工は万能ではありません。判断材料として読んでいただければと思います。

📍 羽曳野市の費用相場・業者選び・施工実績のまとめは「羽曳野市の外壁塗装|完全ガイド」をご覧ください。

結論を先に:同時塗装の現場データ(羽曳が丘西)

項目 内容
築年数 16年
施工内容 外壁塗装/屋根塗装/シーリング打ち替え/付帯部塗装
施工期間 15日間
保証 外壁10年/屋根5年
参考価格 143万円前後(税込)
同時にする理由 足場は外壁にも屋根にも必要な共通設備(1回で済ませる)

「屋根は次でいい」が正解のお宅もあります。損得の芯は足場を二度組むか一度で済ませるか。同時にしない方がよいケースも含め以下へ。

工事の基本情報|羽曳野市羽曳が丘西・築16年

施工エリア 大阪府羽曳野市羽曳が丘西
建物 2階建て戸建て住宅/窯業系サイディング外壁・スレート屋根
築年数 16年
施工内容 外壁塗装/屋根塗装/シーリング打ち替え/付帯部塗装
使用材料(外壁) 下塗り:日本ペイント 水性シリコン浸透シーラー/主剤:KFケミカル KFシェアルドF(1液水性フッ素塗料)
使用材料(屋根) 下塗り:日本ペイント ファインパーフェクトベスト強化シーラー/主剤:日本ペイント ファインパーフェクトベスト
施工期間 15日間
保証年数 外壁10年/屋根5年
参考価格 143万円前後(税込)
参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ・形状・劣化の程度によって変わりますので、実際の金額は現地調査のうえでお出しします。

屋根は後回しでもいい? 同時にすると何が変わるのか

屋根と外壁を同じ足場で確認して同時に工事できることを示した比較図
足場は、高い所に上がるための共通費用です

「外壁だけ先に」「屋根はまた今度」という分け方は、感覚としてはとても分かりやすいものです。困っている場所から順番に直す。日用品でも家電でも、私たちはそうやって判断しています。

ところが塗装工事だけは、この順番の考え方と相性が悪い部分があります。理由は工事の中身ではなく、工事を始めるための準備が、外壁と屋根で完全に共通しているからです。

足場は「外壁の費用」ではなく「高い所に上がるための費用」

お見積りを見ると、足場はたいてい一番上の行にあります。その並びのせいで、足場は外壁塗装の一部だと受け取られがちです。しかし実際は違います。足場は、職人が2階の壁にも屋根にも安全に手を届かせるための設備で、外壁をやるなら要る、屋根をやるなら要る、両方やっても要るのは1回という性質のものです。

つまり足場は「外壁の費用」でも「屋根の費用」でもなく、高い所で作業するための費用です。ここが分かると、外壁と屋根を分ける/分けないの損得が一気に見通しやすくなります。

外壁だけを先にやると、そのとき組んだ足場は外壁のためだけに使われて解体されます。数年後に屋根をやろうとすると、同じ設備をもう一度、同じように組み、同じように解体することになります。作業の中身は増えていないのに、準備だけが二度発生する。これが「別々にすると割高になる」と言われる正体です。

なお、この現場でいくら分の足場代が浮いた、という試算はここには書きません。足場の金額は建物の大きさ・形状・敷地の余裕によってまったく変わるもので、他所の金額を当てはめても意味がないからです。判断していただきたいのは金額そのものではなく、「同じ準備を1回で済ませるか、2回払うか」という構造のほうです。

お金以外にも「二度」になるものがある

別々に工事をすると、二度になるのは費用だけではありません。実際に工事を経験されたお客様が「これが地味にしんどかった」と言われるのは、むしろこちらです。

  • ご近所へのごあいさつと気づかい:足場を組む日と解体する日は、どうしても音が出ます。工事車両も出入りします。ご近所への説明とお願いを、数年のうちに二度することになります。
  • 洗濯物と窓:塗装期間中は窓を養生でふさぐ日があり、外に洗濯物を干せない日も出ます。この不便も二度分になります。
  • 足場がある間の圧迫感と防犯面の気がかり:足場とメッシュシートで家が囲まれている期間は、日当たりも視界も変わります。これも二度分です。
  • 打ち合わせと立ち会い:現地調査、色決め、着工前説明、完了確認。工事一式についてくるやり取りが、まるごともう一巡します。

今回のお客様も、金額の話よりこちらの説明に大きくうなずかれていました。「同じことを2回やるのは、正直しんどいですね」と。

外壁の前に大きく育った常緑樹を見上げた様子
新築時は背丈ほどだった木が、16年で建物より高くなっていました。

ちなみに現地調査では、建物の正面に大きく育った常緑樹が目に入りました。お話をうかがうと、新築のころは背丈ほどの高さだったそうです。16年で建物より高くなっていたわけで、この木そのものは外壁面から距離があり、工事に支障が出るほどではありませんでした。ただ、「16年でここまで変わる」ということが目に見える形で分かる、良い目印でもありました。外壁と屋根も、同じ16年を同じ場所で過ごしています。

同時にしないほうがよいのは、どんなとき?

屋根と外壁を同時施工しないほうがよいケースを、屋根の新しさや屋根材や予算で示した図解
同時施工が正解かは、屋根の状態を見て決めます

ここまで書いておいて逆のことを言うようですが、外壁と屋根の同時施工を、誰にでもおすすめするつもりはありません。足場が1回で済むのは事実ですが、それは「両方とも今やる価値がある」場合に初めて効いてくる話です。やる必要のない工事を足場代のために前倒しするのでは、本末転倒です。

次のようなケースでは、私たちは「屋根は今回見送りましょう」とお伝えしています。

屋根がまだ十分に新しいとき

外壁と屋根は、必ずしも同じペースで傷むわけではありません。屋根を後から葺き替えた・部分的にやり直した経緯があるお家では、屋根だけ極端に新しいことがあります。この場合、屋根を今塗っても得られるものが少なく、次の外壁の塗り替え時期とタイミングを合わせたほうが結果的にきれいに揃います。

屋根材が塗装に向いていないとき

屋根材の中には、塗装という手段が前提になっていないものがあります。素焼きの瓦のように塗膜に頼らず素材そのもので保っているタイプや、塗装しても本来の性能が戻らないタイプです。こうした屋根に無理に塗料を乗せても、費用に見合う効果は出ません。「足場があるうちに一緒に」という理由だけで塗るべき対象ではないので、現地調査の段階で率直にお伝えします。

屋根がカバー工法や葺き替えの検討時期に入っているとき

屋根の傷み方によっては、塗装ではなく上から新しい屋根材をかぶせるカバー工法や、下地から作り直す葺き替えのほうが妥当な段階に入っていることがあります。この判断が近い将来に必要になりそうな屋根を、いま塗装してしまうと、その塗装費用はカバー工法・葺き替えの際にほぼそのまま失われます。

この場合は「同時にやらない」というより、屋根については塗装以外の選択肢を先に検討するということです。今回の外壁は塗装で進め、屋根は数年内にどうするかを一緒に考える。そういう組み立てになります。

予算の都合で、どうしても優先順位をつけたいとき

いちばん現実的なのがこれです。同時にやったほうが合計としては有利でも、いま出せる金額には限りがあります。無理に借り入れをしてまで同時施工にする必要はありません。

この場合に私たちがお伝えしているのは、「先にやるなら、雨を防いでいる側から」という順番です。屋根とシーリングは雨水の侵入に直結します。外壁の色あせや汚れは見た目の問題として先送りできても、雨水が入る経路ができている場合は、待つほど傷む範囲が広がります。優先順位は「気になっている順」ではなく「放っておくと余計にお金がかかる順」で組むのが原則です。

そのうえで、次の工事までの期間をなるべく短くする、あるいは「次はいつ頃」を最初から二人で決めておくと、二度目の足場が無駄に感じにくくなります。

外壁と屋根で、塗料のグレードを変えてもいい?

「同時にやるなら、外壁と屋根は同じ塗料で揃えるものですか」というご質問をよくいただきます。答えは「揃える必要はまったくありません」です。むしろ、外壁と屋根では選ぶ材料が違うのが普通です。

理由は、置かれている環境がまるで違うからです。屋根は一日中ほぼ真上から日射を受け、雨も雪もまともに当たり、夏場は表面温度が壁とは比べものにならない高さになります。壁は日の当たる面と当たらない面があり、庇や軒の陰もあります。同じ建物なのに、屋根と壁は別の場所と言っていいくらい条件が違います。

そのため塗料メーカーも、屋根用と外壁用でまったく別の設計をしています。今回の現場でも、外壁は1液水性フッ素塗料のKFシェアルドF、屋根は日本ペイントのファインパーフェクトベストと、メーカーも種類も分けています。下塗り材にいたっては、外壁は密着を確保するシーラー、屋根は傷んだ屋根材を補強しながら下地をつくる強化シーラーと、役割そのものが違います。

この違いは、保証年数にもそのまま表れています。今回の保証は外壁10年・屋根5年。同じ日に、同じ職人が、同じ丁寧さで塗っても、屋根のほうが短い設定になります。これは手抜きではなく、屋根という場所の過酷さを正直に反映した数字です。

なお「どのグレードを選ぶと、何年でいくら得になるのか」という総額の比較は、それだけで一本の記事になる話です。ここでは深入りせず、外壁と屋根で材料が違うのは当たり前で、グレードを揃える義務はないという点だけ押さえていただければ十分です。

外壁の主剤として使用したフッ素塗料の缶
外壁の主剤に使用した1液水性フッ素塗料。

屋根だけ・外壁だけを先にやると、次の工事で何が起きる?

屋根だけ外壁だけを別々に塗ると準備や色や次の時期がずれ続けることを示した図解
数年後の工事まで考えて、まとめるか分けるかを決めます

実際に片方だけ先行させた場合、次の工事のときに何が待っているのか。ご相談の場でよくお話しする内容をまとめます。

1. 準備工程が丸ごともう一度発生する

足場を組む、養生する、高圧洗浄をする。この3つは外壁でも屋根でも必ず通る工程です。別々にすると、この3つが二度分になります。とくに高圧洗浄は、今回のように外壁と屋根を同じ足場の上で続けて洗ってしまえば一度で終わる作業です。

2. 仕上がりの時期がずれて、色の印象が揃わない

外壁を塗ってから数年後に屋根を塗ると、そのときには外壁のほうが数年分の経過を重ねています。屋根だけが新しい状態になるので、外観全体としては少しちぐはぐな印象になりがちです。同時に仕上げると、屋根と壁が同じスタート地点に並ぶので、経年の進み方も揃います。

3. 次の塗り替え時期もずれ続ける

いちど時期がずれると、そのずれは次の周期にも引き継がれます。外壁の塗り替えどきに屋根はまだ早い、屋根の塗り替えどきに外壁はまだ早い、という状態が延々と続き、結局どこかで「片方は少し早いけど一緒にやる」という調整をすることになります。同時に揃えておくと、以降の管理がとてもシンプルです。

4. 屋根の状態が分からないまま数年過ごすことになる

これは費用の話ではありませんが、実務的には大きな点です。屋根は足場がなければ、そもそもきちんと見ることができません。外壁工事のために足場が建っているタイミングは、屋根の状態を至近距離で確認できる、数年に一度の機会でもあります。今回も、屋根に上がって確認したうえで「塗装で十分に対応できる状態です」とご報告し、それを踏まえて同時施工をご判断いただきました。

もし外壁だけで工事を終えていたら、屋根については「たぶん大丈夫だと思う」という状態のまま数年を過ごすことになっていたはずです。

現地調査で見えたこと|築16年のサイディングはどうなっていた?

ここからは、実際の工事の記録です。まずは着工前の状態から。

換気扇フードの下に流れた黒い筋

外壁の換気扇フード下に流れ落ちた黒い汚れの筋
現地調査で最初に指摘のあった換気扇フード下の汚れ。

お客様がいちばん気にされていたのが、この換気扇フードの下に伸びた汚れでした。換気扇からは油分を含んだ空気が出るため、その真下は構造上どうしても汚れがたまりやすい場所です。放っておいて建物が壊れるという性質のものではありませんが、玄関まわりや目線の高さにあると、毎日目に入ります。「うちだけ汚れているように見える」と感じる原因になりやすい箇所です。

目地のシーリングが硬くなって痩せていた

窯業系サイディングの目地に充填されたシーリング材が硬化して痩せている状態
ボードの継ぎ目のシーリング材。硬化して縮み、幅が細くなっていました。

この建物は窯業系サイディングという、板状の外壁材を張って仕上げる工法です。板と板のあいだには必ず継ぎ目ができ、そこにゴムのようなシーリング材が充填されています。このシーリング材が、家の中に水と湿気を入れないための最初の関門です。

ただしシーリング材はゴム質なので、外気に長くさらされると表面から硬くなっていきます。硬くなると弾力が落ち、やがて縮んで幅が細くなり、端に隙間が生まれます。今回もまさにその状態でした。

シーリングの劣化は、外壁の劣化の中では珍しくお住まいの方ご自身が地上から確認できる数少ないサインです。壁の継ぎ目を横から見て、ゴムが痩せている・端が浮いている・細いひび割れが走っているようなら、点検を検討していい時期に入っています。

工程1|シーリングの打ち替え

外壁と屋根を同時に進めるシーリング、洗浄、外壁塗装、屋根塗装、付帯部の工程図
同じ足場の上で、屋根と外壁を順番に仕上げます

塗装より先に、シーリングの打ち替えから着手します。塗料は劣化したシーリングの上には乗せられませんし、シーリングの上から塗った塗膜はシーリングの動きに引っぱられて割れます。順番が決まっている工程です。

既存のシーリング材を撤去し、マスキングテープで塗り境を出した外壁の目地
古いシーリング材をカッターで切り取り、マスキングで真っすぐなラインを出します。

既存のシーリング材は、両側にカッターで切り込みを入れて引き抜くように撤去します。撤去したあと、仕上がりのラインをまっすぐ出すためにマスキングテープを貼ります。この一手間で、完成したときの目地の見え方がはっきり変わります。

テープを貼ったら、下地と新しいシーリング材の密着をよくするためのプライマーを塗布します。ここを省くと、見た目には同じように仕上がっていても、数年で剥がれてくることがあります。

専用のガンで目地に新しいシーリング材を充填している様子
専用ガンで新しいシーリング材を充填。奥まで隙間なく詰めます。

専用のガンで、新しいシーリング材を目地の奥まで充填していきます。

ヘラでシーリング材を押さえて空気を追い出している作業
ヘラでしっかり押さえ、内部に空気が残らないように仕上げます。

充填したあとはヘラで押さえます。表面をならすためだけの作業に見えますが、実際の目的は内部に空気を残さないことです。中に空気の層が残ると、そこが将来の切れ目になります。慎重に押さえていきます。

シーリングの打ち替えが完了し、目地がまっすぐ整った外壁
打ち替え完了。サッシ廻りや軒との取り合いも同じ手順で処理しました。

マスキングテープを剥がして完成です。壁の一般面だけでなく、サッシの周囲、軒と外壁の取り合い、換気扇フードの周囲まで、同じ手順で処理します。雨水の侵入経路になりうる場所を、順番につぶしていく作業です。

工程2|屋根と外壁を、同じ足場の上でまとめて洗浄

ここが、同時施工の効率がいちばん目に見える工程です。高圧洗浄機を持って足場に上がり、屋根を洗い、そのまま外壁を洗い、軒天まで洗い上げます。

高圧洗浄機のトルネードノズルでスレート屋根を洗浄している様子
屋根の高圧洗浄。表面の汚れを落とし、塗料が密着する下地をつくります。

屋根の洗浄。表面に付着した汚れや、傷んで浮いた古い塗膜を落とします。

高圧洗浄で外壁の凹凸に入り込んだ汚れを洗い流している様子
外壁の高圧洗浄。屋根と同じ日に、足場を組んだ状態で一気に進めます。

続けて外壁。洗浄は、塗料の密着を左右する下地づくりの要です。汚れの上に塗料を乗せても、塗料は汚れに接着するだけで、外壁そのものには密着しません。どれだけ良い塗料を使っても、この工程が甘ければ耐久性は出ません。

外壁だけの工事なら、屋根は洗わずに終わります。屋根だけの工事なら、外壁は洗いません。同時にやると、この一日で両方が片づきます。「準備の共通部分がまるごと重なる」というのは、こういうことです。

工程3|外壁の塗装(3回塗り)

外壁も屋根も、基本は3回塗りです。下塗り・中塗り・上塗り。それぞれ役割が違います。

ローラーで外壁にシーラーを塗布している作業
外壁1回目のシーラー。無色ですが、下地と塗料をつなぐ接着剤の役割です。

1回目は下塗りのシーラー。今回は日本ペイントの水性シリコン浸透シーラーを使用しました。シーラーは、下地と塗料をしっかり結びつける接着剤の役割を担います。

シーラーは無色なので、塗っても色は変わりません。ただし外壁がシーラーを吸い込むぶん、元の色よりわずかに濃く見え、少し艶が出ます。現場では、この色の変化を見ながら塗り残しがないかを確認しています。

外壁の中塗り作業中で、ベージュ系の既存色が白に変わっていく様子
中塗りから色が付きます。ベージュ系から白へ切り替わる境目。

2回目の中塗りから色が付きます。写真は、ベージュ系だった元の色が白へ切り替わっていく途中です。境目がはっきり出ているのが分かると思います。

外壁の上塗りをローラーで仕上げている様子
上塗り。中塗りと同じ材料・同じ色で塗り重ねます。

中塗りを十分に乾燥させてから、3回目の上塗りをかけます。上塗りは中塗りと同じ材料・同じ色です。同じ色を重ねるのは、決められた塗布量を確保して規定の膜厚をつくるためです。色を付けるためだけなら1回で足りますが、それでは塗膜が薄く、耐久性が出ません。

同じ色を同じ色の上に塗るため、塗り漏れが視認しにくくなります。区画を区切りながら、順番を崩さずに進めていきます。

塗り終えた外壁の表面。凹凸の陰影が均一に出ている
外壁の仕上がり。凹凸の奥まで塗料が回っています。

外壁の仕上がりです。凹凸の奥まで塗料が回り、陰影が均一に出ています。

工程4|屋根の塗装(3回塗り)

外壁と同じ考え方で、屋根も3回塗りです。ただし使う材料も、作業の負担もまったく違います。

洗浄後のスレート屋根に強化シーラーを塗布する前の状態
屋根の下地づくり。傷んだ屋根材に強化シーラーを吸わせます。

屋根の下塗りには、日本ペイントのファインパーフェクトベスト強化シーラーを使用しました。名前のとおり、下地を補修・補強しながら、塗装に適した状態を整える下塗り材です。屋根材が塗料を吸い込む状態になっていると、上に塗る主剤が下地に吸われてしまいます。そこを先に止める工程です。

屋根のシーラーも外壁と同様に無色ですが、傷んだ屋根材が吸い込むぶん色が濃くなります。この濃くなり方の差で、どの部分がどれだけ傷んでいたのかが分かります。

スレート屋根の中塗り途中で、塗った部分と未塗装部分の色の差がわかる様子
屋根の中塗り。左が塗装後、右が未塗装。濃いグレーが乗っていきます。

中塗りから色が乗ります。素地が見えかけていた屋根材に濃いグレーが入り、面の表情が戻っていきます。塗った部分と未塗装の部分の差が、写真ではっきり出ています。

ローラーでスレート屋根の上塗りをしている様子
屋根の上塗り。傾斜の上で踏ん張りながらの作業です。

上塗りで仕上げます。屋根は傾斜しているうえ、日射の照り返しも受けます。常に足を踏ん張りながらの作業になるため、塗装工事の中でも屋根は最も体力を使う工程です。とくに夏場は厳しい現場になります。

塗装が完了した濃いグレーのスレート屋根
屋根の仕上がり。素地が見えていた部分も均一になりました。

屋根の仕上がりです。濃いグレーで揃い、外壁の白と対になりました。この色の対比は、外壁と屋根を同じタイミングで仕上げたからこそ、意図したとおりに出せたものです。数年ずれていれば、片方だけが先に経年変化していたはずです。

工程5|付帯部の塗装

付帯部とは、外壁と屋根以外で塗装できる箇所の総称です。今回は雨どい・庇・雨戸・シャッターボックス・水切りが対象でした。

水切りなどの鉄部に錆止めを塗布している様子
付帯部の鉄部には錆止めを先に入れます。

鉄部にはまず錆止めを入れます。錆止めは名前のとおり錆の発生を抑える材料ですが、同時に仕上げ塗料が乗りやすい下地をつくる役割も持っています。

雨樋と破風板を小さなローラーで塗装している様子
雨樋の塗装。細い部材ほど、外壁と同じだけ手間がかかります。

錆止めが乾いてから、仕上げの塗装に入ります。付帯部は外壁より小さなローラーを使うため、面積のわりに時間がかかる工程です。「面積が小さいからすぐ終わる」と思われがちですが、実際には外壁と同じくらい手間をかけて仕上げています。

付帯部の塗装が終わり、最終確認のタッチアップと清掃をして、全工程が完了となります。

15日間の工期は、どう使われた?

今回の施工期間は15日間でした。「外壁と屋根を両方やったら、倍かかるのでは」と心配されることがありますが、実際にはそうなりません。共通の工程が重なるためです。

おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 足場の設置・養生(外壁・屋根で共通)
  2. シーリングの打ち替え(外壁側の下ごしらえ)
  3. 高圧洗浄(屋根・外壁・軒天をまとめて/共通)
  4. 乾燥期間(洗浄後、下地が十分に乾くまで待つ/共通)
  5. 外壁の3回塗りと屋根の3回塗り(乾燥待ちの時間を互いに埋め合う形で並行)
  6. 付帯部の塗装
  7. タッチアップ・清掃・足場の解体(共通)

注目していただきたいのは5番です。塗装は「塗る時間」より「乾かす時間」のほうが長い工事です。外壁の中塗りを乾かしているあいだ、職人は手を止めるのではなく屋根に移動します。屋根の乾燥待ちのあいだに外壁へ戻る。同時施工では、この乾燥待ちの時間が無駄になりにくいという利点があります。

別々にやると、それぞれの工事で乾燥待ちが発生し、足場の設置・解体もそれぞれに発生します。合計日数は、同時にやった場合よりも確実に長くなります。お住まいの方から見れば「足場に囲まれて過ごす日数」が増えるということです。

この工事の参考価格

工事内容 外壁塗装/屋根塗装/シーリング打ち替え/付帯部塗装(足場・養生・高圧洗浄含む)
参考価格 143万円前後(税込)
同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ・階数・形状、劣化の程度、選ぶ塗料によって変動します。正確な金額は現地調査後のお見積りでご確認ください。

「同時にすると何万円お得になりますか」というご質問には、正直なところ一律の数字ではお答えできません。足場の金額は建物の大きさ・形状・お隣との距離などで変わるため、他所の現場の差額をそのまま当てはめても意味のある数字にならないからです。

お伝えできるのは、別々にすれば足場・養生・洗浄・足場解体という一式が確実にもう一度発生するということだけです。その一式がご自宅でいくらになるのかは、現地を見てお見積りをお出しするのがいちばん確かです。

羽曳が丘西という住宅地で

今回の現場は、羽曳野市羽曳が丘西。区画ごとにまとまって住宅が建ち並ぶエリアです。実はこの界隈では、以前から何軒かのお宅で施工させていただいていました。今回のお客様も、近隣で工事が進む様子をご覧になっていて、「そろそろうちも」というタイミングでお声がけくださった経緯です。

同じ時期に整備された区画では、建物の築年数も近くなります。そうすると、外壁や屋根の傷み方も自然と似た足並みになりやすく、一軒で塗り替えの話が出ると近隣でも同じ時期に検討が始まる、ということが起こります。ご近所で工事をされたお宅がある方は、その仕上がりを実際に見せてもらえるのが何よりの参考になります。

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、羽曳野市を含む近隣エリアで施工しています。羽曳野市は平野区から車ですぐの距離で、工事中も工事後も、何かあればすぐに伺える範囲です。「外壁だけにするか、屋根も一緒にやるか」という段階のご相談でも構いません。まずは屋根の状態を見たうえで、同時にする価値があるのかどうかを正直にお伝えします。

よくある質問

外壁と屋根を同時に塗ると、工期はどれくらい延びますか?

外壁だけの場合と比べて倍になることはありません。足場・養生・高圧洗浄・足場解体といった工程は外壁と屋根で共通なので、増えるのは屋根そのものを塗る日数だけです。さらに塗装は乾燥待ちの時間が長い工事なので、外壁を乾かすあいだに屋根、屋根を乾かすあいだに外壁、というように時間を互いに埋め合わせられます。今回の羽曳が丘西の現場は、外壁・屋根・シーリング・付帯部をすべて含めて15日間でした。

外壁だけで契約したあと、途中で「やっぱり屋根も」と追加できますか?

足場が建っている期間内であれば、追加をご相談いただけるケースはあります。ただし塗料の発注や職人の日程はあらかじめ組んであるため、工期が延びたり、着工後だと段取りが間に合わなかったりすることもあります。いちばんもったいないのは、足場を解体したあとで屋根が気になり始めるパターンです。迷っている段階なら、現地調査のときに屋根も一緒に見せてほしいとお伝えいただくのが確実です。

外壁と屋根で塗料のメーカーが違っても問題ありませんか?

問題ありません。むしろ外壁用と屋根用は別々に設計された製品なので、メーカーや種類が分かれるほうが一般的です。今回も外壁と屋根で異なるメーカーの材料を使っています。大切なのはメーカーを揃えることではなく、同じ面の中で下塗り材と主剤の組み合わせがメーカーの指定どおりになっていることです。お見積りの段階で、下塗りに何を使うかまで記載されているかをご確認ください。

同時に工事をすると、保証も外壁と屋根で同じ年数になりますか?

いいえ、通常は分かれます。今回の現場でも外壁10年・屋根5年という設定でした。同じ日に同じ職人が仕上げても、屋根は日射も雨も直接受け、夏場の表面温度も壁とは比べものになりません。その環境の差を正直に反映した年数です。「同時施工だから保証も揃う」ということはありませんので、契約前に外壁と屋根それぞれの保証年数と対象範囲をご確認ください。

工事のあいだ、家にいなければいけない日はありますか?

毎日在宅していただく必要はありません。ただし足場の設置日と解体日、着工前の打ち合わせ、完了時の確認については、できればお立ち会いいただけると安心です。外壁と屋根を別々に工事すると、この立ち会いの機会も二度発生します。共働きなどで日程調整が難しいご家庭ほど、一度にまとめてしまう利点は大きくなります。

おわりに|「屋根は次でもいいかな」への答え

冒頭のご相談に戻ります。「屋根は、次のときでもいいかなと思っていて」。

この考え方は間違っていません。屋根がまだ新しければ、屋根材が塗装に向いていなければ、あるいは近いうちに葺き替えを考える段階なら、私たちも「今回は外壁だけにしましょう」とお伝えします。同時施工は、両方に今やる価値があるときにだけ意味を持つ選択です。

今回のお宅は、屋根に上がって確認した結果、塗装でしっかり対応できる状態でした。だから「同じ足場が建っているうちに」とご提案し、外壁と屋根を同じ15日間の中で仕上げました。白い外壁と濃いグレーの屋根は、同じ日にスタートラインへ並んだことになります。次の塗り替えどきも、二つ揃ってやってきます。

足場は、外壁のための費用でも屋根のための費用でもありません。高い所に安全に手を届かせるための費用です。だからこそ、その1回をどう使うかで、次の10年の段取りが変わります。

迷っている段階のご相談で構いません。「外壁だけのつもりだけれど、屋根はどうなんだろう」という状態のまま、お気軽にお声がけください。屋根を見たうえで、同時にやるべきか、見送るべきかを正直にお伝えします。

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