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大東市緑ヶ丘|築19年モルタル外壁と付帯部を塗装|軒天・破風・雨樋はどこまで塗るのか

BEFORE 施工前
施工前|築19年、モルタルにリシンを吹き付けた3階建て
AFTER 施工後
施工後|外壁も付帯部も、同じ足場の中で塗り上げました

「壁だけきれいになっても、軒の裏が汚いままだと、かえって目立ちませんか」

大東市緑ヶ丘のお客様が、現地調査の途中でふとおっしゃった言葉です。築19年。モルタルの上にリシンを吹き付けた3階建てで、北面には黒い雨筋と苔が広がっていました。塗り替えの必要があることは、ご本人もとうにわかっておられます。それより気にしておられたのは、外壁ではないところのほうでした。

雨樋。水切り。シャッターボックス。屋根の端から下がっている板。軒の裏側。まとめて付帯部(ふたいぶ)と呼ばれる部分です。見積書では一行にまとめられがちで、お客様からいちばん質問が多いのに、いちばん説明されていない場所でもあります。

それから18日後。足場が外れた日、同じ場所に立ってお客様はこう言われました。この記事の最後に、その一言を置いています。

この記事は、その18日間のうち「外壁以外」に費やした時間の記録です。使ったのは外壁がKFシェアルドF(KFケミカル)、付帯部の仕上げがファインパーフェクトトップ(日本ペイント)。同等の内容を現在の価格でお見積りすると162万円前後(税込)になります。

付帯部とはどこを指すのか。なぜ外壁と一緒に塗る必要があるのか。軒天は何色にすべきか。そして「付帯部一式」と書かれた見積書の、どこを見ればいいのか。20枚の写真と一緒にお話しします。

工事データ

施工エリア 大阪府大東市緑ヶ丘
築年数 19年
建物 3階建て戸建て/モルタル外壁+リシン吹き付け
工事内容 外壁塗装/付帯部塗装(雨樋・水切り・シャッターボックス・鉄扉)
使用材料 外壁下塗り:アンダーフィラー弾性エクセル(日本ペイント)
外壁中塗り・上塗り:KFシェアルドF(KFケミカル/1液水性フッ素樹脂塗料)
鉄部下塗り:1液ハイポンファインデクロ(日本ペイント)
付帯部上塗り:ファインパーフェクトトップ(日本ペイント)
工期 18日間
保証年数 10年
参考価格 162万円前後(税込)

※参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ・付帯部の数量・足場条件によって変わりますので、実際の金額は現地調査のうえでご提示します。

付帯部ってどこ? まず場所の名前から

付帯部の一般的な部位名として、軒天、破風、鼻隠し、雨樋、水切りの位置を示した図解
外壁以外にも、雨風を受ける細かな部位があります

付帯部という言葉は、業者側の都合でできた分類です。「外壁でも屋根でもないけれど、塗装が必要な部材」をひとまとめにした呼び方で、建築の正式な区分ではありません。だからお客様に伝わりにくいのは、当然といえば当然なのです。

具体的には、こういう部材が入ります。

  • 破風板(はふいた)……屋根の妻側、三角に見える面の端に取り付けられた板。屋根の骨組みの断面を隠しています。
  • 鼻隠し(はなかくし)……屋根の軒先側、雨樋が付いている面の板。破風板と役割は似ていますが、向きが違います。
  • 軒天(のきてん/軒裏)……壁から張り出した屋根の、裏側の天井面。下から見上げたときに見える平らな面です。
  • 雨樋(あまどい)……屋根から落ちてきた雨を受ける横方向の軒樋と、地面へ落とす縦方向の竪樋。
  • 水切り(みずきり)……外壁の下端、基礎との境目に回してある薄い金属板。壁を伝った水を外へ逃がします。
  • 幕板(まくいた)……1階と2階の境あたりに水平に回っている帯状の部材。
  • 雨戸・戸袋・シャッターボックス……開口部まわりの金属部材。
  • 庇(ひさし)……窓や玄関の上に出ている小さな屋根。

この現場では、雨樋・水切り・シャッターボックス・鉄扉を付帯部として塗装しました。以下、工程写真はすべてこの4か所のものです。

破風板と鼻隠しは、家でいちばん雨風を受ける板です

屋根の端にあるということは、雨も風も日差しも、遮るものなしに当たり続けるということです。屋根材の下に守られている部分と違い、破風板と鼻隠しは常に外気にさらされています。この2つの塗膜が先に切れるのは、施工が悪かったからではなく、置かれている条件が単純に厳しいからです。

そして厄介なのが、ここは足場がないと手が届かないという点です。1階の窓なら脚立で見られますが、破風板は2階・3階の屋根の縁にあります。だから劣化に気づくのは、たいてい足場が組まれたあと。「思ったより傷んでいました」というご報告になりがちな部位です。

軒天は、雨漏りのサインが最初に出る場所

軒天を気にする方は多くありません。日常の視界に入らないからです。ですが職人が現地調査でいちばん時間をかけて見上げるのが、実はこの面です。

理由ははっきりしています。屋根から入った雨水は、まず軒天の裏側に回るからです。軒天に茶色いシミが浮いている、板が波打っている、継ぎ目が浮いて隙間ができている――これらは塗装の劣化ではなく、その奥で水が動いている可能性を示しています。

ですから軒天の異常を見つけたときに、私たちがまず考えるのは色や塗料ではありません。「水はどこから入ったのか」です。原因を止めないまま軒天だけ塗り直すと、シミは塗膜の下でそのまま進み、数年で同じ場所に浮いてきます。塗装で隠せてしまうぶん、かえって発見が遅れることさえあります。

外壁だけ塗ると、どうして失敗して見えるのか

これは理屈というより、目の話です。

外壁は面積が広いぶん、塗り替えると家全体の印象が一気に変わります。色あせが消え、汚れが落ち、表面に艶が戻る。ところがそのすぐ隣に、19年ぶん古びたままの雨樋が下がっている。すると人の目は、きれいになった壁ではなく、取り残された部分のほうに吸い寄せられます。

塗装前は全体が同じくらい古びていたので、雨樋の色あせは気になりませんでした。壁だけ新しくなった瞬間に、付帯部の古さがコントラストとして立ち上がるのです。「外壁は塗ったのに、なんだかスッキリしない」というご相談の多くは、これが原因です。

もうひとつ、もっと現実的な理由があります。

付帯部だけ後回しにすると、足場をもう一度組むことになります

外壁塗装の見積書で大きな比率を占めるのが仮設足場です。そして足場は、外壁を塗るためだけのものではありません。破風板も鼻隠しも軒天も雨樋も、足場があるからこそ手が届き、まともな姿勢で塗れます。

「今回は外壁だけにして、付帯部はまた今度」という選択は、足場の費用をもう一度払うという選択とほぼ同義です。塗料代や手間賃は後回しにしても変わりませんが、足場だけは丸ごと二重に発生します。

逆に言えば、足場が建っている間は、家じゅうの高いところに手が届く貴重な期間です。この現場でも、外壁の塗装が終わったあと、そのまま付帯部の工程に入りました。

この現場で塗った付帯部を、全部お見せします

この現場で実際に塗った付帯部として、水切り、雨樋、シャッターボックス、鉄扉を示した図解
記録がある部位を、実施工として整理します

ここからは実際の工程です。どの部位も「ケレン → 下塗り → 上塗り2回」という順番で進みます。壁と同じ回数を、面積の小さい部材にひとつずつかけていく作業です。

1|竪樋の留め具から、錆が流れ出していました

竪樋を壁に固定する金具から錆が流れ、外壁に垂れた跡が残っていた
竪樋を壁に固定する金具から錆が流れ、外壁に垂れた跡が残っていた

現地調査で最初に目に留まったのがこれです。竪樋そのものは樹脂ですが、それを壁に留めている金具は金属。この金具が錆びると、雨のたびに錆が溶けて外壁を伝って垂れます

お客様は「壁の汚れ」だと思っておられました。実際には汚れの発生源は壁ではなく、付帯部の金物です。外壁だけ塗り替えても、金具が錆びたままなら同じ筋が同じ場所に戻ってきます。

2|水切り|地味ですが、ここが錆びると基礎まわりに響きます

塗装前の水切り。外壁の下端、基礎との境目に取り付けられた金属板
塗装前の水切り。外壁の下端、基礎との境目に取り付けられた金属板

水切りは、外壁を伝ってきた水を建物の外側へ落とすための金属板です。基礎と外壁の継ぎ目に水が入らないように、わざと壁より少し出っ張らせてあります。

高さが低く、幅も細いため、見積書ではほぼ確実に「付帯部」の中に飲み込まれる部材です。ですが地面に近く、跳ね返りの泥水を最も受ける場所でもあります。

水切りをサンドペーパーでケレンし、塗料が密着する下地に整える
水切りをサンドペーパーでケレンし、塗料が密着する下地に整える

まずケレンです。サンドペーパーで表面の汚れと浮きをこすり落とし、わずかに傷をつけて塗料が食いつく状態をつくります。金属部材は表面がつるつるしているので、この一手間を省くと塗膜が数年で剥がれます。

水切りに錆止め塗料を塗る工程。金属部材の下塗りは錆止めが基本
水切りに錆止め塗料を塗る工程。金属部材の下塗りは錆止めが基本

次に錆止めです。金属の付帯部は、上塗りの前に必ず錆止めを入れます。今回使ったのは1液ハイポンファインデクロ(日本ペイント)。鉄部のケレンと錆止めの詳しい話は、それだけで一本の記事になる内容なので、ここでは工程の位置づけだけにとどめます。

鉄部の下塗りに使用した1液型の錆止め塗料
鉄部の下塗りに使用した1液型の錆止め塗料
水切りの上塗り1回目。細い部材には小さめのローラーを使う
水切りの上塗り1回目。細い部材には小さめのローラーを使う

錆止めが乾いたら上塗りです。付帯部は面積が小さく、隣にはすでに仕上がった外壁があります。塗料を飛ばさないよう、外壁用より一回り小さいローラーに持ち替えて進めます。

上塗り2回目まで終えた水切り。艶が戻り、外壁との境目が締まった
上塗り2回目まで終えた水切り。艶が戻り、外壁との境目が締まった

2回塗って完成です。並べて見ると、水切りが締まることで外壁の下端のラインがはっきりしたのがわかると思います。

3|雨樋|塗るのは「交換しなくていい樋」だけです

塗装前の竪樋。外壁との取り合い部分
塗装前の竪樋。外壁との取り合い部分

雨樋は付帯部の中で最も面積が大きく、いちばん目につく部材です。ここが色あせていると、外壁がどれだけきれいでも古い家に見えます。

雨樋の表面をケレンし、塗料の密着を高める
雨樋の表面をケレンし、塗料の密着を高める

樹脂製の雨樋も、ケレンから始めます。長年の紫外線で表面が粉状に劣化していることが多く、その粉を残したまま塗ると、塗膜ごと剥がれます。

小さめのローラーに持ち替えて竪樋を塗装する
小さめのローラーに持ち替えて竪樋を塗装する

竪樋は壁との隙間が数センチしかないところを通っています。ローラーを縦に入れ、樋の裏側にも塗料が回るように角度を変えながら進めます。正面から見えない裏側こそ、雨水が長く残る面です。

雨樋の上塗り2回目。継ぎ目まで塗り込む
雨樋の上塗り2回目。継ぎ目まで塗り込む
塗装を終えた雨樋。継ぎ目や金具まわりまで塗り込んだ仕上がり
塗装を終えた雨樋。継ぎ目や金具まわりまで塗り込んだ仕上がり

ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。雨樋は、塗装で直せる劣化と、直せない劣化があります。色あせや粉ふきは塗装の範囲です。しかし割れ、変形、勾配の狂い、継ぎ手の外れは塗っても直りません。この現場の雨樋は形状が保たれていたので塗装で対応しましたが、割れているものに塗るのは、業者側の手抜きです。交換が必要な状態なら、そう申し上げます。

4|シャッターボックス|開け閉めする部材だからこそ、塗り方に気を使います

塗装前のシャッターボックス。表面がくすみ、艶が失われている
塗装前のシャッターボックス。表面がくすみ、艶が失われている

シャッターボックスは、巻き取ったシャッターを収める金属のケースです。ガレージや窓の上部に付いています。

シャッターボックスをケレンし、表面を整える
シャッターボックスをケレンし、表面を整える
シャッターボックスに錆止め塗料を塗る
シャッターボックスに錆止め塗料を塗る

金属なので、水切りと同じく錆止めから入ります。

シャッターボックスの上塗り1回目
シャッターボックスの上塗り1回目
上塗り2回目を終えたシャッターボックス。艶が戻った
上塗り2回目を終えたシャッターボックス。艶が戻った

注意点がひとつ。シャッターの可動部分と、収まっているスラット(羽根)には塗料を回してはいけません。塗料が入り込むと巻き取りが渋くなったり、羽根同士がくっついたりします。塗るのはあくまでボックスの外側です。シャッター本体を塗るかどうかは、開け閉めの頻度や表面の状態を見て、事前に相談させていただきます。

5|鉄扉

この現場では勝手口の鉄扉も塗装しました。ケレン、錆止め、上塗り2回。工程は水切りやシャッターボックスとまったく同じです。鉄部の錆をどこまで落とすか、どのケレンの等級で処理するかという話は、別の記事で詳しくお話ししています。

記録が残っていない部位について、正直に書きます

ここまでお読みいただいて、お気づきかもしれません。この現場では、軒天と破風板の工程写真が残っていませんでした。

付帯部の工程として撮影・記録できたのは、雨樋・水切り・シャッターボックス・鉄扉の4か所です。実際の工事では他の部位にも手が入っていますが、写真として残っていない以上、「これが軒天です」と別の現場の写真を並べることはしません。

ですので、この記事の後半は「部位の説明」と「見積書の読み方」に重心を置きます。写真で見せられない部分は、言葉で正確にお伝えするのが筋だと考えています。

部位ごとに、塗料も工程も違います

付帯部は鉄部、木部、ケイカル板など素材ごとに下地処理と工程が違うことを示した図解
同じ付帯部でも、素材を見て工程を分けます

「付帯部塗装」とひとまとめに書かれますが、中身は素材ごとにまったく別の作業です。ここが「一式」表記のいちばんの問題点でもあります。

鉄部(水切り・シャッターボックス・雨戸・鉄扉・庇の骨組み)

下塗りは錆止めです。塗る前のケレンで錆をどこまで落とすかが、そのまま持ちに直結します。錆を残したまま上から塗ると、塗膜の下で錆が広がり、数年で膨れます。

木部(木製の破風板・軒天・破風の見切り)

下塗りは木部用のシーラーやプライマーです。木は水を吸い、乾くと縮む素材なので、鉄部とはまったく考え方が違います。さらに木部には「塗膜をつくって覆う塗料」と「木に染み込ませる塗料」があり、どちらを選ぶかで見た目も次回のメンテナンス方法も変わります。木部の劣化の見分け方と塗装手順は、それだけで一本の記事になる内容なので、ここでは深追いしません。

窯業系・ケイカル板(現在の軒天の主流)

いまの住宅の軒天は、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)などの板材が使われていることがほとんどです。ここで大事なのが透湿性という考え方です。

軒天の裏は屋根裏につながっています。屋根裏の湿気は軒天を通って抜けていく設計になっていることがあり、透湿性のない塗膜でぴったり塞いでしまうと、湿気の逃げ道を潰すことになります。そのため軒天には、湿気を通しやすいタイプの塗料を選ぶことがあります。外壁用の塗料をそのまま軒天に塗ればいい、という話ではないのです。

有孔ボード(小さな穴が開いた板)が使われている軒天では、もうひとつ注意が必要です。この穴は換気のために開いています。塗料で埋めてしまうと換気機能が失われるので、穴を潰さない塗り方をします。

軒天は何色にする?

お客様からよくいただく質問です。結論から言うと、白系か、外壁より明るい色が無難です。理由は3つあります。

1つめ、軒下が明るくなります。軒天は日が直接当たらず、常に影になっている面です。ここを白系にすると、外からの光を反射して、玄関まわりや窓辺の明るさが変わります。逆に濃い色を持ってくると、その影がさらに深くなります。

2つめ、天井が高く見えます。これは室内の天井と同じ原理で、明るい面は後退して見えます。軒天を暗くすると、軒下に立ったときに圧迫感が出ます。

3つめ、異変に気づきやすくなります。先ほど書いたとおり、軒天は雨漏りのサインが最初に出る場所です。白い面に茶色いシミが浮けば、誰の目にも異常だとわかります。濃い色で塗ってあると、同じシミが目立たず、気づいたときには広がっているということが起こります。

では外壁と同色にするのはどうか。悪くはありませんが、外壁が濃い色の場合は軒下が重くなります。この現場はベージュ系と茶系のツートンでしたが、色の配分そのものについてはここでは触れません。軒天に関して言えば、外壁の色が濃いほど、軒天は明るく振ったほうがバランスが取れるという一般則があります。

見積書の「付帯部一式」で、確認すべきこと

見積書の付帯部一式で確認する、含まれる部位、塗る回数、錆止めの有無、交換する部位、写真での記録を示した図解
一式の中身を、部位名で確認しておきます

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。

「付帯部塗装 一式 ○○円」とだけ書かれた見積書は、そのままでは判断できません。金額の高い安い以前に、何が入っていて、何が入っていないのかが読み取れないからです。

付帯部は、家によって数も種類も違います。シャッターが1か所の家と5か所の家、雨戸のある家とない家、幕板が回っている家といない家。同じ「一式」でも、中身は家ごとにまるで違います。だから相見積もりを並べても、一式表記のままでは比較になりません。

確認していただきたいのは、次の点です。

  • どの部位が含まれているか……破風板・鼻隠し・軒天・雨樋・水切り・幕板・雨戸・戸袋・シャッターボックス・庇。この中で名前が挙がっていないものはどれか。
  • 含まれていない部位は、なぜ含まれていないのか……その部材がそもそも家にないのか、劣化がなく塗る必要がないと判断されたのか、それとも単に見落とされているのか。理由が違えば、対応も変わります。
  • 何回塗るのか……下塗り+上塗り2回なのか、上塗り1回なのか。付帯部は面積が小さいぶん、回数を減らしても見た目には出ません。だからこそ書面で確認する意味があります。
  • 下塗りは何を使うのか……鉄部に錆止めが入っているか。木部にシーラーが入っているか。「上塗りだけ」の付帯部塗装は長持ちしません。
  • 付帯部の交換や補修は別費用か……塗装では直らない部材が見つかったとき、追加になるのか、その場合どういう手順で連絡が来るのか。

なお、付帯部の金額が「一式」で計上されること自体は、おかしなことではありません。部位ごとに単価を出そうとすると、雨樋は何メートル、水切りは何メートル、シャッターボックスは何か所……と細分化されすぎて、かえって読みにくい見積書になります。実務としては一式でまとめるのが一般的です。

問題は金額のまとめ方ではなく、範囲が書かれていないことです。一式でも構いませんから、その一式に何が入っているかを、部位名で並べてもらってください。そこを説明できない業者は、現地を細かく見ていない可能性があります。

塗装より、交換したほうがいい付帯部もあります

正直に書きます。付帯部の中には、塗ってはいけない状態のものがあります。

腐った破風板。木製の破風板が水を吸い続けると、内部が繊維状にほぐれてスカスカになります。ドライバーの先を軽く当てただけで沈むような状態です。ここに塗料を乗せても、表面がきれいになるだけで強度は戻りません。数年後、同じ場所からまた崩れます。この場合は板の交換か、板金を巻くのが正しい対応です。

割れた雨樋・変形した雨樋。ひび割れているもの、勾配が狂って水が溜まるもの、継ぎ手が外れているもの。塗装しても水は漏れ続けます。部分的な交換で済む場合も多いので、まず「どこまで替えれば直るか」を確認するのが先です。

シミの原因が止まっていない軒天。これも先ほど書いたとおりです。上から塗ると発見が遅れます。まず水の入口を探すのが順番です。

塗装業者としては、塗る工事のほうが金額も工期も読みやすく、正直やりやすい仕事です。それでも塗って済ませてはいけない状態というのはあります。足場を組んで近くで見て、初めてわかることが多いので、現地調査の段階で「もし塗装では対応できない部位が出てきたらどうしますか」と聞いておくと安心です。

大東市緑ヶ丘という土地で

大東市は大阪府の北河内地域にあり、市の東側は生駒山地の山すそに向かって高くなっていきます。緑ヶ丘はその斜面側に開かれた住宅地です。

この現場で印象的だったのは、建物同士の距離が近いことでした。3階建てが並び、隣家との間は人ひとりが通れるほど。竪樋が通っているのも、まさにその狭い部分です。こういう場所は足場を建てるのにも工夫が要りますし、そもそも足場がなければ手が入らないので、日常的に点検されないまま年数が経ちがちです。

もうひとつ、この工事のきっかけがお隣のお住まいでした。私たちが先にお隣を施工しており、その仕上がりをご覧になって声をかけてくださったのです。飛び込みの営業も来ていたけれど決めきれなかった、というお話も伺いました。近所の実物を見て決めるというのは、私たちにとってはいちばんありがたい選ばれ方です。

完工の日

完工前の清掃。ベランダのアクリル板まで拭き上げる
完工前の清掃。ベランダのアクリル板まで拭き上げる

塗装工程がすべて終わると、タッチアップと清掃に入ります。この現場では、ベランダのアクリル屋根まで拭き上げました。普段はなかなか掃除できない場所です。足場があるうちにしかできない作業のひとつでもあります。

そして足場のシートが外れた日。お客様はご自宅を少し離れたところから眺めて、こうおっしゃいました。

「軒の下まで、ちゃんと家になりましたね」

最初にいただいた「壁だけきれいになっても、軒の裏が汚いままだと」という一言に、18日かけてお答えできたのだと思っています。

付帯部は、写真映えする部分ではありません。竪樋の裏側を塗っても、誰も褒めてくれません。それでも家全体が「新しく見える」かどうかは、外壁の面積ではなく、取り残された部分があるかどうかで決まります。

よくあるご質問

見積書の「付帯部一式」には、どこまで含まれていますか?

それは見積書を作った業者にしかわかりません。だからこそ確認が必要です。付帯部に含まれうるのは、破風板・鼻隠し・軒天・雨樋・水切り・幕板・雨戸・戸袋・シャッターボックス・庇など。このうちどれが含まれ、どれが含まれないかを、部位名で書き出してもらってください。金額を一式でまとめること自体は一般的な書き方なので問題ありません。範囲が書かれていないことが問題です。

軒天は外壁と同じ色にしてもいいですか?

できますが、外壁が濃い色の場合はおすすめしません。軒天はもともと日が当たらず影になる面なので、濃い色にすると軒下がさらに暗く、圧迫感が出ます。また軒天は雨漏りのシミが最初に出る場所なので、白系にしておくと異常を早く発見できます。外壁より明るい色に振っておくのが、見た目の面でも管理の面でも無難です。

付帯部だけ、あとから塗ってもらうことはできますか?

できますが、足場の費用がもう一度かかります。破風板・鼻隠し・軒天・軒樋は高所にあり、足場なしでは安全に作業できません。外壁塗装のときに一緒に済ませるほうが、結果として安く付きます。逆に、外壁がまだ塗り替え時期でなく付帯部だけ急いで直したい場合は、部分足場で対応できることもありますので、状態を見てご相談ください。

破風や雨樋が傷んでいる場合、塗装ではなく交換になりますか?

状態によります。色あせ、艶引け、表面の粉ふきは塗装で対応できます。一方、木製の破風板が腐って柔らかくなっている、雨樋が割れている・勾配が狂って水が溜まる、といった場合は塗っても機能は戻りません。板の交換、板金巻き、雨樋の部分交換といった別の工事になります。足場を組んで近くで見て初めてわかることも多いので、追加が出た場合の連絡手順を事前に確認しておくと安心です。

外壁だけ塗って付帯部を塗らないと、どうなりますか?

2つのことが起こります。ひとつは見た目で、外壁が新しくなるぶん付帯部の色あせが際立ち、「塗ったのにスッキリしない」という印象になります。もうひとつは劣化の進行で、鉄部の錆や木部の腐りは、塗り替えの周期を待たずに進みます。竪樋の留め具が錆びていれば、その錆が塗り替えたばかりの外壁に流れて筋を作ることもあります。

写真を送るだけ、スマホで外壁診断

軒天のシミ、破風の色あせ、雨樋の傷み。気になる場所の写真をLINEで送るだけ。無料で状態を診断し、塗装で足りるのか、交換が必要かを正直にお伝えします。

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