東大阪市新庄|築15年モルタルリシン外壁をフッ素で塗り替え|早く塗るほど安く済む理由


「壁を触ったら、手が真っ白になったんです」
東大阪市新庄のお客様から最初にいただいたご相談は、この一言から始まりました。築15年、一度も塗り替えていないモルタル外壁のお宅です。ご近所で塗装工事をされたお宅があり、足場やシートを見て「うちもそろそろかな」と思われたのがきっかけだったそうです。
それから17日後。足場を解体した日、お客様は道路の向かい側からご自宅を見上げて、こう言われました。
「ざらざらした感じが、そのまま残ってるんですね」
この記事は、その17日間の記録です。モルタルの上にリシンを吹き付けた外壁を水性フッ素塗料で塗り替え、スレート屋根も同時に塗装しました。同等の内容を現在の価格でお見積りすると99万円前後になります。
リシンという仕上げがどういうもので、なぜ平らな壁より塗料を多く使うのか。そして築15年という「まだ早いのでは」というタイミングで塗ったことが、なぜ結果的に費用を抑えることにつながったのか。下塗りの選び方から仕上げまで、全工程を22枚の写真で公開します。
工事データ
| 施工エリア | 大阪府東大阪市新庄 |
|---|---|
| 築年数 | 15年(初めての塗り替え) |
| 建物・外壁材 | 2階建て戸建て/モルタル外壁にリシン吹付+スレート屋根 |
| 施工内容 | 外壁塗装/屋根塗装/幕板・破風板のシーリング補修/付帯部塗装/高圧洗浄 |
| 使用塗料 | 外壁:KFシェアルドF(水性フッ素・KFケミカル) 外壁下塗り:パーフェクトフィラー(日本ペイント) 屋根:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント) 屋根下塗り:ファインパーフェクトベスト強化シーラー 下地補修:2液型ポリウレタンシーリング |
| 工期 | 17日間 |
| 保証 | 外壁10年/屋根5年 |
| 参考価格 | 99万円前後(税込) ※同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。実際の金額は建物の大きさ・劣化の程度・足場の条件によって変わります。 |
同じ「外壁+屋根」の工事でも、この事例は他の施工事例より参考価格が抑えめです。理由ははっきりしていて、築15年という早い段階だったため、下地の傷みがほとんど無く、補修の手間が少なくて済んだからです。この点は記事の後半で詳しくご説明します。
「まだ早いのでは」というご不安から始まりました
お客様が最初に気にしておられたのは、金額よりもタイミングでした。
「まだ15年ですし、雨漏りしてるわけでもない。今やる必要が本当にあるんでしょうか」
これは、私たちが本当によくいただくご質問です。とくに今回のように、ご家族の大きな出費と時期が重なりそうなときは、なおさら迷われます。「もう少し待って、傷んでからまとめてやったほうが得なんじゃないか」という感覚は、ごく自然なものだと思います。
ただ、外壁塗装に関してはこの感覚が逆に働くことがあります。壁が水を吸い始めてから直そうとすると、塗る前の下地補修という工程が一気に増えるからです。塗装そのものの金額はそれほど変わらなくても、補修が積み上がると総額は膨らみます。
だから私たちは、「今すぐ塗らないと危ないですよ」という言い方をしません。現地調査で撮った写真をその場でお見せして、いま塗った場合と、5年後に塗った場合で何が変わるかをご説明します。判断の材料をお客様の手元に残すのが目的です。
現地調査で見つかった劣化

チョーキング|指でなぞると外壁の色が粉になって付きます

手が届く高さの外壁を指でなぞると、外壁の色そのままの粉が指に付きました。これがチョーキング(白亜化)です。お客様が「手が真っ白になった」とおっしゃっていたのは、まさにこの現象でした。
チョーキングの確認方法(ご自身でできます)
- 晴れて外壁が乾いている日を選びます。雨上がりや朝露が残る時間帯は粉が付きにくく、正しく判定できません。少なくとも半日は雨が当たっていない状態が理想です。
- 手が届く高さの外壁を、指の腹で10センチほど横になぞります。爪を立てたり強くこすったりする必要はありません。軽く滑らせるだけで十分です。
- 指に外壁と同じ色の粉が付けば、チョーキングが出ています。黒っぽい汚れが付くだけの場合は、単なる汚れです。
- 南面・西面と、北面の両方で試してください。紫外線が強く当たる南面や西面から先に進むため、面によって出方が違います。北面はまだ出ていないのに南面だけ真っ白、というのはよくあります。
- リシンのようなざらついた壁では、指を平らに当てて凸部をなぞるのがコツです。凹みの奥は粉が残りにくく、判定しづらくなります。
チョーキングは、塗膜に含まれる樹脂が紫外線で分解し、中の顔料が粉になって表面に出てきている状態です。汚れではないので洗っても翌年また出てきます。塗膜の防水機能が切れかけているサインとお考えください。
新築時のリシン仕上げは、表面の塗膜が雨をきちんと弾いています。それが年数とともに劣化すると、壁が湿気を吸い込みやすい状態に近づいていきます。今回はまさに、その入口に立っている段階でした。
汚れ|ざらついた面は汚れが落ちにくくなります

外壁全体が、うっすらとくすんで見える状態でした。とくに雨水の流れる筋に沿って、黒っぽい汚れが縦に伸びています。
これはリシン仕上げの構造上、避けにくい現象です。理由は次の章で詳しくご説明しますが、表面がざらついている分だけ汚れが引っかかりやすく、雨で流れ落ちにくいのです。お客様が「なんとなく家が暗くなった気がする」とおっしゃっていたのは、この汚れの蓄積によるものでした。
屋根|ドローンで撮影して一緒に確認しました

屋根はスレート瓦(化粧スレート)でした。二階の屋根はお客様ご自身では絶対に見られない場所なので、ドローンを飛ばして全体を撮影し、その場で画面をお見せしながらご説明しました。
スレート瓦は薄くて軽いのが長所ですが、薄いぶん、表面の塗膜が切れて水を吸うようになると弱くなります。吸った水分で反りが出て、その反りに耐えきれなくなると割れます。割れた破片が強風で飛べば、ご近所や通行される方に危険が及びます。大阪は毎年台風が通りますから、屋根は10年前後を目安に手を入れておきたい部分です。
今回はまだ割れは出ておらず、色あせと表面のざらつきが進んでいる段階でした。割れる前に塗り替えられるタイミングだったのは幸いでした。
リシン吹付という仕上げについて
ここからが、この工事の中心になる話です。同じ「モルタル外壁」でも、表面をどう仕上げてあるかによって、塗り替えの手間も、必要な塗料の量も、選ぶべき下塗りも変わります。
リシン外壁とは?見た目と手触りでの見分け方

リシンとは、細かい砂状の骨材(粒)を混ぜた塗材を、スプレーガンで壁に吹き付けて仕上げたものです。モルタルの下地を平らに塗ったあと、その上から仕上げとして吹き付けます。1980年代から2000年代にかけて建てられた戸建てで、非常によく使われてきた仕上げです。
リシンの見分け方
- 手のひらで撫でる…細かい砂やすりのような、シャリッとした手ざわりがあります。粒が均一に散っている感じです。
- 近くで目を寄せて見る…1ミリ前後の小さな粒がびっしり並んでいます。粒と粒の間に細かい影ができるため、少し離れると落ち着いたマットな見た目になります。
- 継ぎ目があるかどうか…サイディングのようなパネルの継ぎ目(目地の線)がなく、壁が一枚でつながっています。継ぎ目がなければモルタル系です。
- 光り方…つやがほとんどなく、光を当てても反射しません。
よく似た仕上げに「スタッコ」や「吹付タイル(磁器質タイル)」があります。スタッコはリシンより粒が大きく凹凸が深いもの、吹付タイルは丸い凸が波打つように並んで、つやがあるものが多いです。手ざわりが砂やすりならリシン、とお考えいただくとほぼ間違いありません。
リシンには、見た目が落ち着いていて安価に施工できる、という大きな長所があります。一方で、塗り替えのときには平らな壁とは違う配慮が必要になります。
リシン壁は塗料を多く使うって本当?
本当です。理由は、表面積にあります。
平らな壁を1平方メートル塗るとき、塗料が触れる面積はそのまま1平方メートルです。ところがリシンは表面が細かい山と谷でびっしり埋まっているため、広げて考えると、平らな壁よりずっと大きな面積を塗っていることになります。目に見える壁の広さは同じでも、塗料が乗るべき実際の面積は増えているのです。
その結果、次の2つが起こります。
リシン壁で起きること
- 塗料の使用量が増える…同じ面積でも、平らな壁より多くの塗料が必要になります。塗料が足りないと、谷の部分だけ塗膜が薄くなり、そこから先に傷んでいきます。
- 汚れが付きやすく、落ちにくい…谷の部分に砂ぼこりや排気ガスの粒子が引っかかり、雨で流れ落ちません。年数が経つほど全体がくすんで見えるのは、このためです。
そしてもうひとつ、手間の話があります。リシンをローラーで塗るとき、谷の奥まで塗料を届かせるには、かなりの力で押し込む必要があります。平らな壁を転がすようには進みません。ローラーを往復させ、角度を変えて、粒の裏側まで塗料を入れていきます。この工程を省略すると、見た目は塗れているのに、乾いてから粒の陰だけ元の色が透けて見える、という仕上がりになります。
「リシンだから割高になる」というより、正しく塗ろうとすると、材料も時間も平らな壁より要るというのが実際のところです。お見積りの段階でこの説明がない場合は、塗料の量が足りているのか確認されることをおすすめします。
リシンに塗る下塗りの選び方|吸い込みの激しさが問題です


リシン外壁の塗り替えで、仕上がりを最も左右するのが下塗りです。
年数の経ったリシン面は、表面の塗膜が劣化して塗料をぐんぐん吸い込みます。ここに吸い込みの弱い下塗りを使うと、塗った先から素地に吸われてしまい、上に塗る仕上げ塗料まで一緒に吸い込まれていきます。すると、塗った量に対して塗膜が薄くなり、つやのムラや色ムラが出ます。
今回は下塗りに日本ペイントのパーフェクトフィラーを選びました。フィラーは、シーラーよりも肉厚に塗れる下塗り材で、次の役割を担います。
リシン面に下塗りが果たす3つの役割
- 吸い込みを止める…素地に染み込んで、それ以上塗料を吸わない状態をつくります。ここが甘いと、上塗りの発色が安定しません。
- 素地と仕上げ塗料をつなぐ…古い塗膜と新しいフッ素塗料は、そのままでは相性が良いとは限りません。間に入って密着させるのが下塗りの仕事です。
- 細かい目を埋めて肌を整える…リシンの細かな穴やヘアクラック程度の隙間を埋め、上塗りが均一に乗る土台をつくります。

写真のとおり、下塗りを終えると家全体が一度白くなります。お客様は「一瞬びっくりしました」と笑っておられましたが、この白い状態こそが、フッ素塗料を長持ちさせる土台です。吸い込みの激しいリシン面では、下塗りをケチった分だけ寿命が縮むと考えていただいて構いません。
リシンの質感は残せる?平らにもできる?
どちらもできます。塗り方の選択です。
選べる2つの方向
1|リシンの質感を残す(今回の選択)
下塗りを通常どおりの厚みで塗り、その上からフッ素塗料をローラーで仕上げます。粒の凹凸がそのまま残り、塗り替え前と同じ落ち着いたマットな外観になります。工程が標準的なので、費用も標準の範囲に収まります。
2|平らな肌に変える
下塗りを厚膜タイプに変えたり、微弾性フィラーを厚く塗り重ねたりして凹凸を埋めていきます。仕上がりはのっぺりとした現代的な外観になり、汚れも付きにくくなります。ただし材料も工程も増えるため、費用は上がります。また、埋め方が中途半端だと凹凸がまだらに残り、かえって不自然に見えることがあります。
今回のお客様は、周囲の街並みに馴染んだ落ち着いた見た目を気に入っておられたので、質感を残す方向を選ばれました。冒頭でご紹介した「ざらざらした感じが、そのまま残ってるんですね」という完工日の一言は、その選択どおりに仕上がったことを確かめてくださったものです。
迷われる場合は、汚れの付きやすさで考えるのがひとつの目安です。幹線道路沿いで排気ガスの汚れが気になるお宅なら、平らに寄せるメリットがあります。逆に、周囲が住宅ばかりで汚れがそれほど気にならないなら、質感を残したほうが費用も抑えられ、街並みにも馴染みます。
築15年で塗るのは早い?|早いほうが結果的に安く済みます

「早すぎませんか」というご質問には、いつもこうお答えしています。外壁塗装の総額は、塗装代よりも「補修代」で決まります。
外壁塗装の見積書は、大きく分けると次の要素でできています。
- 足場代…建物の大きさで決まります。築年数では変わりません。
- 洗浄代…面積で決まります。これも築年数ではほぼ変わりません。
- 塗料代・塗装手間…面積と塗料のグレードで決まります。これも築年数では大きく変わりません。
- 下地補修代…ここだけが、傷み具合に比例して増えていきます。
つまり、塗り替えを先延ばしにして増えるのは、ほぼ下地補修の費用だけなのです。そして下地補修は、傷みが進むほど加速度的に増えます。表面の劣化だけなら軽微な処置で済むところが、水が回り始めると、ひび割れの処理、傷んだ部分の作り直し、場合によっては壁の一部をやり直す工事まで必要になります。
今回のお宅は、築15年でチョーキングと汚れの蓄積という「表面の劣化」だけの段階でした。壁の内部までは水が回っていません。そのため下地補修は幕板と破風板のジョイント部の処理だけで済み、外壁面そのものへの補修はほとんど必要ありませんでした。参考価格が99万円前後と、同じ「外壁+屋根」の工事のなかでは抑えめになっているのは、この一点に尽きます。
目安としては、リシンやモルタルの外壁は「築12〜15年」「チョーキングが出始めた頃」が最も費用対効果の高いタイミングです。ここを過ぎて放置すると、次の塗り替えでは補修の項目が確実に増えます。「まだ雨漏りしていないから大丈夫」ではなく、「雨漏りする前だから安く済む」とお考えください。
施工の全工程|17日間の記録
1|下地処理|幕板と破風板のジョイントを補修します

幕板とは、1階と2階の境目に横一直線に取り付けられている化粧板のことです。外観のアクセントになる一方、板の上端が水平になっているため、雨水が乗って留まりやすいという弱点があります。ここから水が入ると、幕板そのものが傷み、やがて内部にまで影響します。

補修には2液型のポリウレタンシーリングを使いました。2液型は、主剤と硬化剤を現場で練り合わせて使うタイプで、内部までしっかり硬化するのが特長です。
手順は、まずマスキングテープで際をまっすぐ切り、次にプライマー(接着剤の役割をする下塗り)を塗ります。プライマーを省くとシーリングが下地に付かず、数年で剥がれます。プライマーが乾いてからシーリング材を充填し、ヘラで押さえて内部の空気を追い出し、テープを剥がして仕上げます。


破風板は、屋根の妻側(三角に見える面)の端に付いている板です。ここも板と板のつなぎ目から水が入ります。幕板と同じ手順で、プライマー、充填、ヘラ押さえの順に仕上げました。
今回の下地処理はここまでです。築15年で外壁本体の補修がほぼ不要だったことが、工期と費用の両方に効いています。
2|高圧洗浄|密着を左右する、地味で重要な工程

足場とシートを設置したあと、建物の上から順に高圧洗浄機で洗っていきます。屋根の洗浄には、水の飛散を抑える専用の道具を使います。足場のシートで基本的に飛散は防げますが、急勾配の屋根や風の強い日でもご近所にご迷惑をかけないよう、二重に配慮しています。

外壁の洗浄は、リシンの場合とくに重要です。チョーキングの粉が残ったまま塗ると、粉の層の上に塗ることになり、塗膜が下地に密着しません。数年で剥がれてくる原因の多くはここにあります。谷に入り込んだ汚れも、水圧を当てる角度を変えながら丁寧に落としていきます。
洗浄後は、しっかり乾燥させてから次の工程に進みます。壁が濡れたまま塗ると、水分が塗膜に閉じ込められて膨れの原因になります。
3|外壁塗装|下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り
下塗りのフィラーは、先ほどの章でご紹介したとおりです。ここからは色が付いていきます。

2回目が中塗りです。使用したのはKFケミカルのKFシェアルドFという水性フッ素塗料です。フッ素樹脂は紫外線に対する抵抗力が高く、シリコン系より長く色とつやを保ちます。外壁10年保証をお付けできるのも、この塗料の性能によるところが大きいです。
2回目から色が付くので、この段階でお客様に実際の壁で色をご確認いただけます。色見本の小さなチップと、家一軒に塗られた状態では見え方がかなり違うため、この確認の時間を大切にしています。

3回目が上塗り、仕上げの工程です。中塗りと同じ塗料・同じ色を重ねます。同じ色を塗るため塗り漏れが見えにくく、ここが最も神経を使う場面です。塗料は乾くと色が濃くなる性質があるので、塗りたての部分と乾いた部分の色の差を頼りに、進んだ範囲を確認しながら塗り進めます。
なぜ3回塗るのか。下塗りは密着のため、中塗りと上塗りは規定の塗膜の厚みを確保するためです。塗料はメーカーが定めた厚みで塗って初めて、カタログどおりの耐久年数を発揮します。1回省けば、その分だけ寿命が短くなります。
4|屋根塗装|シーラー・中塗り・上塗りの3回塗り

屋根の下塗りにはファインパーフェクトベスト強化シーラーを使いました。劣化したスレートは塗料をよく吸い込むため、外壁と同じく吸い込み止めが欠かせません。シーラー自体は無色ですが、屋根が吸い込むことで元の色より少し濃く見えるようになります。

2回目からはファインパーフェクトベストで色を付けていきます。2回目の時点でもかなりきれいに見えますが、ここで終わりではありません。


3回目の上塗りで仕上げます。屋根は普段目に入らない場所ですが、紫外線と雨をいちばん受け続けているのは屋根です。ここを外壁と同時に手当てできると、足場が一度で済むぶん無駄がありません。今回、外壁と屋根を同時に施工されたのは合理的なご判断でした。
5|付帯部塗装|錆止めから始めて、2回塗り重ねます

雨樋を固定しているバンド、シャッターボックス、水切りといった鉄でできた部分には、色を塗る前に必ず錆止めを入れます。錆は塗膜の下からでも進行するため、ここを飛ばすと、数年後に塗膜を持ち上げるように錆が浮いてきます。

付帯部は、元の色と新しい色の組み合わせによっては、1回塗っただけでは下の色が透けて見えます。ですので基本的に2回塗り重ねて仕上げます。細かい部分ですが、ここの仕上がりが家全体の印象を左右します。
東大阪市新庄という土地と、リシン外壁
東大阪市新庄は、大阪市に隣接する東大阪市の西寄りに位置する住宅地です。中央環状線や近畿自動車道といった大きな幹線が近く、大阪市内へのアクセスの良さから、住宅が数多く建てられてきました。
この立地は、外壁にとって少し厳しい条件でもあります。交通量の多い道路が近い場所では、排気ガスに含まれる細かい粒子や路面から舞い上がる粉じんが外壁に付きやすくなります。そして本記事で繰り返しご説明してきたとおり、リシンのようにざらついた仕上げは、こうした汚れをとくに溜め込みやすい性質を持っています。
加えて大阪の気候です。夏の強い日射しは塗膜の樹脂を分解し、チョーキングを早めます。秋の台風は屋根と外壁に直接ダメージを与えます。春先の黄砂も、ざらついた壁に降り積もります。
新庄をはじめ東大阪市西部の住宅地には、1990年代から2000年代に建てられた、モルタル外壁にリシンやスタッコを吹き付けたお宅が今もたくさん残っています。建ててから15年から25年が経ち、ちょうど1回目、あるいは2回目の塗り替え時期を迎えているお宅が多いエリアです。
お隣が足場を組むのを見て「うちもそろそろかな」と思われる。今回のきっかけがまさにそうでした。同じ時期に同じような仕様で建った家が並んでいるのですから、ご近所の工事は、実はかなり精度の高いタイミングの目安だと思っています。
完工の日

17日目、足場とシートを解体しました。工事の間ずっとシートで覆われていたお宅が、久しぶりに全体像を見せる日です。私たちが最後の清掃を終える頃、お客様は道路の向かい側まで下がって、ご自宅をしばらく眺めておられました。
そして、冒頭でご紹介した一言です。
「ざらざらした感じが、そのまま残ってるんですね」
これは、私たちにとって最良の褒め言葉のひとつです。塗り替えは、家を別物に変える工事ではありません。この家がもともと持っていた表情を、劣化する前の状態に戻す工事です。リシンの質感を残すという選択が、そのまま形になった瞬間でした。
そしてもうひとつ、お客様がおっしゃったことがあります。「思っていたより高くなかった」。これは、私たちが値引きをしたからではありません。お客様が、傷みが進む前に決断されたからです。
よくあるご質問
Q. うちの外壁がリシンかどうか、自分で見分けられますか?
手のひらで壁を撫でてみてください。細かい砂やすりのような、シャリッとした手ざわりがあればリシンの可能性が高いです。あわせて、近づいて1ミリ前後の小さな粒がびっしり並んでいるか、パネルの継ぎ目(目地の線)がなく壁が一枚でつながっているか、つやがほとんどなくマットに見えるか、この3点をご確認ください。粒がもっと大きく凹凸が深い場合はスタッコ、丸い凸が波打つように並んでつやがある場合は吹付タイルという別の仕上げです。判断に迷われる場合は、スマホで壁に寄って撮った写真をお送りいただければ、こちらで判別してお伝えします。
Q. リシン外壁の塗り替えは、平らな壁より費用が高くなりますか?
同じ面積の平らな壁と比べると、材料費と手間の分だけ上がる傾向があります。リシンは表面が細かい凹凸で覆われているため、実際に塗料が乗る面積が平らな壁より大きく、必要な塗料の量が増えるからです。また、谷の奥まで塗料を届かせるにはローラーを押し込むように塗る必要があり、作業にも力と時間がかかります。ただし、これは「正しく塗った場合」の話です。塗料の量を抑えれば見積金額は下げられますが、谷の部分の塗膜が薄くなり、そこから先に傷んでいきます。お見積りを比較される際は、金額だけでなく塗料の使用缶数まで確認されることをおすすめします。
Q. リシンのざらざらした質感は、塗り替えても残せますか?
残せます。今回の事例も質感を残す仕上げです。標準的な厚みの下塗りを塗り、その上から仕上げ塗料をローラーで塗り重ねれば、粒の凹凸はそのまま残り、塗り替え前と同じ落ち着いたマットな外観になります。逆に、平らな肌に変えることも可能です。その場合は厚膜タイプの下塗りや微弾性フィラーを塗り重ねて凹凸を埋めていきます。仕上がりはのっぺりとした現代的な印象になり、汚れも付きにくくなりますが、材料と工程が増えるため費用は上がります。どちらが良いというものではないので、周辺の街並みや汚れの付きやすさをふまえてご提案しています。
Q. 築15年での塗り替えは早すぎませんか?もう少し待ったほうが得ではないですか?
待つほど得になる、ということは基本的にありません。外壁塗装の見積のうち、足場代・洗浄代・塗料代と塗装手間は、築年数ではほとんど変わりません。築年数によって増えるのは下地補修の費用だけで、しかもこれは傷みが進むほど加速度的に増えていきます。今回の事例は、チョーキングと汚れという表面の劣化だけで、壁の内部にまで水が回っていない段階でした。そのため下地補修が幕板と破風板の処理だけで済み、参考価格を99万円前後に抑えられています。モルタルやリシンの外壁は、チョーキングが出始めた築12年から15年頃が、費用対効果の最も高いタイミングだとお考えください。
Q. チョーキングが出ていたら、すぐに塗り替えないといけませんか?
今日明日どうこうという話ではありませんので、慌てていただく必要はありません。ただ、チョーキングは塗膜の防水機能が切れかけているサインなので、そのまま数年放置すると、壁が水を吸い込む状態に近づいていきます。とくにリシンは表面の凹凸に水分が留まりやすく、劣化が進むと表面がもろくなって、塗る前に脆くなった層を落とす手間が加わることがあります。まずは無料の現地調査で、いま急ぐべきか、もう少し待てるかを写真つきでお伝えします。「今すぐ塗ってください」ではなく、あと何年待てるかを正直にお答えするのが私たちのやり方です。
「壁を触ったら手が真っ白になった」と思われたら
この工事は、お客様が壁に触れて手についた白い粉に気づかれたところから始まりました。
きっかけとしては、それで十分だと思っています。リシンは、決して弱い仕上げではありません。落ち着いた見た目で、長く日本の戸建てを支えてきた仕上げです。それを短命にしてしまうのは、材料の欠点ではなく、塗り替えのタイミングを逃してしまうことのほうです。
指でなぞると粉が付く。家全体がなんとなくくすんで見える。雨のあと、一部だけ乾きが遅い。どれかひとつでも当てはまったら、それはお家からの合図です。そして、その合図が出ている今こそが、いちばん安く済むタイミングでもあります。
17日後、道路の向かいから見上げたご自宅に、あのざらざらした質感がそのまま残っている。
その日のために、まずは今の状態を知るところから始めませんか。東大阪市新庄はもちろん、東大阪市内であれば現地調査は無料で伺います。今すぐ塗るべきか、あと何年待てるのか。正直なところをお伝えします。
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