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大東市

大東市|築18年サイディングの外壁と屋根を塗装|25日間の全工程

BEFORE 施工前
工事前の外壁。ピンクベージュのサイディングで、塗膜の劣化が進んでいた状態
AFTER 施工後
塗装が完了した外観。2階を濃い茶系、1階を薄ベージュのツートンに仕上げた


工事前の外壁。ピンクベージュのサイディングで、塗膜の劣化が進んでいた状態
工事前の外壁。ピンクベージュのサイディングで、塗膜の劣化が進んでいた状態
古いシーリングを撤去した目地に、刷毛でプライマーを塗り込んでいるところ
古いシーリングを撤去した目地に、プライマーを塗り込みます
マスキングテープで養生した目地に新しいシーリング材を充填した直後
養生した目地に新しいシーリング材を充填したところ
ヘラで均してマスキングテープを剥がした、打ち替え直後のシーリング
ヘラで均し、テープを剥がして完成です
打ち替えたシーリングが硬化するのを待ってから次の工程へ進む
打ち替えたシーリングが硬化するのを待ってから、次の工程へ進みます
高圧洗浄前のスレート屋根。全体がくすみ、塗膜の劣化が進んでいた
洗浄前のスレート屋根。全体がくすんでいました
スレート屋根を高圧洗浄機で洗っているところ。上から下へ進める
屋根から先に、上から下へ洗い進めます
洗浄を終えた屋根。汚れと傷んだ旧塗膜が落ち、素地の色が見えてきた
洗浄後。汚れと劣化した旧塗膜が落ち、素地の色が見えてきました
外壁の高圧洗浄。屋根を終えてから上階、下階の順に洗い下ろす
屋根のあとは外壁を、上から下へ洗い下ろします
外壁の下塗り。無色のシーラーをローラーで塗り、塗料の密着を確保する
下塗りのシーラー。無色なので、塗っても色は変わりません
外壁の中塗り。ここで初めて仕上がりの色がのる
中塗り。ここで初めて仕上がりの色がのります
外壁の上塗り。中塗りと同じ塗料を重ね、塗膜の厚みを確保する
上塗り。中塗りと同じ塗料を重ね、必要な塗膜の厚みを確保します
屋根の下塗り。傷んだスレートに強化シーラーをたっぷり吸わせる
屋根の下塗り。傷んだスレートに強化シーラーを吸わせます
屋根の中塗り。ローラーで一枚ずつ塗り進めていく
屋根の中塗り。ローラーで一枚ずつ塗り進めます
塗り終えた屋根。足場が残る状態で仕上がりを確認する
塗り終えた屋根。経年で傷んだスレートが生まれ変わりました
幕板の塗装。外壁と屋根の合間に、細かな付帯部を塗り分けていく
幕板の塗装。1階と2階の境にある帯状の部材です
雨樋の塗装。細いローラーに持ち替え、狭い箇所を丁寧に塗る
雨樋の塗装。細いローラーで狭い箇所を塗り進めます
塗装が完了した外観。2階を濃い茶系、1階を薄ベージュのツートンに仕上げた
塗装が完了した外観。2階を濃い茶系、1階を薄ベージュのツートンに仕上げた

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「結局、何日かかるんですか」

大東市のお客様のお家で現地調査をさせていただいたとき、外壁の話でも屋根の話でもなく、いちばん最初に出てきたのがこの質問でした。築18年の窯業系サイディング。指で外壁をなぞると白い粉がつき、目地のシーリングは硬くなってひび割れていました。屋根のスレート瓦も、他社さんから「割れている」と指摘を受けていたそうです。工事が必要なことはご自身でも分かっておられました。それでも真っ先に知りたかったのは、金額でも塗料の名前でもなく、自分の家が何日間、足場と養生シートに囲まれるのかだったのです。

この記事は、その質問にまっすぐ答えるために書きました。この現場の実際の工期は25日間。その25日を日ごとにどう使ったのか、工事記録の写真とともに順番にたどります。塗っている日、乾かしている日、写真が一枚も残っていない日に何が起きているのか。住みながら工事を受ける側から見た25日間も書きます。

この工事は何日かかった?──大東市・築18年の実際

まず結論から、この現場の基本情報をまとめます。

施工エリア 大阪府大東市
建物 戸建て住宅/築18年/窯業系サイディング外壁・スレート屋根
施工内容 外壁塗装(3回塗り)/屋根塗装(3回塗り)/シーリング打ち替え/付帯部塗装
使用材料 外壁:KFケミカル KFシェアルドF(1液水性フッ素樹脂塗料)
屋根:日本ペイント ファインパーフェクトベスト(下塗りは強化シーラー)
施工期間 25日間
保証年数 外壁10年/屋根5年
参考価格 148万円前後(税込)

※参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ・下地の状態・仕様によって変わります。

一般的な工期の目安はどれくらい?

戸建ての外壁塗装は、一般に10日〜14日程度、外壁と屋根を同時に行う場合は2週間〜1か月程度と言われますが、建物の大きさ・下地の状態・天候によって大きく変わります。

「10日で終わります」という会社も「1か月みてください」という会社もありますが、どちらも嘘ではなく前提が違うだけです。30坪の総二階で外壁だけ、下地の傷みも少なく、天気に恵まれた春の工事なら10日前後で収まることもあります。逆に外壁と屋根の両方をやり、シーリングを全部打ち替え、冬場に工事をすれば、同じ規模でも倍近くかかることがあります。

工期の話で意味があるのは平均日数ではなく「その条件だと何日で、なぜそうなるのか」です。この現場は、日数がかかる側の条件がいくつも重なった工事でした。

なぜこの現場は25日間だったのか

この工事で日数を押し上げた要素は、はっきりしています。

  • 外壁と屋根を同時に施工した──塗る面積が単純に増えます。しかも屋根と外壁では下塗り材も違い、それぞれに3回塗りの工程が必要です。
  • シーリングを打ち替えた──既存のシーリングをカッターとペンチで撤去し、プライマーを塗り、新しく充填し直す工程が丸ごと入ります。撤去したシーリング材は、一般的な2階建てで土のう袋1袋分ほどの量になります。
  • 付帯部(幕板・雨樋・水切り)も塗装した──面積は小さいのですが、細いローラーで狭い箇所を塗り分けるため、見た目の面積の割に時間を食う工程です。
  • 2月から3月にかけての工事だった──冬場は気温が低く日照時間も短いため、塗料が乾くのに時間がかかります。同じ工程でも夏より待ち時間が長くなります。

ひとつひとつは特別なことではありません。ただ4つ重なると、外壁だけの標準的な工事に比べて工期は2倍近くになります。25日間は、この積み上げの結果です。

25日間、日ごとに何をしていた?

大東市の外壁屋根塗装25日間の実際の日程として、1月19日現調から2月27日完成までの作業日と乾燥待ちの日を示した図解
空いている日は、乾燥待ちや確認の時間です

この現場には工事記録の写真が日付つきで残っています。順番に並べると、25日間の中身が見えてきます。ただし以下の日付は「作業の記録写真が残っている日」であって、その日にしか何も起きていないという意味ではありません。工程の順番と間隔の実際として読んでいただければと思います。

まずは足場から──工事の始まりは「囲われる」ことです

塗装工事の初日は、塗料ではなく鉄パイプが運び込まれます。足場の組み立てです。一般的な戸建てなら半日から1日で組み上がりますが、パイプを組んでクランプで締めていくため金属音が響き、工事期間中でもっとも音が出る日のひとつになります。

足場が組み上がると、外側に飛散防止のメッシュシートを張ります。この現場の記録写真にも、屋根の向こうに白いシートが写っています。工事が終わるまでお家はこのシートに囲まれた状態になり、正直なところこの足場がある期間こそが体感としての工期です。塗る作業が終わっていても、足場が残る限り工事中に感じられます。

シーリングの打ち替え(記録:2月8日・2月10日)

2月8日のシーリング打ち替え、2月10日の硬化確認、2月12日の高圧洗浄までの流れを示した図解
乾く前に進めると、仕上がりと防水性に影響します

窯業系サイディングは板を張り合わせるので、継ぎ目に必ず目地ができます。そこを埋めるゴム状の材料がシーリングです。新築時は柔らかいのですが、18年たつと硬化してひび割れ、隙間ができます。お家を傷める最大の原因は外からの水と湿気の侵入なので、ここは塗装より先に直します。

古いシーリングを撤去した目地に、刷毛でプライマーを塗り込んでいるところ
古いシーリングを撤去した目地に、プライマーを塗り込みます

手順は、目地の両サイドにカッターで切り込みを入れ、ペンチで既存のシーリングを引き抜く。新しい材料が食いつくようプライマーを刷毛で塗り込む。ノンブリードタイプの変性シリコンを専用のガンで充填し、ヘラで空気が入らないよう均して、マスキングテープを剥がして仕上げる、という流れです。

マスキングテープで養生した目地に新しいシーリング材を充填した直後
養生した目地に新しいシーリング材を充填したところ
ヘラで均してマスキングテープを剥がした、打ち替え直後のシーリング
ヘラで均し、テープを剥がして完成です

なおサッシまわりだけは扱いが違います。撤去すると奥のバックアップ材というスポンジ状の部材まで一緒に取れ、かえって雨水が入りやすくなることがあるため、撤去せず上から重ねて補修しました。

そして工期の話として重要なのが、2月8日に打ち替えたあと、次の記録が2月10日だということです。この間の日は、充填したシーリングが硬化するのを待っています。

打ち替えたシーリングが硬化するのを待ってから次の工程へ進む
打ち替えたシーリングが硬化するのを待ってから、次の工程へ進みます

シーリングは表面が乾いても内部が固まるには時間がかかります。待たずに塗装すると塗膜がシーリングの動きについていけず、あとから割れや縮みの原因になります。待つこと自体が工程なのです。

高圧洗浄の日(記録:2月12日)──いちばん音が出る日

2月12日、高圧洗浄です。高圧洗浄機はエンジンを回して水圧をつくるため機械そのものが大きな音を立て、足場の組み立て・解体と並んで音が出る日になります。この現場では屋根と外壁の両方を洗ったため、丸一日かかっています。

高圧洗浄前のスレート屋根。全体がくすみ、塗膜の劣化が進んでいた
洗浄前のスレート屋根。全体がくすんでいました

洗う順番は上から下。屋根も塗るのでまず屋根からです。屋根から落ちた汚れが下の外壁に流れるため、逆をやると二度手間になります。

スレート屋根を高圧洗浄機で洗っているところ。上から下へ進める
屋根から先に、上から下へ洗い進めます
洗浄を終えた屋根。汚れと傷んだ旧塗膜が落ち、素地の色が見えてきた
洗浄後。汚れと劣化した旧塗膜が落ち、素地の色が見えてきました

屋根が終わったら外壁を、2階から1階へ洗い下ろします。下地に汚れやチョーキングの粉が残ったまま塗ると、どれだけ良い塗料でも密着が悪くなり本来の性能が出ません。地味ですが仕上がりと寿命を左右する工程です。

外壁の高圧洗浄。屋根を終えてから上階、下階の順に洗い下ろす
屋根のあとは外壁を、上から下へ洗い下ろします

そして洗浄をした日は、その日はもう塗装には進みません。屋根も外壁もびしょ濡れだからです。洗浄で1日、という言い方をするのはこのためです。

洗浄のあと、なぜ日が空いているのか

この現場の記録で、次に作業写真が出てくるのは2月15日です。つまり洗浄の翌日と翌々日には、塗装作業の記録がありません。

これは工事が止まっているのではなく、下地を乾かしている期間です。窯業系サイディングは素地が紙とセメントを混ぜたもので水を吸います。水分が残ったまま塗ると、あとから抜けようとする水分が塗膜を押し上げ、膨れや剥がれの原因になります。必要な乾燥時間は季節で変わり、真夏なら1日で十分なこともありますが、2月の大阪は気温が低く日照時間も短いため、同じ壁でも乾くのに時間がかかります。

お客様から見ると、この2日間は「職人さんが来ない日」に見えます。ですが工事としては、この2日間こそが次の工程の品質を決めています。

外壁の下塗りと中塗り(記録:2月15日)

乾燥を確認して塗装に入ります。外壁は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りです。

1回目の下塗りはシーラー。素地と上に乗る塗料を密着させる接着剤の役割です。非常に水っぽい材料で、ローラーに含ませすぎるとすぐ垂れるため、少量ずつ吸わせてこまめに補充しながら進めます。

外壁の下塗り。無色のシーラーをローラーで塗り、塗料の密着を確保する
下塗りのシーラー。無色なので、塗っても色は変わりません

シーラーは無色なので、塗っても壁の色は変わりません。下地が吸い込むことで元の外壁より少し艶が出る程度です。見た目がほとんど変わらないため、「今日は何をしていたんですか」と聞かれやすい工程でもあります。

そして同じ2月15日に、中塗りの記録も残っています。シーラーは比較的乾きが速いため、条件が良ければ同じ日のうちに中塗りまで進めることがあります。ここは「必ず日を分ける」ものではなく、材料ごとに決められた乾燥時間(塗り重ね乾燥時間)を守れているかどうかで判断します。

外壁の中塗り。ここで初めて仕上がりの色がのる
中塗り。ここで初めて仕上がりの色がのります

中塗りから主剤のKFケミカルのKFシェアルドFを使います。1液水性のフッ素樹脂塗料で、臭いが控えめなうえ高い耐候性が期待できます。ここで初めて色がのるので、お客様が変化を実感される日でもあります。

外壁の上塗り(記録:2月17日)

2月17日、3回目の上塗り。中塗りと同じ塗料・同じ色を重ねます。

外壁の上塗り。中塗りと同じ塗料を重ね、塗膜の厚みを確保する
上塗り。中塗りと同じ塗料を重ね、必要な塗膜の厚みを確保します

同じ色をもう一度塗る意味が分かりにくいという声はよくいただきます。理由は塗膜の厚みです。塗料はメーカーが定めた膜厚があって初めてカタログどおりの耐候年数を発揮します。1回塗りでは薄すぎ、色は付いても性能は出ません。同じ色を重ねるぶん塗り漏れが見つけにくく、慎重さが要る工程でもあります。

ここで注目していただきたいのが日付です。2月15日に中塗り、2月17日に上塗り。間に1日空いています。これも乾燥時間で、中塗りが乾く前に上塗りをすると下の層がまだ動くため、縮みや艶ムラの原因になります。

屋根はいつ塗っていた?(記録:2月15日・22日・27日)

外壁と屋根を同じ日に詰めず、外壁は2月15日下塗り中塗り、2月17日上塗り、屋根は2月15日下塗り、2月22日中塗り、2月27日仕上げで進めた図解
同じ日に詰めず、乾き具合を見ながら工程を進めます

この現場の工期を理解するうえで、いちばん分かりやすいのが屋根です。屋根も3回塗りですが、材料は日本ペイントのファインパーフェクトベストで、下塗りには専用の強化シーラーを使います。スレートは劣化すると素地がスカスカになって塗料をよく吸うため、下塗りをたっぷり吸わせて素地を固めてから仕上げます。

屋根の下塗り。傷んだスレートに強化シーラーをたっぷり吸わせる
屋根の下塗り。傷んだスレートに強化シーラーを吸わせます

記録では、屋根の下塗りは外壁と同じ2月15日、中塗りが2月22日、上塗りが2月27日。下塗りから仕上げまで12日間かかっています。

屋根の中塗り。ローラーで一枚ずつ塗り進めていく
屋根の中塗り。ローラーで一枚ずつ塗り進めます

なぜこんなに間隔が空くのか。理由は主にふたつです。

ひとつは、屋根が外壁より天候の影響を受けやすいこと。足場から出て屋根の上に立つ作業になるため、風が強い日や屋根面が濡れている日は安全面からも作業できません。

もうひとつは外壁と屋根を並行して進めているからです。屋根の下塗りが乾く間に外壁の上塗りへ行き、外壁の乾燥待ちに屋根の中塗りへ戻る。待ち時間を互いに埋め合わせることで、全体の日数を圧縮しています。

塗り終えた屋根。足場が残る状態で仕上がりを確認する
塗り終えた屋根。経年で傷んだスレートが生まれ変わりました

付帯部の塗装(記録:2月20日・21日・26日)

外壁と屋根の合間に進めていたのが付帯部です。外壁と屋根以外で塗装できる箇所の総称で、この現場では幕板・雨樋・水切りが対象でした。

幕板の塗装。外壁と屋根の合間に、細かな付帯部を塗り分けていく
幕板の塗装。1階と2階の境にある帯状の部材です

面積が小さいので早く終わりそうに思われますが、実際は逆です。広い面を大きなローラーで一気に塗るのと違い、付帯部は細いローラーや刷毛に持ち替え、狭い箇所を一つずつ塗り分けます。外壁に塗料が付かないよう養生も必要で、面積の割に時間がかかる工程です。

雨樋の塗装。細いローラーに持ち替え、狭い箇所を丁寧に塗る
雨樋の塗装。細いローラーで狭い箇所を塗り進めます

付帯部は基本的に2回塗りです。記録では2月20日に幕板、21日に雨樋と水切り、22日に水切りの続き、26日に幕板の仕上げと数日に分かれていますが、これは外壁と屋根の乾燥待ちの合間を使って進めていたためです。

最後の数日──タッチアップ・清掃・足場の解体

足場に乗って全体を見て回り、塗り残しや小さなキズを手直しします(タッチアップ)。養生をすべて撤去して清掃し、お客様に仕上がりをご確認いただきます。手直しが出れば、その分の日数が乗ります。最後に足場の解体。これも半日から1日かかります。足場が外れ、養生シートが取り払われて、初めて新しい外観の全体像が見えます。

「工事が進んでいない日」は何が起きている?

ここまで日付を追ってお気づきのとおり、25日間のうち実際に塗っている日は毎日ではありません。職人が来ない日、あるいは来ても短時間で帰る日には、だいたい次のどれかが起きています。

  • 乾燥を待っている──もっとも多い理由です。塗料には「塗り重ね乾燥時間」がメーカーごとに定められていて、これを守らないと性能が出ません。冬場は特に長くなります。
  • 天候待ち──雨、雨上がりで下地が濡れている、強風、気温が低すぎる。いずれも作業を止める理由になります。
  • 次の工程の段取り──材料の搬入、養生のやり直し、屋根に上がる足場の調整など、写真映えしない準備作業。
  • 他の工程との入れ替え──外壁の乾燥中に屋根へ、屋根の乾燥中に付帯部へ。前述のとおり、この現場でもこの組み替えを行っています。

静かな日が続くと「本当に進んでいるのか」と不安になられるのは当然です。気になったらその場で聞いてください。今日は何を待っている日か、次はいつどの工程に入るか、現場の職人はすべて答えられます。

工期が延びるのはどんなとき?

外壁塗装の工期が延びる主な条件として、雨や湿度や気温、下地補修、近隣調整、材料の納期を示した図解
早く終わることより、必要な待ち時間を取ることが大切です

正直に書きます。外壁塗装の工期は、当初の予定どおりに終わらないことがあります。天候にかかわらず日数を確約するかのような説明を受けたときは、その根拠を確かめたほうがいいと思います。天候だけは誰にもコントロールできないからです。

雨・湿度・気温

いちばん多い理由が天候です。雨の日は塗料が薄まって性能が落ち、雨だれの跡も残るため塗装できません。そして雨が上がった当日も、たいていは塗れません。表面が乾いていても内部に水分が残っているためで、翌日以降に持ち越すことが多くなります。

湿度も効いてきます。一般に湿度85%以上では塗装を避けるのが基本で、気温も多くの塗料は5℃を下回ると本来の硬化が進まなくなります。この現場は2月から3月の工事でしたので、朝の冷え込みや日照の短さは日々の判断に影響しました。梅雨時期や真冬は、この理由で工期が延びやすい季節です。

下地の補修が増えたとき

足場を組んで近くで見て、はじめて分かることがあります。地上から見上げていたときには気づかなかったサイディングの反りや、モルタルのひび割れ、鉄部のサビ、木部の傷み。これらは補修してから塗らないと、上から塗っても意味がありません。

この現場でも、外壁が湿気を吸って変形しかけている箇所がありました。塗膜の防水性が切れると、雨の日に湿気を吸い晴れた日に乾くサイクルを繰り返し、板が反り、さらに進むと割れます。素地が割れると塗装では対応できず、サイディングごとの張り替えになり、費用は塗装工事の4〜5倍程度にのぼります。反りが軽いうちに手を打つ意味はここにあります。

補修が増えれば、その作業日数と乾燥時間が工期に足されます。足場を組んだ時点で改めて全体を確認し、追加が必要になった場合は必ずその場でご説明し、ご了解をいただいてから進めます。

近隣調整と材料の納期

見落とされがちですが、この2つも工期に効きます。

住宅が近接している地域では、足場を組む位置や高圧洗浄の時間帯について隣家の方と事前の相談が必要になり、まとまるまで着工を待つこともあります。材料の納期も同じで、特注色や在庫の少ない塗料を選ばれた場合は入荷を待つ日が発生します。色の最終決定が遅れれば、そのまま着工も後ろにずれます。色決めは工期に直結します。

住みながらの25日間はどうだった?

窓は開けられる?

開けられないのは高圧洗浄の日その窓のある面を塗っている日です。洗浄の日は水が入り、塗装中は窓まわりを養生ビニールで塞ぐため物理的に開きません。外壁と屋根を同時に行う工事では、養生されている期間が外壁だけより長くなります。

ただし家中の窓が同時に塞がるわけではありません。塗る面は日ごとに移動するので、「今日は南面なので南側は開けられませんが、北側は大丈夫」というのが実際です。翌日どの面をやるかは前日にお伝えしています。

洗濯物はどうする?

外干しができない日は出てきます。高圧洗浄の日は確実にできませんし、塗装中も細かい塗料の粒が飛ぶ可能性があるので避けていただきます。

25日間ずっと室内干しではありませんが、外壁と屋根を同時に施工する場合、外干しを控えていただく日はまとまって発生します。この期間だけ浴室乾燥やコインランドリーを併用される方は多いです。干せない日がいつ頃かは事前の打ち合わせでお伝えします。

車は出せる?

この現場にはカーポートがありました。駐車スペースが足場の内側に入る場合、足場を組む日と解体する日は車を出せないことがあります。工事車両が一時的に停まる時間帯もあります。

多いのは、工事期間中だけ車を敷地外に置いていただくか、カーポート上の作業がある日だけ移動していただくかのどちらかです。着工前に必ず確認させていただく項目で、動かせない車には塗料が飛ばないよう養生シートを掛けます。

ずっと在宅している必要はある?

ありません。日中お留守でも工事は進みます。ただし在宅していただけると助かる日はあります。着工の挨拶をする日、足場の組み立て・解体の日、完了確認の日です。それ以外はお任せいただいて問題ありません。外部の水道と電気をお借りすることがあるので、その点は事前にご了解をいただきます。

25日と聞くと「1か月近く家にいなければならないのか」と身構えられる方がいますが、そういう工事ではありません。ふだんどおり出勤して帰宅する日々のなかに、干せない日と窓を閉めておく日がところどころ入る、という感覚に近いです。

「早く終わる」は本当に良いこと?

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

相見積もりを取ると、同じような内容なのに「10日で終わります」という会社と「3週間から1か月みてください」という会社が並ぶことがあります。早く終わるほうがありがたい、生活への影響も短い。そう考えるのは自然です。

ただ、塗装工事において工期が短いことそのものは品質の証明になりません。日数を削れる場所は限られており、主に次の3つです。

  • 乾燥時間──下塗りが乾く前に中塗りを、中塗りが乾く前に上塗りを乗せれば、日数は縮みます。しかし塗膜が正しく形成されず、数年で剥がれや膨れが出ます。
  • 塗り回数──3回塗りを2回で済ませれば、その分早く終わります。色は付きますが、必要な膜厚が出ないので耐候年数が短くなります。
  • 下地処理──洗浄を短く切り上げる、シーリングを打ち替えずに上から重ねるだけにする、ケレンを省く。いずれも初期の見た目には出ませんが、密着不良として数年後に必ず出ます。

今回でいえば、洗浄後の2日、中塗りと上塗りの間の1日、シーリングの硬化を待った期間。これらを全部詰めれば数日は短くできたはずですが、10年保証をお出しする工事でその数日を取りに行く理由はありません。

もちろん無駄に長いのも問題です。段取りが悪く職人が来ない日が続く、掛け持ちで放置される、というのは工期ではなく単なる遅延です。見分け方は「なぜその日数なのか」を工程表で説明できるかどうか。日数だけを比べず、その中身を聞いてみてください。

屋根も一緒に塗ると、工期はどうなる?

この工事は、もともと屋根の瓦割れの指摘がきっかけでした。現地調査の結果、外壁も塗り替え時期を迎えていたため、足場を組むタイミングを合わせて同時に施工することになりました。工期の観点から、同時施工がどうなるかを正直にお伝えします。

外壁だけの工事より日数は確実に増えます。塗る面積が増え、屋根用の3工程が加わるからです。この現場でも屋根の下塗りから上塗り完了まで12日間かかっています。

一方で、別々の工事として2回に分けた場合の合計日数よりは短くなります。足場の組み立てと解体が1回で済むこと、そして何より片方の乾燥待ちにもう片方を進められることが効きます。この現場でも外壁の上塗りが2月17日、屋根の中塗りが2月22日というように、互いの待ち時間を埋め合う形で組まれていました。

つまり同時施工は「工期が短くなる」のではなく「1回あたりの工期は長くなるが、トータルでは効率が良い」というのが正確なところです。1回の工事が長くなることを受け入れられるかどうかが、判断の分かれ目になります。

大東市という土地と、2月〜3月という時期

大東市は大阪府の東部にあり、東側は生駒山地を境に奈良県と接しています。市街地には戸建て住宅が広く分布し、この現場のような築15年から25年ほどの窯業系サイディングのお家は、そろそろ最初の塗り替えを迎える時期です。今回の工事は2月から3月にかけて行いましたが、工期の観点でいうとこの時期には両面があります。

良い面は、梅雨や台風の時期に比べてまとまった雨で何日も止まるリスクが小さいこと。悪い面は気温が低く日照時間が短いため、同じ工程でも乾燥に時間がかかることです。朝いちばんの作業開始を遅らせる日も出てきます。

25日間という日数は、この季節性も含んだ結果です。同じ建物・同じ仕様でも、春や秋なら乾燥待ちが縮んでもう少し短くなった可能性はあります。ただ、そのために先延ばしにしてサイディングの反りが進むほうが損だという判断もあり、お家の状態と時期を天秤にかけて決めるものです。

使った材料と保証

外壁は、KFケミカルのKFシェアルドF。1液水性のフッ素樹脂塗料です。塗料のグレードは複数ご提案し、そのなかからフッ素樹脂を選ばれました。水性なので工事中の臭いが控えめで、住みながらの工事とは相性の良い塗料です。仕上がりは2階を濃い茶系、1階を薄ベージュのツートンにしています。

屋根は日本ペイントのファインパーフェクトベスト、下塗りは同シリーズの強化シーラー。シーリングはノンブリードタイプの変性シリコンで、目地は打ち替え、サッシまわりは前述の理由から増し打ちとしています。

保証は外壁10年、屋根5年です。屋根の保証年数が短いのは、真上から紫外線と雨を受け続け、夏場の表面温度も外壁の比ではないため。同じ塗料を使っても屋根のほうが早く傷みます。

参考価格

工事内容 外壁塗装(フッ素・3回塗り)/屋根塗装(3回塗り)/シーリング打ち替え・増し打ち/付帯部塗装/足場
参考価格 148万円前後(税込)
施工期間 25日間

※参考価格は、同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。建物の大きさ、下地の傷み具合、選ばれる塗料のグレード、足場の架けやすさによって金額は変わります。正確な費用は現地調査後のお見積りでご提示します。

よくあるご質問

工事の途中で雨が降ったら、その日はどうなりますか?

作業内容によります。塗装の日は中止し、翌日以降に振り替えます。塗料は雨で薄まると性能が落ち、乾く前に打たれると流れた跡が残るためです。一方、足場の組み立て・解体や養生、材料の搬入は小雨程度なら進めることがあります。雨で1日止まると、その日数がそのまま工期に乗ると考えていただくのが安全です。

工程表はもらえますか?予定どおりに進みますか?

着工前にお渡しします。ただしその日程がそのまま確定するものではなく、天候によって前後することを前提に組んでいます。私たちは工程がずれた時点で、その理由と新しい見込みをお伝えします。日程が変わること自体は問題ではなく、変わったときに説明があるかどうかが判断材料です。

足場は工事の全期間ずっと組んだままですか?

はい、着工から完了検査までは組んだままです。塗装工程が終わってもタッチアップや最終確認に足場が必要だからです。設置と解体はそれぞれ半日から1日かかり、途中で外して再度組むと費用も日数も余分にかかります。そのため「足場のある日数」は「塗っている日数」より長くなります。

近所への挨拶はいつ、誰がするのですか?

着工前に、私たちのほうから両隣と向かい、裏のお宅へご挨拶に伺います。工事期間、高圧洗浄で音と水しぶきが出る日、足場の組み立て・解体の日程をお伝えし、洗濯物や車についてご相談します。この事前調整で着工日が動くこともあり、これも工期に影響する要素のひとつです。

工事が予定より延びた場合、追加費用はかかりますか?

天候による順延では追加費用はいただきません。足場の設置期間が延びても同様です。発生し得るのは、足場を組んで近くで確認した結果、当初の見積もりにない下地補修が必要になった場合です。その場合は作業前に、状態の写真とともに内容・金額・追加でかかる日数をご説明し、ご了解をいただいてから着手します。

おわりに

「結局、何日かかるんですか」

最初にいただいたこの質問に、いまなら記録を添えてお答えできます。この現場は25日間。そのうち実際に塗っていた日は毎日ではありません。洗浄のあとに2日、中塗りと上塗りの間に1日、シーリングの硬化を待つ日。写真が残っていない静かな日々は、手を抜いていた日ではなく塗料が決められた時間をかけて乾いていた日です。

現場で感じるのは、工期の不安の正体は日数の長さではなくその日々に何が起きているか分からないことだ、ということです。今日はどの面を塗るのか、明日はなぜ来ないのか。それが分かっていれば、25日は待てる長さになります。工期に関して私たちができるのは、日数を短く見せることではなく、その中身を全部お見せしておくことだと考えています。

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、大東市を含む近隣エリアで施工しています。工期がどれくらいかかるのか、住みながらで大丈夫なのか。その不安の段階でご相談いただいて構いません。お家の写真を送っていただければ、状態の診断とあわせて、その建物ならおおよそ何日で、どの工程にどれだけかかりそうかを根拠とともにお伝えします。

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