大阪市平野区加美南|築50年モルタル外壁の深いひび割れを補修して再生|塗装で直せる家・直せない家の境界線


「この家、もう塗っても無駄でしょうか」
大阪市平野区加美南のお客様から、そんな言葉で始まるご相談をいただきました。築50年、一度も外壁に手を入れたことがない日本家屋。ご本人いわく「ひび割れが結構入ってるんやけど、今からでも直せますか」。しかも、この先お子様が家を継いで住まれるかどうかも決まっていない。だからこそ、大きなお金をかける決心がつかないまま何年も過ごしてこられました。
背中を押したのは、ここ数年の大雨です。壁の内側にうっすら雨染みが出ていることに気づいてしまった。そこでようやく「一度、見てもらおう」となったわけです。
この記事は、その一軒の記録です。ただの工事レポートではなく、築50年という年数を過ぎた家を、塗装で再生できるのか・できないのかという判断の境界線を、実際の現場写真とともに書いています。同じように「うちはもう手遅れかもしれない」と迷っておられる方の材料になれば幸いです。
工事データ
| 施工エリア | 大阪府大阪市平野区加美南 |
|---|---|
| 築年数 | 築50年(外壁は新築時のまま) |
| 建物 | 木造日本家屋・建坪40坪・増築あり |
| 外壁材 | モルタル(かきおとし仕上げ) |
| 施工内容 | 外壁塗装(4回塗り)/Uカット左官補修/欠損補修/鉄部・雨樋・木製雨戸塗装 |
| 使用塗料 | KFシェアルドSi(1液水性アクリルシリコン)/水性シリコン浸透シーラー/微弾性フィラー/ファインパーフェクトトップ(付帯部)/キシラデコール(木部) |
| 工期 | 18日間 |
| 保証 | 5年 |
| 参考価格 | 170万円前後(税込) 同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。下地補修の量・足場面積により変動します。 |
築50年の家は、塗装で直せるのでしょうか?

結論から書きます。築50年でも塗装で再生できる家はあります。ただし「全部が全部そうではない」というのが正直なところです。
私たちみのりペイントが築古住宅のご相談を受けたとき、最初に見ているのは築年数ではありません。見ているのは次の3点です。
- 下地(モルタルそのもの)が生きているか——叩いたときに詰まった音がするか、それとも浮いて空洞音がするか
- 雨水がどこまで入っているか——内部の木部・断熱材まで達しているか、壁の表層で止まっているか
- 建物の動きが止まっているか——沈下や構造的な歪みが進行中でないか
この3つがクリアできていれば、築50年でも塗装+下地補修という選択肢は十分に現実的です。逆にここが崩れていると、いくら良い塗料を塗っても数年で同じところが割れます。
今回のお宅は、3年前に鉄製階段と波板の交換で一度お伺いしていた建物でした。そのときの記憶と、今回あらためて行った調査を突き合わせた結果、「下地は生きている。塗装で再生できる」と判断しました。
築20年の家と、築50年の家は何が違う?
外壁塗装の記事の多くは「築10年で1回目、その後10〜15年ごと」という前提で書かれています。しかし築50年で初回塗装という家は、前提そのものが違います。
違い1|守るべき塗膜がすでに残っていない
築10〜20年の家なら、塗り替えは「まだ機能している塗膜の上に、新しい塗膜を重ねる」作業です。ところが築50年・未塗装の家では、新築時の塗膜はとっくに寿命を超えています。今回のお宅も、西面は表面を手でこするとポロポロと粉状に取れる状態でした。
これは単なる色あせではなく、塗膜の樹脂が紫外線で分解し尽くして、粉になって崩れている状態です。ここに普通どおり塗料を乗せると、下の脆い層ごと剥がれます。築50年の外壁塗装で最初にやるべきことは「塗ること」ではなく「脆くなった層を固めること」です。
違い2|ひび割れが表面ではなく内部で枝分かれしている
モルタル外壁のひび割れは、時間が経つほど「深く」「複雑に」なります。理由は水の出入りです。
- 細いひびから水が入る
- モルタルが水を吸って膨張する
- 乾燥して収縮する。冬なら吸った水が凍って押し広げる
- ひびがさらに広く・深くなる
- もっと水が入る(1に戻る)
このループが50年続いたひび割れは、表から見える一本の線の下で、内部が根のように枝分かれしています。だから表面をシーリング材でなぞるだけの補修では、数か月で同じ場所に割れが再発します。


違い3|下地補修の量が読めない
築20年の塗り替えなら、下地補修は工事全体の1〜2割程度の手間です。築50年になると、これが逆転することがあります。今回の工期18日間のうち、半分以上は塗る前の補修に費やしています。この読みにくさが、後述する「費用が読みにくい理由」に直結します。
塗装で直せないのは、どんな状態ですか?

ここは、正直に書かなければいけない部分です。「どんな家でも塗装で直ります」と言う業者がいたら、それは営業トークです。私たちは次のような状態のとき、塗装だけでの解決をおすすめしません。
ケース1|モルタルが下地から浮いている(大面積)
モルタル外壁は、木ずりやラス網といった下地の上に塗り付けられています。この付着が広い範囲で切れて浮いていると、上から何を塗っても数年で層ごと落ちます。打診で叩いたときに、広い範囲で軽い空洞音が返ってくる場合は要注意です。部分的なら補修できますが、面のほとんどが浮いているならモルタルの打ち直しか、外壁材の張り替えを検討する領域です。
ケース2|鉄筋・ラスの錆による爆裂が広範囲にある
内部の金物が錆びて膨張し、外壁を内側から押し割ってしまう現象です。局所的なら錆を止めて補修材で復旧できますが、建物の複数面に広がっていると、原因(雨水の侵入経路)を断たない限り再発します。この場合は塗装より先に止水と構造側の処置が必要です。
ケース3|雨漏りの原因が外壁以外にある
室内に雨染みが出ていても、原因が屋根・板金・サッシまわり・ベランダ防水にあるケースは珍しくありません。外壁を塗ったところで雨は止まりません。塗装は防水工事ではない——ここを混同したまま契約すると、「塗ったのにまた漏った」という最悪の結末になります。今回のお宅も、雨染みの出所を先に特定してから工事内容を組み立てました。
ケース4|建物が今も動いている
不同沈下や構造的な歪みが進行中だと、補修しても同じ場所が割れ続けます。ドアや窓の建て付けが年々悪くなっている、床が明らかに傾いている——こうした症状があるときは、塗装より先に建物本体の診断が要ります。
私たちの立場:塗装で直せない家に塗装を売るのは、お客様にとっても私たちにとっても損です。現地を見て「これは塗装の範囲を超えています」と判断したら、そのままお伝えします。判断が難しいときは、写真を送っていただくだけでも一次的な見立てはできます。
現地調査|築50年のモルタル外壁に出ていたこと
かきおとし仕上げは、なぜひび割れが目立つ?
今回の外壁は「かきおとし」と呼ばれる仕上げです。モルタルの表面をあえて掻き落として、ざらついた質感を出す左官仕上げで、昭和の日本家屋にはよく使われました。味わいのある仕上げですが、表面に凹凸があるぶん水を保持しやすく、乾湿の繰り返しを受けやすいという性質があります。
加えて、かきおとしは表層が骨材で構成されているため、経年で表面がざらつき、粉化(チョーキング)が進むと手で触っただけで崩れてきます。今回の西面がまさにこの状態でした。

増築部分に割れが集中するのはなぜ?
この建物には増築部分がありました。外壁の色がくっきり分かれているので、見ればすぐに分かります。そしてひび割れは、この増築の取り合いに集中していました。
理由は単純で、既存部分と増築部分は建てられた時期も基礎も違うため、地震や日々の温度変化で「別々に動く」からです。動きの差が一番出る境界線に、力が集中して割れが入ります。築古の日本家屋、特に代を重ねて増改築されてきたお宅では、まずこの取り合いを確認します。


下地補修にどこまで手をかけるべき?

ここからが今回の工事の本体です。築50年の家では、この工程の質が仕上がりと寿命の9割を決めます。私たちはひび割れを大きさで分けて、それぞれ違う方法で処理しました。
大きなひび割れ|Uカット左官補修
幅も深さもあるひび割れには、サンダーという工具でひび割れの根元ごとU字型に削り取る方法をとります。これがUカットです。
「わざわざ壁を削るなんて」と驚かれる方もいます。でも先ほど書いたとおり、古いひび割れは内部で枝分かれしています。表面だけ埋めても、奥の割れは割れたまま残る。そこにまた水が入り、また広がる。周辺ごと削り取って、補修材を根元まで届かせる——遠回りに見えて、これが一番確実です。

削った溝には、まずシーリング材を充填します。ここで求められるのは強度ではなく柔軟性です。建物は季節ごとに伸び縮みしますから、その動きを吸収する層をひび割れの底に作っておく。これがないと、硬い材料だけで埋めた補修は同じ場所からまた割れます。

カチオン樹脂モルタルとは何ですか?
シーリングの上には、カチオン樹脂モルタルを充填して強度と硬さを戻します。これは下地補修専用に作られた、接着性に優れた材料です。
「カチオン」とは、プラスの電気を帯びた陽イオンのことです。既存のモルタル面はマイナス側に帯電しているため、そこにプラス側の材料を乗せると電気的に引き合う力が働きます。磁石がくっつくイメージを持っていただくと分かりやすいと思います。この性質のおかげで、古いモルタル面に対しても強く食いつく補修層ができます。


欠けて無くなった部分はどう戻す?
築50年ともなると、ひび割れだけでなくモルタルそのものが欠け落ちている箇所が出てきます。今回も数か所ありました。
手順は、まず欠損部をきれいに清掃して脆い部分を落とし、下地を整えます。次にプライマー(接着剤の役割)を塗り、エポキシ樹脂モルタルを充填してヘラで押さえながら成形します。エポキシ樹脂モルタルは垂れにくく厚付けしやすいため、こうした肉盛りが必要な補修に向いています。



難しいのは出隅、つまり建物の角です。角が欠けた部分は、平らな面と違って直角のラインを手で作り直さなければなりません。コテの当て方、押さえる力加減、材料の粘りを見る目——ここは職人の経験がそのまま出ます。まっすぐ通った角が復元できると、遠目に見たときの建物の印象が変わります。


細いひび割れは全部Uカットするのですか?
いいえ。ヘアークラックと呼ばれる髪の毛ほどの細いひび割れまでUカットしていたら、費用も工期も現実的でなくなります。それに、細いひびは削るほうがかえって壁を傷めます。
今回、微細なひび割れには微弾性フィラーという下地専用塗料を刷り込みました。伸縮性があってひび割れの動きに追従してくれる材料です。刷毛やローラーで擦り込むように塗り、割れを埋めていきます。
まとめると、判断はこうです。
- 微細なひび割れ → 微弾性フィラーを刷り込み
- 大きく深いひび割れ → Uカット+シーリング+カチオン樹脂モルタル
- 欠損・角の欠け → プライマー+エポキシ樹脂モルタルで成形
この「使い分け」ができるかどうかが、下地補修の見積書を読むときのひとつの目安になります。すべてを一律に扱っている業者は、どちらかに寄りすぎている可能性があります。

築古住宅には、どんな塗料を選ぶべき?

なぜ4回塗りにしたのですか?
外壁塗装は「3回塗り」が標準です。下地材1回+上塗り2回。ところが今回は4回塗りにしました。内訳は「下地材1回目+下地材2回目+上塗り1回目+上塗り2回目」です。
理由は、既存塗膜が脆くなりすぎていたからです。高圧洗浄で汚れと浮いた塗膜を落としたあと、まず浸透性シーラーを塗ります。文字どおり壁に染み込ませて、粉っぽくなった表層を内側から固める下地材です。これを塗らずに上塗りだけ厚くしても、下が崩れれば一緒に剥がれます。
その上に微弾性フィラーを全面に塗り、膜厚をつけて表面を平滑にします。パテで凹凸を埋めるイメージです。フィラーには伸縮性があるので、細かい割れの再発を抑える働きも兼ねます。ここまでで2回。上塗りが2回。合計4回です。


なぜ水性の下地材を選んだのですか?
浸透性シーラーには水性タイプと溶剤タイプがあり、私たちは現場ごとに使い分けています。今回は水性を選びました。
理由は近隣への配慮です。このお宅の隣にはアパートが建っており、住んでおられる方がいます。溶剤タイプは強いシンナー臭を伴うため、窓を開けて過ごす季節に隣で使うのは負担が大きい。お客様との打ち合わせのなかでその話になり、水性で進めることに決めました。使ったのは日本ペイントの水性シリコン浸透シーラーです。
平野区は住宅が密集していて、隣の建物との距離が近い町です。加美南のように工場・作業所と住宅が入り混じるエリアではなおさら、工事の影響は自分の敷地だけで収まりません。材料の選定に「近隣の暮らし」という条件が入るのは、この地域で工事をするうえでは当たり前のことだと思っています。
築50年の家に高耐久塗料を入れる意味はある?
よく聞かれる質問です。「あと何年住むか分からないのに、高い塗料を入れる意味があるのか」と。
私たちの考えを正直に書きます。築50年の家に、最上位グレード(フッ素・無機など)を入れる必然性は必ずしもありません。理由は3つあります。
- 塗膜の寿命より下地の寿命が先に来る可能性がある。20年もつ塗料を塗っても、その前に下地側の問題が出れば意味がありません。
- 費用の増分を下地補修に回したほうが効く。築古住宅では、塗料のグレードを1段上げる金額を補修に充てたほうが、結果的に長もちします。
- ご家族の計画と合わない場合がある。今回のお宅のように、この先どなたが住むか決まっていない場合、過剰な投資はかえってご負担になります。
そのうえで今回選んだのが、KFケミカルのKFシェアルドSiです。1液水性アクリルシリコン樹脂塗料で、耐候性と耐汚染性に優れています。アクリルシリコン樹脂に紫外線安定基をハイブリッドさせることで、2液弱溶剤並みの耐候性を実現しながら、水性ゆえに臭いが少ないという塗料です。
色は2色に塗り分けました。濃い側は通常のグレーより少し青みを足した特注色(日塗工75-40B)です。既存の落ち着いた外観を壊さず、それでいて「手を入れた家」に見える色味を狙いました。

付帯部|鉄部・雨樋・木製雨戸をどう扱ったか
築50年の日本家屋は、外壁以外に手をかける箇所が多いのも特徴です。今回は雨戸・庇・雨樋・木製雨戸と、それぞれ性質の違う部位がありました。
鉄部(雨戸・庇)は、錆を落として錆止めを入れたうえで塗装します。使用したのは日本ペイントのファインパーフェクトトップ。ラジカル制御型の塗料で、鉄部によく使われるウレタン系・シリコン系より色あせにくく、持ちがよい材料です。庇は面が小さいぶん塗りムラが出やすいので、ローラーで丁寧に押さえていきます。
雨樋は塩化ビニル樹脂製でした。もっとも普及しているタイプで、形も色も種類が豊富ですが、銅製やガルバリウム鋼板製・ステンレス製と比べると紫外線と雨風で劣化しやすい素材です。色あせが激しかったり、割れ・変形が出ていれば交換になります。今回は過去に一度交換されていて劣化が軽かったため、2回塗って表面を厚めにコーティングしました。塗り終えると艶が戻り、新品同様の見た目になります。
木製雨戸は今どき珍しい部位です。最近はスチール製がほとんどですから、築古の日本家屋ならではと言えます。雨に打たれても腐らないよう、木部専用の防腐剤入り塗料で2回塗装しました。使ったのはキシラデコール。表面に膜を張る造膜タイプではなく木材に浸透するタイプで、内部から防腐・防カビ・防虫の効果を出します。色は「ウォルナット」を選びました。木部の塗り替えでは、既存よりワントーン濃いめを選ぶときれいに仕上がります。
なぜ築50年の外壁塗装は費用が読みにくい?
「ネットで調べた相場と、実際の見積りが違った」——築古住宅でよくある話です。理由ははっきりしています。
理由1|下地補修の量が事前に確定しない
相場表に載っている金額は、たいてい下地が健全な前提の数字です。しかし築50年の家では、足場を組んで近づいてはじめて見える割れ・浮き・欠損があります。地上から見えていた割れが3か所でも、上に登ると20か所というのは普通に起こります。
理由2|塗る面積より「触る箇所」の数で手間が決まる
築古の日本家屋は、外壁のほかに木部・鉄部・樋・庇・戸袋と部位が多く、しかも部位ごとに材料も工程も違います。坪単価では計算できないのはこのためです。今回の18日間という工期も、面積というより「部位の多さ」から来ています。
理由3|補修跡をどこまで消すかで金額が変わる
これは特に正直にお伝えしたい点です。Uカット左官補修をすると、どうしても補修跡がうっすら残ります。塗装で色は揃いますが、光の角度によっては線が見えることがあります。
完全に分からなくするには、外壁全面を吹き付けで仕上げ直すか、左官工事でモルタル壁を作り直す必要があります。当然、費用は大きく上がります。現実的にそこまでされる方は多くありません。だから私たちは、契約前に「補修跡は残ります」とはっきりお伝えしています。
そしてもうひとつ。ひび割れが増えてから直すほど、補修跡も増えます。早めに手を打つほど、仕上がりはきれいで、費用も抑えられます。「まだ大丈夫だろう」と待った年数のぶんだけ、後の工事が重くなるのです。
施工前と施工後
ひび割れが走っていた壁面が、補修と塗装を経てどうなったか。同じ位置の写真を並べます。


18日間の工事で、雨染みの出ていた壁は乾き、粉を吹いていた西面はしっかりした塗膜に覆われました。50年ぶんの疲れが一度リセットされた状態です。
最後に、工事前に移動させていただいていたプランターや鉢植えを、元の位置に戻してお引き渡ししました。工事そのものとは関係のない小さなことですが、大変喜んでいただけました。築50年、ずっと暮らしてこられた家です。庭の鉢ひとつにも置き場所があるのだと、あらためて思いました。
平野区で築古住宅にお住まいの方へ
平野区は、大阪市のなかでも古い住宅が多く残る町です。加美・長吉・喜連といったエリアには、戦後から高度成長期にかけて建てられた日本家屋や長屋が今も現役で建っています。工場や作業所と住宅が隣り合い、道も狭く、建物同士の距離が近い。そういう町です。
だからこそ、「そろそろ何とかしないと」と思いながら手をつけられずにいるお宅が多いのも事実です。費用が読めない、どこに頼めばいいか分からない、そもそも直せるのか分からない——迷う理由はいくらでもあります。
ひとつだけ申し上げたいのは、「見てもらう」ことにはお金がかからないということです。診断の結果「まだ数年は待てます」となることもありますし、「これは塗装では厳しいです」となることもあります。どちらの答えでも、はっきりすれば次の判断ができます。
よくあるご質問
Q1. 築50年で一度も塗っていない家でも、外壁塗装はできますか?
できるケースは多いです。判断の分かれ目は築年数そのものではなく、モルタルが下地から浮いていないか、雨水が構造材まで達していないか、建物の動きが止まっているかの3点です。今回のお宅は50年間未塗装でしたが、下地が生きていたため、Uカット左官補修と4回塗りで再生できました。まず診断を受けてください。
Q2. ひび割れを補修すると、跡は残りますか?
正直に申し上げると、うっすら残ります。Uカット左官補修は割れの根元まで確実に直せる方法ですが、削って埋めた線が、光の角度によって見えることがあります。完全に消すには外壁全面の吹き付け直しや左官によるモルタルの作り直しが必要で、費用は大きく上がります。なお、ひび割れが少ないうちに直すほど補修跡も少なく済みます。
Q3. 築古の家に、フッ素や無機のような高耐久塗料を入れる意味はありますか?
必ずしも必要ではない、というのが私たちの考えです。塗膜が20年もっても、その前に下地側の寿命が来れば意味がありません。むしろグレードを上げる差額を下地補修に回したほうが、結果的に長もちすることが多いです。ご家族が今後その家をどう使う予定かも含めて、一緒に決めさせてください。
Q4. 部位が多いと工期はどのくらい延びますか?
今回は18日間かかりました。標準的な戸建ての外壁塗装が10〜14日程度であることを考えると長めです。理由は面積ではなく、下地補修の量と、鉄部・雨樋・木製雨戸など部位ごとに材料と工程が違ったためです。築古の日本家屋では、部位の数が工期を決めると考えてください。
Q5. 隣の家が近いのですが、臭いや音は大丈夫でしょうか?
材料と工程で調整できます。今回は隣のアパートの住人の方への配慮から、シンナー臭を伴う溶剤タイプではなく水性の下地材を選びました。サンダーを使うUカットは音が出る工程なので、あらかじめ近隣にお伝えしたうえで時間帯を選んで行います。密集地の多い平野区では、こうした段取りを工事前に組んでおくことがトラブル防止に直結します。
まとめ|「もう塗っても無駄でしょうか」への答え
冒頭のご相談に戻ります。
「この家、もう塗っても無駄でしょうか」——この問いに対する私たちの答えは、「無駄になる家と、ならない家があります。だから見せてください」です。
築50年という数字だけで諦める必要はありません。下地が生きていて、雨水が構造まで届いておらず、建物の動きが止まっていれば、深いひび割れが何本入っていようとUカット左官補修と適切な塗装で再生できます。今回のお宅がそうでした。
逆に、モルタルが広範囲に浮いていたり、雨漏りの原因が外壁になかったりすれば、塗装は解決になりません。そのときは正直にお伝えします。塗ってはいけない家に塗るのは、私たちの仕事ではないからです。
大阪市平野区加美南のこのお宅は、弊社から歩いて1分ほどの場所にありました。近所の家が50年ぶんの疲れを落として、また建っている。それを毎日通りがかりに見られるのは、この仕事をしていて素直に嬉しいことです。
同じようにモルタル壁のひび割れが気になっている方、築年数を理由に諦めかけている方。まずは写真1枚からで構いません。お家の状態を見せてください。
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