東大阪市加納|築13年 金属瓦棒屋根+外壁フッ素塗装|錆止めで決まる18日間


「屋根は、下から見えないんですけど……大丈夫なんでしょうか」
東大阪市加納。築13年の3階建てのお宅にうかがったとき、お客様が最初に口にされたのは外壁のことではなく、一度も見たことがないという屋根のことでした。道路からは軒先の一部しか見えず、しかも屋根の上には太陽光パネルが載っている。「パネルがあると、屋根って塗れないんですか」——それが二つめのご質問でした。
ドローンを上げて撮った写真をその場でお見せすると、画面をのぞき込んだお客様は「これ、瓦じゃないんですね」と驚かれました。そこにあったのは、縦に細い棒が等間隔で走る瓦棒(かわらぼう)屋根——金属屋根です。
18日後。足場が解けた朝、私たちはもう一度ドローンを上げ、同じ角度から屋根を撮ってお客様のスマートフォンにお送りしました。「見えないところが一番きれいになってるって、なんだか得した気分ですね」。そう返信をいただいたのを覚えています。
この記事は、その18日間の記録です。窯業系サイディングの外壁はフッ素で濃茶と黒のツートンに、瓦棒屋根は錆止めを下塗りに入れてから塗り重ねました。同等の内容を現在の価格でお見積りすると148万円前後になります。
金属屋根の塗装は、スレート屋根とは手順そのものが違います。何を見て、何を省かず、どこで判断したのか。下地処理から仕上げまでの全工程を21枚の写真で公開します。
工事データ
| 施工エリア | 大阪府東大阪市加納 |
|---|---|
| 築年数 | 13年 |
| 建物 | 3階建て戸建て/窯業系サイディング外壁+金属瓦棒屋根(太陽光パネル設置) |
| 施工内容 | 外壁塗装/屋根塗装(金属瓦棒屋根)/シーリング打ち替え/付帯部塗装 |
| 使用塗料 | 外壁:KFシェアルドF(KFケミカル/1液水性フッ素) 外壁下塗り:水性シリコン浸透シーラー(日本ペイント) 屋根:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント) 屋根下塗り:錆止め塗料 |
| 工期 | 18日間 |
| 保証 | 外壁10年/屋根5年 |
| 参考価格 | 148万円前後(同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です) |
※参考価格は、この工事と同じ内容・同じ規模の工事を、現在の材料費・人件費でお見積りした場合の目安金額です。実際のお見積りは建物の大きさ・足場の掛け方・下地の傷み具合によって変わります。
「屋根だけ、どうしたらいいか分からない」
ご相談をいただいたきっかけは、お隣の家に足場が架かったことでした。同じ時期に建った家が一斉に塗り替えの時期を迎える——東大阪市加納のような、平成の中頃にまとまって家が建った住宅地ではよくあることです。
ただ、お客様の悩みは外壁ではありませんでした。外壁は目で見て「そろそろかな」と判断できる。けれど屋根は、自分の家のものなのに一度も見たことがない。訪問してきた業者から「屋根が浮いてますよ」と言われたこともあったそうですが、確かめようがないので判断できずにいた、とおっしゃいました。
さらに、この家には太陽光パネルが載っています。「パネルを外さないと塗れないなら、費用がすごいことになるのでは」。その不安が、工事に踏み切れない一番の理由でした。
私たちがまずお伝えしたのは、「見てから決めましょう」ということだけです。屋根の状態を見ないまま塗る・塗らないの話をしても、それは見積書の押し売りにしかなりません。
現地調査で見つかった劣化

外壁はチョーキングが出ていました

窯業系サイディングは、セメントと繊維質を混ぜて成型した外壁材です。デザインの自由度が高く、いま新築で最も多く使われています。ただし素地そのものは湿気を吸う材料なので、工場出荷の時点で表面が塗装されています。守っているのは塗膜であって、板そのものではない——ここが大事な点です。
その塗膜が寿命を迎えると、表面が粉になって手に付きます。これがチョーキングです。難しい道具は要りません。晴れた日に、外壁を手のひらで軽くなでてみてください。色の粉が付いたら、防水性はもう切れかけています。
サッシ廻りからひび割れが伸びていました

チョーキングが出た外壁は、雨の日に湿気を吸い、晴れた日に乾く。これを何百回と繰り返すうちに、サイディングの板そのものがわずかに反ったり縮んだりします。その動きに耐えきれなくなった場所が割れる。特に力の集中するサッシの四隅は、ひび割れの出やすい場所です。
軽度であれば補修して塗装できますが、進行すると板ごとの張り替えになります。張り替えは塗装の何倍もの費用がかかりますから、「まだ軽いうちに」が結局いちばん安く済むのはこのためです。
シーリングは全体的に痩せていました

サイディングの板と板のあいだを埋めているゴム状の材料がシーリングです。ここが割れていると、雨は壁の中に入ります。外壁塗装で本当に守らなければいけないのは、外壁材そのものより、この継ぎ目です。
そして、ドローンで屋根を見ました

3階建てで、しかも太陽光パネルが載っている屋根は、梯子を掛けて上がるだけでも危険が伴います。私たちは初回の調査ではドローンを使い、撮った写真をその場でお客様にお見せするようにしています。

写真に写っていたのは、瓦でもスレートでもなく、金属の瓦棒屋根でした。太陽光パネルが屋根面の大部分を覆っていたため、塗装できる(=露出している)屋根の面積そのものは多くありませんでした。パネルの下の屋根材までは塗れませんから、その分は正直に見積りから外しています。
一方で、露出している部分——軒先まわり、パネルの脇、棟部——はまさに雨と紫外線を直接受け続けている場所です。面積は小さくても、傷みが始まるのはいつもここから。だから「少ないから今回はやめておきましょう」ではなく、「少ないからこそ、足場のあるうちに済ませましょう」とご提案しました。
金属屋根(瓦棒屋根)の塗装で知っておくべきこと
ここからが、この記事の本題です。外壁塗装の情報はインターネット上にたくさんありますが、金属屋根の塗装は、スレート屋根の常識をそのまま当てはめると間違えます。実際に施工した私たちの立場から、順を追って説明します。
瓦棒屋根とは?金属屋根の見分け方

瓦棒屋根は、金属の板を屋根の傾斜方向(縦方向)に張り、その継ぎ目を一定間隔で立ち上げて処理した屋根です。真下から見上げたときに、縦のスジが等間隔で何本も走っていたら、まず瓦棒屋根です。瓦のような凹凸のパターンや、スレートのような横一列の段差はありません。
昔ながらの瓦棒屋根は、立ち上がりの中に「心木(しんぎ)」という木の芯を入れ、その両脇から金属板をかぶせて留めていました。近年は心木を使わない「立平(たてひら)」「立平葺き」と呼ばれる形式が主流で、金属板同士を機械で締めて(ハゼで)留めます。心木があるタイプは、雨水が長く滞留すると内部の木が腐り、釘の効きが弱くなるという弱点があります。このため瓦棒屋根では、屋根面そのものより棟や軒先の納まりを先に確認するのが定石です。
ちなみに、瓦棒屋根が選ばれる一番の理由は勾配が緩くても葺けることです。継ぎ目が縦方向に通っているため、水が横に逃げず、そのまま軒先まで流れます。3階建てや、屋上・バルコニーと屋根が同居するような住宅で瓦棒屋根がよく使われるのは、この特性のためです。今回のお宅も、まさにそのかたちでした。
金属屋根の塗装にタスペーサーは必要?
結論から言うと、瓦棒屋根をはじめとする金属屋根に、タスペーサーは必要ありません。
タスペーサーというのは、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)を塗るときに瓦と瓦の重なりへ差し込む、小さな部品です。スレートは薄い板を何十枚も横向きに重ねて葺いてあり、その重なりのわずかな隙間から、内部に入った水が抜けていく構造になっています。塗料はこの隙間を簡単に塞いでしまうため、塗ったあとに隙間を作り直す作業(縁切り)が必須で、その道具がタスペーサーです。
では瓦棒屋根はどうか。金属板は縦方向に一枚で通っていて、途中に「水が抜けるための重なり」がありません。塞がる隙間がそもそも存在しないのですから、縁切りという工程自体が発生しないのです。
逆に言えば、金属屋根の見積書に「タスペーサー」という項目が入っていたら、それは何を指しているのか確認したほうがよいということでもあります。屋根材の種類を取り違えたまま見積りが作られている可能性があります。
金属屋根で本当に手を抜いてはいけない工程は、タスペーサーではなく、次に説明するケレンと錆止めです。
錆が出た金属屋根は塗装できる?


金属屋根の塗装は、錆をどう処理したかで寿命が決まります。上塗り塗料が何であるかより、この一点のほうが効きます。
錆というのは、表面の汚れではなく、鉄が酸素と水に反応して変質した状態です。つまり錆びた部分は、もう元の金属ではありません。そこに塗料をかぶせても、錆は塗膜の下で静かに広がり続けます。数年後、塗膜が内側から押し上げられて膨れ、めくるとその下が真っ茶色になっている——私たちが他社施工のお宅で何度も見てきた光景です。
だから金属屋根では、塗る前にケレンを行います。ワイヤーブラシや研磨用のディスク、サンドペーパーで浮いた錆と旧塗膜を、健全な金属面が出るまで削り落とす作業です。地味で、時間がかかり、写真映えもしない工程ですが、ここを省くと後が続きません。
そのうえで錆止め塗料を下塗りに入れます。スレート屋根なら下塗りはシーラー(透明の接着剤のような材料)ですが、金属屋根ではここが錆止めに置き換わります。今回もその手順で、白い錆止めを全面に入れました。
錆止めの色にはグレー・白・赤さび色などがあり、上に乗せる仕上げ塗料の色に合わせて選びます。今回の屋根の仕上げは淡いグレーだったため、下塗りには白を選びました。濃い色の錆止めを使うと仕上げの発色が沈み、色を出そうとして上塗りを厚塗りすることになるからです。
逆に、塗装では対応できない状態もあります。
- 穴が開いている(貫通錆)——錆が板を突き抜けている状態です。塗料は穴を塞ぐ材料ではありませんから、部分交換かカバー工法・葺き替えの判断になります。
- 踏むとへこむ、たわむ——下地の野地板や心木まで水が回っている可能性があります。表面だけ塗っても、内側の腐りは止まりません。
- ハゼや棟板金が浮いている——先に板金の固定をやり直します。浮いたまま塗ると、次の強風で塗ったばかりの部分が飛びます。
このうち、穴あきが屋根の広範囲に及んでいる場合は、既存屋根の上に新しい金属屋根をかぶせるカバー工法、あるいは既存を撤去する葺き替えが選択肢になります。私たちが塗装をおすすめしないケースは確かに存在しますし、そのときは正直にそうお伝えします。今回の屋根は、点錆はあったものの貫通しておらず、板金の固定も生きていました。だから塗装で十分だと判断しました。
金属屋根は夏に高温になる|遮熱をどう考えるか
金属は熱を非常によく伝えます。夏の日中、瓦棒屋根の表面温度は60〜70℃を超えることも珍しくありません。瓦のような厚みも、空気の層もないため、その熱が短時間で屋根裏へ、そして最上階の部屋へ届きます。3階建てで「最上階だけ異常に暑い」というご相談が多いのは、これが一因です。
対策として、太陽光の熱線を反射する遮熱塗料という選択肢があります。同じ黒でも、熱をため込みにくい配合になっているものです。ただし、正直に申し上げると遮熱塗料は万能ではありません。
- 効果は色に大きく左右されます。淡い色ほど有利で、濃い色ほど差は縮まります。
- 屋根裏に断熱材がしっかり入っている家では、体感差は小さくなります。
- 汚れが付くと反射性能は落ちていきます。塗った直後が最も効きます。
今回のお宅は屋根面の多くが太陽光パネルに覆われていました。パネル自体が日射を受け止めているため、露出部だけを遮熱にしても体感に届く差は出にくいと考え、耐候性を重視してファインパーフェクトベストで仕上げています。遮熱にすれば必ず良い、ではなく、その家の条件で決めるべきものです。
金属屋根は何年ごとに塗り替える?
目安としては10〜15年ですが、金属屋根の場合は年数より錆が出ているかどうかで判断してください。築8年でも軒先に赤い点々が出ていれば、そこが起点になります。逆に築15年でも錆が皆無なら、あと数年は待てます。
チェックしていただきたいのは次の3か所です。
- 軒先(屋根のいちばん下の端)——水が最後に集まり、切断面が露出している場所です。錆はほぼここから始まります。
- 棟(屋根のてっぺんの板金)——留めているビスの頭から錆が出て、その周りに広がっていきます。
- 物が触れる場所——アンテナの支線、太陽光パネルの架台まわり、エアコンの配管が乗っている箇所。塗膜が擦れて傷つき、そこから錆びます。
今回のお宅は築13年。錆が広がる前の、ちょうどよいタイミングでした。金属屋根は「錆びてから直す」より「錆びる前に塗る」ほうが、工事の規模も費用も一段小さくて済みます。
施工の全工程

1. シーリングの打ち替え
足場を組んだあと、最初に取りかかったのはシーリングです。塗装より先に行うのは、新しいシーリングの上から塗料をかぶせることで、紫外線からシーリング自体を守れるためです。

古いシーリングの両脇にカッターで切れ込みを入れ、ペンチで引き抜いていきます。写真で青く見えているのがバックアップ材で、ここまで露出していれば古い材料を取り切れた証拠です。劣化したシーリングの上から新しい材料をかぶせる「打ち増し」では、結局は古い層ごと剥がれてしまいます。縦目地は撤去が必須です。

撤去した目地にマスキングテープを貼り、密着を高めるプライマーを塗ってから、新しいシーリング材を充填します。

ヘラで中の空気を押し出しながら成形し、乾く前にマスキングテープを剥がします。縦目地に加えて、サッシ廻り、軒と外壁の取り合いも同様に処理しました。
2. 高圧洗浄(屋根から先に)

洗浄は必ず屋根から先に行います。上から下へ汚水が流れるので、外壁を先に洗っても意味がないからです。

金属屋根の洗浄では、水圧の当て方に気を使います。瓦棒の立ち上がり部分や、板金の重なりに真横から高圧水を当てると、水が屋根の内側へ回り込むことがあるためです。流れの方向に沿って、上から下へ洗い下ろしていきます。太陽光パネルの架台まわりも、配線を傷めないよう手作業を交えて汚れを落としました。

洗浄が終わったら、しっかり乾かします。下地に水分が残ったまま塗ると、あとで塗膜がふくれます。金属屋根は乾きが早い一方、瓦棒の脇や板金の重なりには水が残りやすいので、翌日以降に工程を進めるのが基本です。この工程のあと、屋根はケレンで浮いた錆と旧塗膜を落としてから塗装に入りました。
3. 養生
窓・玄関まわり・土間・太陽光パネルなど、塗料が付いてはいけない部分をビニールで覆います。特に太陽光パネルは、養生を厳重にしたうえで、架台の隙間に塗料が溜まらないよう塗り方も調整しました。
4. 外壁の下塗り(シーラー)
外壁側の下塗りにはシーラーを使います。チョーキングで粉っぽくなった既存の塗膜面を固め、上に乗る塗料をしっかり密着させる接着剤の役割です。無色透明のため色は変わりませんが、塗った面には艶が出ます。
5. 外壁の中塗り・上塗り(フッ素)

主剤はKFケミカルのKFシェアルドF。1液水性のフッ素塗料です。フッ素はシリコンより一段上の耐候グレードで、今回のように足場が組みにくい3階建てでは、次の塗り替えまでの年数を延ばせる意味が大きいと考えています。

中塗りと上塗りは同じ材料・同じ色です。色が変わらないぶん塗り残しが見えにくいため、面を区切りながら順番に進めます。上部は濃茶、下部と一部の面は黒。ツートンの境界は目地や役物のラインで分けました。
6. 屋根の下塗り(錆止め)
ここが金属屋根の要です。ケレンで浮いた錆と旧塗膜を落とした面に、錆止め塗料を入れます。前述のとおり、仕上げが淡いグレーなので白の錆止めを選びました。ビスの頭、切断面、軒先の端部など、錆の起点になる細部は刷毛で先に入れてから、面をローラーで塗ります。
7. 屋根の中塗り・上塗り

屋根の主剤は日本ペイントのファインパーフェクトベスト。屋根用の高耐候ラジカル制御型塗料です。錆止めを十分に乾かしてから、中塗りに入ります。

瓦棒屋根の塗装で手間がかかるのは、縦に走る立ち上がりの側面です。ローラーでは届かないため、刷毛で1本ずつ塗り上げます。棒の本数だけこの作業が発生するので、見た目の面積より実際の手間は大きくなります。ここを流してしまうと、数年後に立ち上がりの角から先に錆が出ます。

8. 付帯部の塗装と仕上げ
雨樋、水切り、シャッターボックス、雨戸など、外壁と屋根以外の塗装できる箇所をまとめて仕上げます。今回は元が白かった雨樋を黒に塗り替えました。ツートンの外壁に対して縦のラインが締まり、全体が引き締まります。付帯部も2回塗り重ね、最後にタッチアップと清掃を行って作業は完了です。
東大阪市加納という土地のこと
東大阪市加納は、市の北西寄り、恩智川に沿って広がる住宅地です。古くからの集落と、平成に入って区画整理で建った住宅が混在していて、道幅の狭い箇所と、新しく整備された道路が入り組んでいます。
この地域で工事をするとき、私たちが気にしているのは主に二つです。
ひとつは3階建てが多いこと。限られた敷地に床面積を確保するため、加納周辺では3階建て住宅がよく建てられています。3階建ては足場の段数が増え、最上部は風の影響も強く受けます。そして今回のように、緩勾配の金属屋根や、屋上・バルコニーと屋根が同居する複雑な形状になりやすい。下から目視できない屋根が増えるのは、この地域の家の特徴です。
もうひとつは風です。生駒山地から吹き下ろす風と、大阪平野を抜ける西風の両方を受ける立地で、棟板金や瓦棒の立ち上がりなど、屋根の「端」に当たる部分の傷みが早く出る傾向があります。塗装のときに端部の固定まで確認しておくと、次の台風の心配が減ります。
加納にお住まいで、ご自宅の屋根を一度も見たことがないという方は、おそらく少なくありません。塗るか塗らないかを決める前に、まず写真で状態を見るところから始めてください。私たちはドローンでの撮影と、その写真を使った説明を無料で行っています。
完工の日

18日目。足場を解体し、最後にもう一度ドローンを上げました。調査のときと同じ高さ、同じ角度から屋根を撮り、ビフォーと並べてお客様にお渡しするためです。
外壁は、青みがかったグレーから濃茶と黒のツートンへ。同じ家とは思えない、と近所の方に言われたそうです。ただ、お客様が一番喜んでくださったのは外壁の色ではありませんでした。
「屋根、こんなふうになってたんですね」。施工前と施工後、2枚の屋根の写真を並べて見ながら、そうおっしゃいました。13年間、一度も見たことがなかった自分の家の屋根を、ようやく自分の目で確かめられた——それが工事の一番の収穫だった、と。
塗装工事の価値は、実は「きれいになったこと」だけではないのかもしれません。自分の家がいまどういう状態なのかを知り、次に何をすべきかが分かること。それも同じくらい大事な成果だと、この現場で改めて思いました。
よくあるご質問
瓦棒屋根かどうか、自分で見分けられますか?
真下から見上げて、屋根に縦のスジ(棒)が等間隔で何本も走っていれば、まず瓦棒屋根です。スレート屋根のような横一列の段差や、和瓦のような波打った凹凸はありません。手で触れるとひんやり金属の感触がするのも特徴です。3階建てや、勾配の緩い屋根で多く使われています。判断がつかない場合は、ドローンや高所カメラで撮影して確認できますので、無料点検をご利用ください。
金属屋根の塗装にタスペーサーは要りませんか?
要りません。タスペーサーはスレート屋根の重なりに差し込んで排水の隙間を確保するための部材で、瓦棒屋根のように縦方向に一枚で通っている金属屋根には、塞がるべき隙間そのものが存在しないためです。金属屋根で省いてはいけないのは、タスペーサーではなくケレン(錆と旧塗膜の除去)と錆止めの下塗りです。お見積りを比べる際は、この2項目が入っているかをご確認ください。
屋根に錆が出ていますが、塗装で直りますか?
錆が表面にとどまっていれば、ケレンで削り落として錆止めを入れることで塗装できます。ただし錆が板を貫通して穴が開いている場合、踏むとへこむ場合、板金が浮いている場合は、塗装だけでは解決しません。カバー工法や葺き替え、板金の固定のやり直しが必要になります。塗装で対応できるかどうかは、現地で錆の深さを確認してからお伝えしています。
太陽光パネルが載っていても屋根塗装はできますか?
できます。ただしパネルの下に隠れている屋根材は塗れないため、塗装できるのは露出している部分だけになります。この事例でも、塗れない面積は正直にお見積りから外しました。パネルを一時的に取り外して全面を塗る方法もありますが、脱着費用と電気工事が別途かかるため、費用対効果はよく検討する必要があります。なお、露出部は雨と紫外線を直接受ける場所なので、足場があるうちに塗っておく価値は十分にあります。
金属屋根は何年ごとに塗り替えればよいですか?
目安は10〜15年ですが、年数より錆の有無で判断してください。軒先、棟板金のビスまわり、アンテナ支線や配管が触れている箇所——この3か所に赤い点々が出ていたら、築年数にかかわらず検討時期です。錆が広がってからでは削り落とす手間も増え、穴が開けば塗装では対応できなくなります。「錆びてから直す」より「錆びる前に塗る」ほうが、工事の規模も費用も小さく済みます。
おわりに
「屋根は、下から見えないんですけど……大丈夫なんでしょうか」。この記事は、その一言から始まった18日間の記録でした。
見えないものは、不安になります。そして不安なままだと、「まだ大丈夫だろう」と先送りするか、訪問してきた業者の言葉をそのまま信じるか、そのどちらかになってしまいます。どちらも、家にとっては良くない結末です。
金属の瓦棒屋根は、正しく手をかければ長く持つ屋根です。難しい判断はいりません。錆が出る前に、錆止めを入れて塗る。たったそれだけのことで、次の10年が変わります。難しいのは判断ではなく、そもそも屋根を見る機会がないことのほうなのです。
だから私たちは、まず写真をお見せします。塗る・塗らないの話はそのあとで構いません。東大阪市加納をはじめ、東大阪市全域で無料点検を承っています。ご自宅の屋根がいまどうなっているのか、一度ご覧になってみてください。
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