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堺市東区福田|築24年サイディングを1色から2色へ|外壁のアクセントカラーはどこに足すか

BEFORE 施工前
堺市東区福田 築24年サイディング外壁の施工前全景 外壁全体が1色の状態
AFTER 施工後
堺市東区福田 1階に濃色を足した2色ツートンの施工後全景


堺市東区福田 築24年サイディング外壁の施工前全景 外壁全体が1色の状態
堺市東区福田 築24年サイディング外壁の施工前全景 外壁全体が1色の状態
サイディング外壁を手で触ってチョーキングを確認している様子
手で触れると白い粉が付くチョーキング
日当たりの少ない面のサイディング外壁に広がった緑色の苔
日照時間の短い面に出ていた苔
サイディング目地のシーリング材がやせて両端に隙間が開いた状態
目地のシーリングがやせ、両端に隙間ができていた
サッシ廻りに施工されたシーリング材の劣化状況
サッシ廻りのシーリングもあわせて確認
塗り替えを終えた雨樋と破風板
塗り替えを終えた雨樋と破風板
外壁のすぐ前まで育った植栽 足場設置前の状態
外壁に迫っていた植栽(足場設置前)
職人が枝切りバサミで外壁際の植栽を刈り込む作業
足場に支障する枝を刈り込む
刈り込みが終わり外壁際に作業スペースができた状態
刈り込み後。外壁際に作業スペースができた
外壁のすぐ脇に設置されたカーポートの屋根パネル
外壁のすぐ脇にあったカーポート
職人が脚立に乗ってカーポートの屋根パネルを外す作業
足場に支障するパネルだけを外す
カーポートのパネルを一部外して足場設置に備えた状態
パネルを外し、足場を組む準備が整った
既存のシーリング材を撤去した目地とマスキングテープ
既存シーリングを撤去し、目地を清掃した状態
目地の内側にシーリング用プライマーを刷毛で塗布する作業
目地の内側にプライマーを塗布
専用のガンで新しいシーリング材を目地に充填する作業
専用ガンで新しいシーリング材を充填
職人がヘラでシーリング材を押さえて仕上げる作業
ヘラで押さえ、空気を残さず仕上げる
打ち替えが完了したサイディング目地のシーリング
打ち替え完了。目地がまっすぐ通っている
外壁の出隅部分と軒天の取り合いのシーリング補修が完了した状態
出隅と軒天の取り合いも補修
窓まわりと換気口まわりのシーリング補修が完了した外壁面
窓・換気口まわりも隙間を埋めて完了
高圧洗浄機でサイディング外壁の汚れを洗い流す作業
高圧洗浄で汚れとチョーキングを落とす
高圧洗浄で雨戸まわりを洗い流している様子
雨戸まわりも上から順に洗浄
外壁の仕上げに使用した水性フッ素塗料KFシェアルドFの缶
外壁の仕上げに使った水性フッ素塗料
濃色の上塗り塗料をローラーでサイディング外壁に塗り広げる作業
濃い色側の上塗り。中塗りと同じ色を重ねる
職人が雨戸を吹き付けで塗装している様子
段差のある雨戸は吹き付けで仕上げる
堺市東区福田 1階に濃色を足した2色ツートンの施工後全景
堺市東区福田 1階に濃色を足した2色ツートンの施工後全景

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「同じ色で塗り直すだけだと、つまらない気がして」

堺市東区福田のお客様から最初にいただいた言葉です。築24年の窯業系サイディング。近所で同じ時期に建った家が次々と足場を組みはじめ、そろそろだろうと思ってご連絡をくださいました。傷みの話をする前に出てきたのが、この一言でした。

新築のときから、この家はずっと1色です。淡いベージュ系のサイディングが、玄関まわりから2階の壁まで、途切れずに続いています。汚れて褪せてはいるけれど、形の整った家です。だからこそ「元どおりに戻すだけ」で16日間の工事を終えるのが、もったいないと感じておられました。

そこでご相談したのが、外壁のアクセントカラーという考え方です。全体を1色でまとめたうえで、一部だけ別の色を入れて表情をつくる。ゼロから配色をやり直すのではなく、いまの家に色を足すという発想です。

この記事は、その16日間の記録です。同等の内容を現在の価格でお見積りすると127万円前後(税込)になります。1色のままでいくか、色を足すか。足すとしたらどこに、どれくらいの面積で足すのか。そして足さないほうがいい家もあるということまで、正直に書きます。

工事データ

施工エリア 大阪府堺市東区福田
築年数 24年
建物 戸建て住宅/窯業系サイディング
施工内容 外壁塗装(1色から2色へ)/シーリング打ち替え/付帯部塗装
使用塗料 外壁:KFシェアルドF(KFケミカル・水性フッ素)
目地:ノンブリードタイプ変成シリコーン系シーリング材
工期 16日
保証 外壁10年
参考価格 127万円前後(税込)
同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。足場面積・下地の状態・塗り分けの範囲により変動します。

外壁のアクセントカラーとは、そもそもどういう考え方?

外壁を1色のままにする場合と2色目を足す場合の印象の違いを示した図
足すことが正解ではなく、印象を変えたいときの選択です

外壁のアクセントカラーとは、建物全体をひとつの色でまとめたうえで、一部の面だけに別の色を入れて表情をつくるやり方のことです。主役はあくまでベースの色で、足す色は脇役。この主従がはっきりしているほど、仕上がりは落ち着きます。

大事なのは、これが「色を選び直す」作業ではなく「色を足す」作業だということです。いまの家の顔をいったん認めたうえで、足りない一点を補う。だから判断の順番も、ふつうの色選びとは変わってきます。

1色のままと、色を足したときで何が変わる?

1色でまとめた外壁のよさは、まとまりです。どこから見ても破綻せず、周囲の家並みにもなじみます。実際、堺市東区のような落ち着いた住宅地では、1色仕上げがいちばん無難な選択です。

いっぽうで、1色には弱点もあります。のっぺりして見えることです。とくに総二階に近い、四角い輪郭の家ほど、壁が一枚の大きな板のように見えてしまいます。実際の家には出っ張りや引っ込みがあるのに、色が同じだと目がその凹凸を拾いません。

ここに色を足すと、何が起きるか。

  • 輪郭が引き締まる——色が変わる境目が、そのまま家の形の線として読めるようになります
  • 立体感が出る——出っ張った面と奥まった面の距離感が、色の差で伝わります
  • 視線の行き先が決まる——玄関まわりに色を足せば、そこが自然と正面になります

ただし、いいことばかりではありません。やりすぎると落ち着かなくなります。足した色の面積が大きすぎたり、足す場所が多すぎたりすると、どこを見ればいいのかわからない外観になります。1色の「まとまり」を捨てて色を足すのですから、捨てた分を上回る効果が出るかどうか。判断はそこに尽きます。

色を足すかどうかは、どう決めればいい?

「足したほうがいいですか」と聞かれたとき、私たちがその場で確かめているのは、次の三つです。難しい理屈ではありません。ご自分でも判断できます。

  1. 道路から見て、家が一枚の板に見えるか——見えるなら、色を足す余地があります。すでに凹凸が読み取れているなら、足す必要は薄いということです
  2. 色を足せる「線」がすでにあるか——幕板、下屋の水切り、バルコニーの端。既存の線がない場所に境目をつくるのは難易度が上がります
  3. 10年間、その色と暮らせるか——外壁は飽きても塗り直せません。少しもの足りないくらいが、10年後にちょうどよくなります

三つとも「はい」なら足す価値があります。ひとつでも引っかかるなら、いったん1色で見積もってみて、それから足す案と比べるほうが冷静に選べます。足すか足さないかは、色の好みの前に決める話だと考えてください。

現地調査|築24年のサイディングに出ていたこと

色の話は楽しいのですが、その前に建物の状態を確認します。色を足すかどうかにかかわらず、やるべき下地の仕事は変わりません。

外壁を触ると白い粉が付くのはなぜ?

サイディング外壁を手で触ってチョーキングを確認している様子
手で触れると白い粉が付くチョーキング

窯業系サイディングは、紙とセメントを混ぜて成形した板です。素地のままでは湿気を吸ってしまうため、工場出荷時にあらかじめ塗装されています。その塗膜が紫外線で少しずつ分解されると、顔料が粉になって表面に浮いてきます。これがチョーキングです。

手で触れて白い粉が付いたら、塗膜が本来の役目を終えかけているサインです。お住まいの方がご自分で確認できる、いちばん簡単な方法でもあります。この日も、手のひらにはっきり色が移りました。

日当たりの少ない面のサイディング外壁に広がった緑色の苔
日照時間の短い面に出ていた苔

日照時間の短い面には苔も出ていました。苔は、外壁の表面が乾ききらず湿った時間が長いところに生えます。塗膜が水を弾かなくなっている証拠です。

外壁の角に隙間ができるのはなぜ?

もうひとつ確認できたのが、外壁の出隅——角の部分に生まれていた隙間です。

塗膜が防水性を失うと、サイディングは湿気を吸い、晴れた日に乾きます。この吸って乾いてを24年間くり返すうちに、板はごくわずかずつ変形します。1日あたりの変化は目に見えないほどですが、年数分を積み上げると、角のように二方向から力がかかる場所に隙間として現れます。

隙間そのものは小さくても、そこから水が回れば内部の下地を傷めます。これ以上広げないためにも、塗膜で表面を覆い直す必要がありました。色の話の前に、この家には塗り替えるべき理由がきちんとあったということです。

目地のシーリングはどこまで傷んでいた?

サイディング目地のシーリング材がやせて両端に隙間が開いた状態
目地のシーリングがやせ、両端に隙間ができていた

サイディングの継ぎ目には、シーリング材が充填されています。新築時は両側の板にぴったり密着していたものが、年数とともに表面が硬くなり、やせて縮みます。このお宅も、両端に細い隙間が開いていました。

サッシ廻りに施工されたシーリング材の劣化状況
サッシ廻りのシーリングもあわせて確認

シーリングは目地だけではありません。玄関扉やサッシの周囲にも入っています。戸建ての雨漏りで多いのが、この外壁とサッシの取り合いからの浸入です。表からは見えにくい場所ですが、ここを飛ばすと、いくら外壁をきれいに塗っても意味がありません。

外壁のアクセントカラーは、どこに足すと効く?

玄関まわり、ベランダ面、付帯部など小さい面ほどアクセントカラーの変化が効きやすいことを示した図
家全体ではなく、印象を変える部分として考えます

ここからが本題です。色を足すと決めたとして、どこに足すか。効きやすい場所には、ある程度の共通点があります。

  • バルコニー面——もともと壁から張り出していて、外から一枚の面として認識しやすい場所です
  • 玄関まわり——人の視線が最初に行くところ。ここが締まると家全体が締まって見えます
  • 出っ張った部分——袖壁、柱形、下屋の壁など。もともと影が落ちる場所なので、色を変えても不自然になりません
  • 1階と2階の境——幕板や下屋の水切りなど、すでに水平の線が通っている場所です

共通しているのは、もともと建物の形として区切られている面だということです。色の境目を新しくつくるのではなく、すでにある境目に色を合わせる。だから収まりがよくなります。

面積の小さい面ほど失敗しにくいのはなぜ?

これはぜひ覚えて帰っていただきたいことです。足す色の面積が小さいほど、失敗しにくくなります。

理由は二つあります。ひとつは、面積が小さければ、色が想像とずれても外観全体の印象を壊さないから。色見本で見た色と、実際に壁一面に塗ったときの色は、どうしても違って見えます。この差は面積が大きいほど大きく効きます。逆に言えば、小さい面なら多少ずれても許容範囲に収まります。

もうひとつは、小さい面のほうがアクセントとして機能するからです。アクセントは「例外」だから目に留まります。壁の半分を別の色にしたら、それはもうアクセントではなく、二つのベース色です。

ですから、初めて色を足す方には、まずバルコニー面や玄関まわりといった限定された一面からとお勧めしています。それで物足りなければ、次の塗り替えで範囲を広げればいいのです。

このお宅では、どこに足したか

今回のお宅は、下屋の水切りで1階と2階がきれいに分かれている家でした。そこで、下屋の線を境に、1階側へ濃い色を足す形にしました。2階側は淡い色のまま残しています。

正直に書くと、これは面積の大きいほうの選択です。バルコニー面だけに足すのに比べれば、外観の変化はずっと大きくなります。それでもこの形にしたのは、下屋の水切りという既存の線がまっすぐ通っていたこと、そして玄関がその1階側にあり、色を足すことで玄関まわりが自然に締まる配置だったからです。

もうひとつ、この家には有利な条件がありました。門柱と塀が明るい石調で、建物の足元にすでに一段明るい帯があったことです。1階側を濃くしても、塀との間で明暗が受け渡されるので、家が地面に沈んで見えません。外構の色まで含めて見ると、判断が変わることがあります。壁だけを見て決めないほうがいい、というのはこういう意味です。

なお、どの高さで色を切り替えるか、どんな色同士を組み合わせるかという配色の組み立て方そのものは、別の記事で詳しくまとめています。あわせてご覧ください。

色数を増やすと、工事の中身は何が変わる?

2色塗装で増える色分け、養生、中塗り上塗り、付帯部確認の作業を示した図
色数が増えるほど、確認と養生が大切になります

お客様からよく聞かれるのが「2色にすると高くなりますか」です。正直にお答えすると、塗り分けの手間は現場の条件で変わるので、一律に「◯万円上がります」とは言えません。金額を先に言う業者がいたら、その根拠を聞いてみてください。

ただ、何が増えるかははっきりしています。

塗り分けの手間と養生はどう増える?

  • 養生が増えます——色の境目には必ずマスキングが要ります。しかも1本の線を、足場の段を移動しながらまっすぐ通さなければなりません
  • 塗料の管理が増えます——缶が二種類になり、ローラーもバケットも分けます。うっかり混ざれば取り返しがつきません
  • 乾燥待ちが増えます——境目は片方が乾いてからもう片方を塗るため、1色なら続けて進める工程に待ち時間が入ります
  • 手直しの精度が問われます——境目が数ミリよれるだけで、遠目にも波打って見えます

逆に言えば、足す面積が小さければ、増える手間も小さいということです。バルコニー面だけなら養生する線の長さは知れています。ここでも「小さく足す」が効いてきます。

2色目を選ぶのが難しいのはなぜ?

1色目は、家の全体像を決める色です。好みで選んでも、そう大きくは外れません。難しいのは2色目のほうです。

2色目には、1色目との関係という条件が加わります。差が小さすぎれば「塗り分けたつもりが、汚れて見える」になりますし、差が大きすぎれば「上下で別の家がくっついている」ように見えます。単体で好きな色を選ぶのではなく、1色目との距離を選ぶ——この切り替えができないと迷い続けることになります。

私たちがお勧めしているのは、2色目の候補を先に絞らず、1色目を決めてから、その色を持って2色目を探す順番です。順番を守るだけで、選択肢はぐっと減ります。

アクセントカラーを入れないほうがよい家もあります

面が細かい家、素材に表情がある家、周囲との関係からアクセントを入れない選択もあることを示した図
入れる・入れないを、現地で一緒に判断します

ここは正直に書きます。すべての家に色を足したほうがいいわけではありません。むしろ、足さないほうが仕上がる家があります。

面がすでに細かく分かれている家

出窓、袖壁、下屋、玄関ポーチ、ベランダ。こうした要素が多く、外壁が最初から細かい面に分かれている家です。この家に色を足すと、区切られた面がさらに増えて、外観がにぎやかになりすぎます。

こういう家は、1色でまとめるほうが整って見えます。色をそろえることで、細かく分かれた面がひとつの塊として読めるようになるからです。すでに形が十分に語っている家に、色まで語らせる必要はありません。

素材そのものに表情がある家

石積み調やタイル調など、彫りの深い意匠のサイディングを使っている家も同じです。表面の陰影がすでに十分な情報量を持っているので、そこへ色を足すと過剰になります。

今回のお宅も彫りのあるサイディングでしたが、意匠のスケールが細かく、遠目には均一な面として見えるタイプでした。だから色を足す余地があったのです。近くで見たときの表情と、道路から見たときの表情は別物です。判断は必ず、実際に人が見る距離から行ってください。

周囲との関係で決まることもあります

両隣も向かいも1色で落ち着いている通りで、自分の家だけコントラストを強くすれば、当然目立ちます。それを望んでおられるなら問題ありませんが、「ちょっと変えたいだけ」のつもりで大きく足すと、住みはじめてから気になることがあります。

私たちは、足さないほうがいいと判断したときは、はっきりそう申し上げます。塗り分けたほうが工事としては手間がかかりますが、10年住むのはお客様です。

付帯部の色も、じつはアクセントになります

見落とされがちですが、色を足す方法は壁だけではありません。雨樋・破風板・玄関ドアといった付帯部の色も、外観の印象を確実に動かします。

塗り替えを終えた雨樋と破風板
塗り替えを終えた雨樋と破風板

雨樋は建物の縦と横に細く走っています。面積は小さいのに、輪郭に沿って線が通るので、色を変えると家の形が変わって見えます。破風板も同じで、屋根の縁を縁取る線です。

壁を1色のままにしておいて、付帯部だけ引き締める。これは色を足したいけれど大きく変えたくない方にとって、いちばん失敗の少ないやり方です。面積が小さいので、想像とずれても取り返しがつきます。玄関ドアも、面積のわりに視線を集める場所です。

付帯部で色を足すときのコツは、ばらばらに選ばないことです。雨樋と破風と水切りをそれぞれ好みで決めると、細い線が三色に散らばって落ち着きません。付帯部はまとめてひとつのグループとして扱い、壁に対して締める側なのか、なじませる側なのかだけを先に決めてしまうと迷いません。

玄関ドアは少し性格が違います。ドアは交換しないかぎり既存の色が残ることが多く、すでに入っているアクセントとして扱うほうが現実的です。壁に色を足すときも、ドアの色と喧嘩しないかを最後に確認します。

付帯部をどこまで塗るのか、どんな順序で仕上げるのかという工事そのものの中身は別記事にまとめていますので、ここでは「色を足す場所としての付帯部」という視点だけお伝えしておきます。

全工程の記録|16日間で何をしたか

ここからは実際の工事です。色を足す・足さないにかかわらず、下地の仕事の中身は変わりません。

工期は16日でした。内訳としては、足場を組む前の準備とシーリングの打ち替えに数日、高圧洗浄のあと乾燥に丸一日、そこから外壁の下塗り・中塗り・上塗りと付帯部の塗装が続き、最後に手直しと足場の解体という流れです。塗るより待つ時間のほうが長いのが塗装工事で、乾燥を詰めると仕上がりも耐久性も落ちます。日数の見積もりが極端に短い提案には注意してください。

1|足場を組む前の準備

外壁のすぐ前まで育った植栽 足場設置前の状態
外壁に迫っていた植栽(足場設置前)

外壁のすぐ前に、大きく育った植栽がありました。このままでは足場が組めず、塗装にも支障が出ます。

職人が枝切りバサミで外壁際の植栽を刈り込む作業
足場に支障する枝を刈り込む
刈り込みが終わり外壁際に作業スペースができた状態
刈り込み後。外壁際に作業スペースができた

枝切りバサミで、支障のある枝を刈り込みます。作業スペースができました。

外壁のすぐ脇に設置されたカーポートの屋根パネル
外壁のすぐ脇にあったカーポート

もうひとつの支障が、外壁のすぐ脇にあったカーポートです。屋根パネルが張られたままでは、足場の支柱を立てる位置が取れません。

職人が脚立に乗ってカーポートの屋根パネルを外す作業
足場に支障するパネルだけを外す
カーポートのパネルを一部外して足場設置に備えた状態
パネルを外し、足場を組む準備が整った

全部を外すのではなく、足場に当たるパネルだけを外します。外したパネルは工事の最後に洗ってから戻します。足場は、カーポートの骨組みの間を通して組みました。

2|シーリングの打ち替え

既存のシーリング材を撤去した目地とマスキングテープ
既存シーリングを撤去し、目地を清掃した状態

既存のシーリング材は、両側にカッターで切り込みを入れ、ペンチで引っ張って撤去します。増し打ちではなく、古いものを取り切ってから新しく充填する打ち替えです。

目地の内側にシーリング用プライマーを刷毛で塗布する作業
目地の内側にプライマーを塗布

目地の内側にプライマーを塗布します。これを省くと、新しいシーリング材が下地に密着しません。

専用のガンで新しいシーリング材を目地に充填する作業
専用ガンで新しいシーリング材を充填

専用のガンで充填します。使用したのはノンブリードタイプの変成シリコーン系です。ノンブリードは、シーリングに含まれる成分が上に塗る塗料へにじみ出し、目地に沿って黒い筋が浮くのを防ぐためのものです。

職人がヘラでシーリング材を押さえて仕上げる作業
ヘラで押さえ、空気を残さず仕上げる

ヘラで押さえていきます。中に空気が残ると、そこから切れます。

打ち替えが完了したサイディング目地のシーリング
打ち替え完了。目地がまっすぐ通っている
外壁の出隅部分と軒天の取り合いのシーリング補修が完了した状態
出隅と軒天の取り合いも補修
窓まわりと換気口まわりのシーリング補修が完了した外壁面
窓・換気口まわりも隙間を埋めて完了

目地だけでなく、出隅、軒天との取り合い、サッシまわり、換気口まわりまで補修して完了です。

3|高圧洗浄

高圧洗浄機でサイディング外壁の汚れを洗い流す作業
高圧洗浄で汚れとチョーキングを落とす
高圧洗浄で雨戸まわりを洗い流している様子
雨戸まわりも上から順に洗浄

建物の上から順に洗っていきます。チョーキングの粉と苔をここで落とし切らないと、上に塗る塗料が粉の層ごと剥がれます。

4|下塗り(シーラー)

洗浄後、乾燥を待ってからシーラーを塗布します。シーラーは、既存の外壁と上に塗る塗料をしっかり密着させるための下塗り材です。

無色なので色は着きませんが、塗った面は下地がシーラーを吸って少し濃く見えます。雨が降るとアスファルトの色が濃くなるのと同じ現象で、塗り漏れの確認にもなります。

5|中塗り・上塗り(ここで2色になります)

外壁の仕上げに使用した水性フッ素塗料KFシェアルドFの缶
外壁の仕上げに使った水性フッ素塗料

外壁の仕上げに使ったのはKFシェアルドF(KFケミカル)です。水性のフッ素塗料で、外壁の保証は10年としています。

シーラーが乾いてから中塗りに入ります。色が着くのはここからです。足場のシートの内側で、24年間1色だった家に2色目が入る瞬間です。

濃色の上塗り塗料をローラーでサイディング外壁に塗り広げる作業
濃い色側の上塗り。中塗りと同じ色を重ねる

中塗りが乾いたら上塗りをかけます。中塗りと上塗りは同じ塗料の同じ色ですから、どこまで塗ったかが見た目でわかりません。塗り漏れが出ないよう、区画を決めて慎重に進めます。

濃い色の面と淡い色の面をそれぞれ仕上げて、外壁の塗装は完了です。

6|付帯部の塗装

水切りなどの鉄部には、まず錆止めを入れます。雨樋を固定しているバンドのような狭い場所はローラーが入らないので、刷毛で塗料を差し込みます。

錆止めが乾いてから、付帯部を塗装します。付帯部には外壁より小さいローラーを使います。小さいローラーは一度に塗れる面積が狭いので、面積のわりに時間と手間がかかる工程です。

職人が雨戸を吹き付けで塗装している様子
段差のある雨戸は吹き付けで仕上げる

段差のある雨戸は、ローラーでは塗料が入らない部分が残るため、吹き付けで仕上げます。

なお付帯部は「どこを塗って、どこを塗らないか」を工事前のお打ち合わせで必ずお伝えしています。あとから「ここも塗ってくれると思っていた」となるのを防ぐためです。

足場が外れた日

16日目、シートが外れました。お客様は道路の向かいまで下がって、しばらくご自宅を眺めておられました。

そして、こう言われました。

「つまらないどころか、うちだけ形が違って見える」

形は何ひとつ変えていません。増築もしていませんし、窓ひとつ動かしていません。変えたのは色だけ、それも1色に、もう1色を足しただけです。それだけで、目が家の凹凸を拾うようになります。

足し算の外壁塗装には、もう一ついいところがあります。元の家を否定しなくていいことです。24年住んだ家の色を全部消してしまうのではなく、そのうえに一色重ねる。だから住んでいる方にとっても、いままでの家の続きとして受け取れます。

もちろん、足さないという判断も同じくらい正しい判断です。この記事に「入れないほうがよい家」の項目を入れたのは、そのためです。

よくあるご質問

外壁のアクセントカラーは、どこに入れると効果がありますか?

バルコニー面、玄関まわり、袖壁や柱形などの出っ張った部分、1階と2階の境が代表的です。共通しているのは、もともと建物の形として区切られている面だという点です。色の境目を新しくつくるのではなく、すでにある境目に色を合わせるほうが収まりがよくなります。

アクセントカラーを入れると、1色で塗るより工事の手間は増えますか?

増えます。色の境目にマスキングが必要になり、塗料とローラーを色ごとに分け、境目では片側の乾燥を待ってからもう片側を塗ります。ただし増える量は塗り分ける範囲によって大きく変わるため、一律にいくら上がるという計算はできません。お見積り時に塗り分け範囲を決めたうえでご提示しています。

アクセントカラーは、どれくらいの面積にすればいいですか?

迷われているなら、小さいほうをお勧めします。面積が小さいほど、色が想像とずれたときの影響が小さくて済むうえ、アクセントとしても機能しやすいからです。壁の半分を別の色にすると、それはアクセントではなく2つのベース色になります。まず限定された一面から始めて、物足りなければ次回の塗り替えで広げる考え方が安全です。

アクセントカラーを入れないほうがいい家はありますか?

あります。出窓や袖壁、下屋などで外壁がすでに細かい面に分かれている家は、色を足すと区切りが増えすぎてまとまりを失います。また石積み調など彫りの深い意匠で、素材そのものに表情がある外壁も、色を足すと過剰になりがちです。こうした家は1色でまとめたほうが整って見えます。

雨樋や破風など付帯部の色も、アクセントになりますか?

なります。雨樋や破風板は面積こそ小さいものの、建物の輪郭に沿って線状に走るため、色を変えると家の形の見え方が変わります。壁は1色のままにして付帯部だけを引き締めるやり方は、大きく印象を変えたくない方にとって失敗の少ない選択肢です。玄関ドアも面積のわりに視線を集めます。

1色のままにするか、色を足すか。迷う段階でご相談ください

色の相談は、契約してからするものだと思われがちですが、逆です。迷っている段階のほうが、お役に立てます。

私たちみのりペイントは大阪市平野区の会社で、堺市東区も施工エリアです。現地でお住まいを拝見すれば、この家は色を足したほうが生きるのか、1色でまとめたほうが整うのかを、その場でお伝えできます。足さないほうがいいと思えば、そう申し上げます。

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