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施工事例紹介

柏原市法善寺|モニエル瓦の塗装は下地処理で決まる|築15年の屋根とALC外壁を再塗装した18日

BEFORE 施工前
柏原市法善寺 築15年のALCパワーボード外壁とモニエル瓦屋根の施工前全景
AFTER 施工後
柏原市法善寺 フッ素塗料で塗り替えたALCパワーボード外壁とモニエル瓦屋根の施工後全景

「そろそろやとは思うてたんです。ただ、どこがどう傷んでるのかまでは、分からへんくて」

柏原市法善寺のお客様から最初にうかがったのは、こんなお話でした。きっかけは、私たちが近くの現場で工事前のご挨拶に回っていたことです。同じ区画に並ぶお宅は、分譲した不動産会社も築年数もほぼ同じ。すでに何軒かは他社さんで塗り替えを終えておられました。ご近所の足場を見ながら「うちもそろそろかな」という感覚が育っていく——住宅地ではよくある流れです。

ただ、「そろそろ」は分かっても、「何が起きているか」は分からない。これも同じくらいよくあることです。調査させていただくと、外壁は目地まわりの塗膜に亀裂が入り、日の当たりにくい面にはコケとカビ。屋根はモニエル瓦で、先端や角に割れが見つかりました。

そして、屋根の話をするときに私たちがいちばん時間をかけてご説明したのが、この一点でした。

モニエル瓦の塗装は、塗料の名前より先に「下地処理」で決まります。

モニエル瓦は、普通の屋根と同じ感覚で塗ると、あとから塗膜がめくれるトラブルが起きやすいと言われている屋根材です。理由は職人の腕以前に、この瓦の表面のつくりそのものにあります。この記事では、その理由と、私たちが実際にどう扱ったかを、現場写真とあわせて公開します。

工期は18日。屋根はモニエル瓦の3回塗り、外壁はALCパワーボードに、通常の3回塗りより1工程多い4回塗り。同等の内容を現在の価格でお見積りすると145万円前後(税込)になります。現場写真28枚、全工程です。

工事データ

施工エリア 大阪府柏原市法善寺
築年数 15年
建物 戸建て住宅/ALCパワーボード外壁+モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)屋根
施工内容 屋根塗装(3回塗り)/外壁塗装(4回塗り)/シーリング補修/付帯部塗装/外塀塗装
使用塗料 外壁:KFシェアルドF(KFケミカル・水性フッ素樹脂)
屋根:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント・溶剤/ラジカル制御)
軒天:ケンエース/破風:ファインパーフェクトトップ(いずれも日本ペイント)
工期 18日
保証 外壁10年/屋根5年
参考価格 145万円前後(税込)
同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。実際のお見積りは足場面積・下地の状態・付帯部の数により変動します。

「うちの屋根、モニエル瓦ですか?」——まず、そこからでした

屋根の話を始めると、お客様はまずこう言われました。「瓦、っていうのは分かるんですけど、種類までは……」。当然だと思います。屋根は上から見えません。そして「瓦」と一口に言っても、塗装が必要なものと、塗装してはいけないものが混在しているのが日本の住宅屋根です。

柏原市法善寺 塗り替え前のモニエル瓦屋根 表面がざらついて色が抜けた状態
屋根 施工前|表面がざらつき、色が抜けはじめていました

モニエル瓦とは、どういう屋根材か

モニエル瓦は、乾式コンクリート瓦と呼ばれる種類の屋根材です。セメントと砂を主原料に成形した、セメント系の瓦だと考えてください。かつて日本の住宅で数多く使われ、今も築20〜40年ほどのお宅で現役の屋根としてよく見かけます。

この瓦の特徴は、色のつけ方にあります。粘土を高温で焼き、釉薬でガラス質の膜をつくる陶器瓦(和瓦)とは違い、モニエル瓦は表面に着色したセメント系の層をのせて色を出しているとされています。この層が、一般にスラリー層と呼ばれるものです。

なお、製造年代によって仕様が異なるとも言われており、私たちも「この瓦は何年製の、どの仕様」と断定はしません。屋根に上がって、実際にどんな状態かを見る。判断はそこからです。

陶器瓦・セメント瓦・モニエル瓦、扱いはこう違います

混同しやすい3つを、塗装という観点だけで並べてみます。

陶器瓦(和瓦) 粘土を焼いた瓦。釉薬のガラス質の膜が表面を守っているため、基本的に塗装は不要です。塗ってもツルツルした面に塗膜がのらず、かえって剥がれの原因になります。傷んだ場合は差し替えや漆喰の詰め直しで対応します。
セメント瓦 セメントと砂でできた瓦。塗膜で守ることが前提の屋根材で、塗膜が切れると水を吸いやすくなります。定期的な塗り替えが必要です。
モニエル瓦(乾式コンクリート瓦) 同じセメント系ですが、表面にスラリー層がある点が違います。塗装は必要。ただし普通のセメント瓦と同じ手順で塗ると、剥離が起きやすいとされています。下地処理と下塗り材の選び方が別物です。

ここが実務上いちばん大事なところです。「セメント瓦ですね、塗れます」で片づけてしまうと、モニエル瓦特有の手順が抜け落ちます。塗れるかどうかではなく、どう塗るかが分かれ目なのです。

見分けるための、現場での目安

私たちが屋根に上がったとき、実際に見ているのは次のような点です。

  • 表面の質感:釉薬瓦のようなツヤのあるガラス質ではなく、砂粒を含んだようなざらつきがある。
  • 小口(瓦の端の切り口):セメント系らしい、コンクリートに近い断面が見えることがある。
  • 表面をこすったときの粉:劣化が進んでいると、表層が粉っぽく手につくことがある。これがスラリー層が弱っているサインになる場合があります。
  • 形状と重なり:波形で、瓦どうしの重ね部分の作りに独特のかたちがある。

ただし、これらは目安であって、決め手ではありません。似た見た目のセメント系瓦は複数あり、写真だけで確実に言い切れないことも普通にあります。だからこそ私たちは、屋根に上がって、表面を実際に触って、洗ってみてから最終判断をします。地上から望遠で撮った写真でもある程度は絞り込めますので、気になる方は撮って送っていただくところからで構いません。

なぜ「モニエル瓦は塗装が剥がれやすい」と言われるのか

モニエル瓦でスラリー層が弱り、洗浄やケレンで落とし、専用下塗りで密着させる理由の図解
下地処理を省くと、剥離が起きやすいとされています

ここが、この記事の中心です。屋根塗装の剥離には、塗る側の作業手順が原因になるものもありますが、モニエル瓦の場合は材料そのものの構造に起因する話で、性質が違います。

理由1:スラリー層は、年数とともに脆くなる

先ほど触れた、表面の着色されたセメント系の層——スラリー層。新築時にはしっかり瓦本体と一体になっていますが、紫外線と雨風に何十年もさらされるうちに、この層自体が痩せて、もろくなっていくと言われています。

問題は、そのもろくなった層の上に新しい塗料をのせたときに起こります。塗料と塗料の間はしっかりくっついているのに、その下のスラリー層が瓦本体から離れてしまう。すると、塗ったばかりの塗膜が、スラリー層ごとペリッとめくれることがあります。数年後に「前に塗ったのが、ぺらぺら剥がれてきた」というご相談をいただく屋根の中には、こうした経緯のものが含まれています。

誤解のないように書いておきますが、モニエル瓦であれば剥離が避けられない、というわけではありません。適切な下地処理をしないまま塗ると剥離が起きやすい、というのが正しい言い方です。逆に言えば、そこさえ押さえれば普通に塗り替えられる屋根材です。

理由2:どこまで落とすかを、洗浄とケレンで決めている

では、どうするか。答えはシンプルで、もろくなった層を、塗る前に落とせるだけ落とすことです。

主役は高圧洗浄です。汚れを流すだけの洗浄ではなく、脆弱化した表層を意図的に削ぎ落とすための洗浄として、水圧のかけ方も時間のかけ方も変えます。手で触ってまだ粉が出る、指でこすると層が動く——そういう箇所は、ケレン(工具や研磨材でこすり落とす作業)で処理します。

ここが手加減されると、あとの工程がすべて無駄になります。どんなに高級な塗料を3回塗り重ねても、その下の土台が動いてしまえば、上の層はまとめて持っていかれるからです。私たちがモニエル瓦の現場でいちばん時間を使うのは、実は洗浄なのです。

理由3:下塗りに、専用のものが要る

洗浄とケレンを尽くしても、スラリー層の名残を完全にゼロにするのは現実的ではありません。そこで下塗り材の出番になります。

モニエル瓦の下塗りに求められるのは、残った層に深く浸透して固める働きです。表面に膜をつくって終わりのタイプではなく、瓦の中に染み込んで、ぐらついている表層を内側から抱き込むイメージ。メーカー各社からは、こうした用途を想定した浸透形のシーラーやプライマーが出ています。乾式コンクリート瓦への適用可否は製品ごとに異なるため、私たちはその都度メーカーの適用条件を確認して選定しています。

そして、下塗りは「1回で足りるとは限らない」のもモニエル瓦の特徴です。塗った下塗りが瓦にどんどん吸い込まれて、表面に残らない。そういう屋根では、吸い込みが止まるまで下塗りを重ねます。「規定は1回だから1回」ではなく、瓦が飲み込むのをやめるまで——これが現場での判断基準です。

屋根塗装の剥がれには、材料由来ではなく作業側の要因によるものもあります。そちらは別の話として整理が必要なテーマですが、この記事ではモニエル瓦という材料に固有の剥離に絞ってお伝えしています。

正直に言うと、塗装では直せない状態もあります

モニエル瓦で塗装前に補修して対応できる状態と、塗装では直せない可能性がある状態を比較した図解
塗る前に、補修で足りるかを先に判断します

「塗ればきれいになりますよ」とだけ言う業者を、私たちは信用していません。モニエル瓦に限らず、塗装で解決すること塗装では解決しないことは、はっきり分かれているからです。

塗装では解決しない代表的な状態を挙げます。

  • 瓦そのものの割れ・欠け:大きく割れている瓦は、塗っても割れたままです。差し替えが基本で、小さな欠けであれば補修材で埋めてから塗ります。
  • 棟(むね)の漆喰の崩れ:屋根のてっぺんの、瓦を留めている漆喰が崩れている場合。塗装では固定力は戻りません。詰め直しという別の工事が要ります。
  • 棟を留めるビス・釘の浮き、棟板金の緩み:これも塗装の管轄外です。留め直しや交換で対応します。
  • すでに雨漏りしている:雨水の入口が瓦の下の防水シートまで届いている状態は、塗装では止まりません。屋根の中の話になります。
  • 瓦が広範囲に脆くなり、踏むと割れる:この状態では作業自体が瓦を壊します。葺き替えやカバー工法の検討に移ります。

今回の屋根はどうだったか。割れは瓦の先端と角に限られ、補修材で埋められる範囲でした。棟まわりに大きな不具合もなく、屋根全体の強度も残っていた。だから塗装という選択が成立しました。逆に言えば、成立しなければ「塗らないほうがいい」とお伝えしていました。

【工程1】高圧洗浄——モニエル瓦で、いちばん時間をかける工程

モニエル瓦塗装の高圧洗浄、割れ補修、専用下塗り、中塗り、上塗りの流れを示した図解
洗浄と下塗りに時間をかけるほど、仕上がりが安定します

足場を組み、飛散防止のシートを張ってから、洗浄に入ります。屋根と外壁、両方です。

柏原市法善寺 モニエル瓦屋根の高圧洗浄 脆くなった表層を洗い流す工程
高圧洗浄|屋根は「汚れを落とす」ではなく「弱った層を落とす」ための工程

屋根から流れ落ちた水は、黒く濁っていました。表面に積もった汚れと、劣化して力を失った表層が一緒に落ちてくるためです。前の章でお話ししたとおり、この水がきれいになるまで洗うことが、モニエル瓦の塗装では最重要になります。時間をかけて、面を追いながら入念に流しました。

柏原市法善寺 ALCパワーボード外壁とベランダ内部の高圧洗浄
高圧洗浄|外壁とベランダ内部も同時に洗浄します

外壁側も同じです。今回はコケとカビが出ていた面がありましたので、そこは特に念入りに。コケや藻は「汚れ」ではなく、塗膜の防水性が切れて、外壁表面が乾かなくなっているサインです。落としてから塗る、が鉄則になります。

柏原市法善寺 シャッター表面の高圧洗浄 積もった汚れを洗い流す
高圧洗浄|シャッターも一緒に洗います

シャッターの洗浄は、毎回とても喜ばれる作業です。普段はなかなか掃除できない場所ですし、汚れが目に見えて落ちるので変化が分かりやすい。塗装工事の「ついで」の部分ですが、私たちはここもきちんとやります。

【工程2】割れていた瓦の先端を、補修してから塗る

柏原市法善寺 ひび割れたモニエル瓦の先端を補修材で埋めた状態
屋根補修|割れていた先端部を埋めてから塗装に入ります

洗浄が終わって表面が素の状態になると、それまで汚れに隠れていた割れがはっきり見えてきます。今回見つかったのは、瓦の先端と角の割れでした。

これはモニエル瓦に限らず、瓦全般に共通する弱点です。先端と角は薄く、荷重も衝撃も集中しやすい。人が歩いた振動や、飛来物、凍結などが積み重なって欠けていきます。

対処は補修材(パテ)で埋めることです。硬化後は強度が出て、上から塗装もできます。今回は2回に分けて充填しました。1回で厚く盛ると、内部が乾かないまま表面だけ固まって、あとで痩せたり割れたりするからです。薄く入れて、乾かして、また入れる。地味ですが、この積み重ねが後の耐久性を決めます。

【工程3】屋根の3回塗り——下塗りが、どんどん吸い込まれる

柏原市法善寺 モニエル瓦屋根の下塗り 専用下塗り材を吸い込ませる工程
屋根1回目|下塗り。瓦に吸い込ませるように入れていきます

屋根の1回目は下塗りです。写真をご覧いただくと、瓦の色が場所によってまだらに変わっているのが分かると思います。これは塗りムラではなく、瓦の吸い込み具合の差です。傷んでいる箇所ほど、下塗りをどんどん飲み込みます。

前の章でお伝えしたとおり、ここでの判断基準は「規定回数を塗ったか」ではなく「吸い込みが止まったか」です。表面に下塗りが留まって、しっとりとした均一な状態になる。そこまで来て、はじめて次に進みます。

柏原市法善寺 モニエル瓦屋根の中塗り 棟側から軒先へ塗り進める作業
屋根2回目|中塗り。棟側から軒先へ塗り下ろします

2回目からは、色のつく塗料です。屋根には日本ペイントのファインパーフェクトベストを使いました。ラジカル制御という、塗膜の劣化を進める反応を抑える設計が入った塗料で、色あせに強いのが特徴です。屋根は建物の中でいちばん紫外線を浴びる場所なので、ここは効いてきます。

屋根の塗料は溶剤(油性)タイプを選びました。塗り方は、棟側(上)から軒先(下)へ。上から下に塗り進めることで、塗料のタレを次の作業でならしながら降りていけます。

柏原市法善寺 モニエル瓦屋根の上塗り 波形に沿ってローラーを動かす作業
屋根3回目|上塗り。波形に沿って腕を上下させながら塗ります

3回目、上塗りです。モニエル瓦は表面が波打っているので、平らな壁のようにローラーをまっすぐ滑らせるわけにいきません。波のかたちに沿って腕を上下させながら、谷の部分にも塗料が入るように動かします。単純な面積の割に時間がかかるのは、この形状のせいです。

そして、塗り重ねる意味は「色を濃くする」ことではありません。適正な膜厚を確保するためです。塗料は、メーカーが想定した厚みになってはじめて、カタログに書かれた耐久性を発揮します。薄く1回で済ませた屋根と、規定どおり重ねた屋根では、5年後10年後がまったく変わります。

柏原市法善寺 上塗りまで仕上げたモニエル瓦屋根 均一な艶が戻った状態
屋根 施工後|3回塗りを終えた状態

お客様のご要望で、色は元の色に近いトーンを選びました。「ご近所から浮きたくない」というのは、住宅街ではとても現実的なご判断だと思います。

【工程4】シーリング——この外壁は、目地が多い

目地が多いALC外壁で、目地撤去、プライマー、新しいシーリングを行う流れの図解
外壁の動きと雨水を受ける目地を、先に整えます

ここからは外壁側の話です。今回の外壁はALCパワーボードという板状の外壁材で、板と板のつなぎ目(目地)が一般的な外壁より多いという特徴があります。現場によっては1.5〜2倍の長さになることもあります。

調査時点で、この目地のシーリングに割れが出ていました。範囲が広かったため、全体を補修するご提案をしました。

柏原市法善寺 シーリング目地の養生テープ貼りとプライマー塗布
シーリング|養生テープを貼り、プライマーを塗ります

最初の作業は、養生テープ貼りです。目地の両側に貼るので、単純計算でシーリングの長さの2倍のテープを使います。目地が多い外壁ですから、貼る距離はキロメートル単位になります。この地味な作業が、仕上がりのラインの美しさをそのまま決めます。

テープの次はプライマー。シーリング材と下地を密着させるための下塗りです。ここを省くと、数年でシーリングが下地から浮いてきます。

柏原市法善寺 ALCパワーボードの目地へシーリング材を充填する工程
シーリング|目地に充填していきます
柏原市法善寺 サッシ廻りのシーリング打ち替え完了の状態
シーリング|サッシ廻りも打ち替え完了

特に気をつかったのが、窓まわり(サッシ廻り)です。雨水が建物内部に入る経路として、開口部はもっとも要注意な場所になります。溝がほぼ埋まるくらいの厚みで仕上げることで、動きに追従できる余裕と耐久性が出ます。

柏原市法善寺 屋根と壁の取り合い部のシーリング仕上がり
シーリング|屋根と壁の取り合い部

もう一箇所、屋根と壁の取り合い。異なる部材がぶつかる場所は、どうしても隙間が生まれます。ここも水の入口になりやすいので、丁寧に処理しました。テープを貼っておいたおかげで、ラインがまっすぐ通っています。

【工程5】外壁は4回塗り——1工程、増やしました

外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本です。今回はそこに1工程足して、4回塗りにしました。

理由は既存の塗膜の状態です。調査の結果、もともと塗られていた塗膜が紫外線で劣化し、樹脂の結びつきが弱まって水を含みやすくなっていました。硬くなって柔軟性を失い、目地まわりで割れていたのもそのためです。この上にそのまま仕上げ材を塗るより、下地を固める工程を余分に入れたほうが結果が良いと判断しました。

柏原市法善寺 外壁1回目 下塗りシーラーをローラーで塗る工程
外壁1回目|下塗りシーラー

1回目はシーラー。密着を確保するための下塗り専用塗料です。弱った既存塗膜に染み込ませて、上に塗るものがしっかりのる土台をつくります。

柏原市法善寺 外壁2回目 微弾性フィラーを押し込むように塗る工程
外壁2回目|微弾性フィラー

2回目はフィラー。これも下塗り専用ですが、性格が違います。微弾性——つまり柔軟性のある塗料で、細かいひび割れを埋める役割を持っています。

塗り方も違って、ローラーで表面をなでるのではなく、力を入れて押し込むように塗ります。ひび割れの奥まで材料を送り込むためです。腕にくる作業で、職人は正直に「パンパンになります」と言っています。

柏原市法善寺 外壁3回目 中塗り 淡色側の塗装作業
外壁3回目|中塗り(淡色側)

3回目、ここでようやくお客様が選ばれた色が乗ります。この建物は外壁に模様の違う面があったので、2色に塗り分けました。

柏原市法善寺 外壁3回目 中塗り レンガ調の模様面を塗り分ける作業
外壁3回目|模様面の中塗り

使ったのはKFケミカルのKFシェアルドF、水性のフッ素樹脂塗料です。フッ素は一般的なシリコン樹脂塗料より耐久性が高い樹脂で、そのぶん単価も上がります。長く持たせたい建物で選ぶ、というのが基本的な考え方です。

柏原市法善寺 外壁4回目 上塗り 仕上げのローラー塗装
外壁4回目|上塗り
柏原市法善寺 外壁4回目 上塗り レンガ調の模様面の仕上げ
外壁4回目|模様面の上塗り

4回目が仕上げです。屋根と同じで、重ねる目的は膜厚の確保。塗り残しやムラが出ないよう、光の当たり方を変えながら何度も確認して進めます。

【工程6】付帯部と外塀——ここで仕上がりの印象が決まります

外壁と屋根が終わっても、工事はまだ終わりません。付帯部——軒天、破風板、雨樋、シャッターボックスといった細かい部分です。ここが古いままだと、せっかく壁と屋根がきれいになっても、全体がぼやけて見えます。

柏原市法善寺 ベランダ天井の軒天塗装 上塗りの状況
付帯|軒天(ベランダの天井部分)の塗装

軒天には日本ペイントのケンエースを使いました。下塗り・上塗りの2回塗りです。軒天は湿気がこもりやすく、日も当たらない場所なので、素材に合った塗料選びが必要になります。

柏原市法善寺 破風板の塗装 2回塗りの仕上げ
付帯|破風板の塗装

破風板は屋根の側面にある部材です。ここも2回塗り。使用したのはファインパーフェクトトップです。

柏原市法善寺 雨樋の塗装 2回塗りで色あせを回復させた状態
付帯|雨樋の塗装

雨樋は日差しで色あせやすい部材です。外観のアクセントになる場所でもあるので、黒・白・こげ茶といったはっきりした色を選ばれる方が多く、今回もそうしました。

柏原市法善寺 シャッターボックスの塗装 錆止めのうえに仕上げ塗り
付帯|シャッターボックスの塗装

シャッターボックスは鉄部です。鉄は錆止めを塗ってから仕上げ塗料を塗ります。この順番を守らないと、内側から錆が浮いて塗膜を押し上げます。色はサッシに合わせるのが一般的で、今回もそうしました。

柏原市法善寺 外塀の下塗り 雨染みが残る面を整える工程
外塀|下塗り

最後に外塀です。この塀は雨水が垂れてスジ状の染みになっていたのを、お客様がずっと気にされていました。門まわりは毎日目に入りますし、来客の目にも触れる場所です。

柏原市法善寺 外塀の中塗り 笠木際まで塗り込む作業
外塀|中塗り
柏原市法善寺 塗装が完了した外塀とインターホン廻り
外塀|塗装完了

外塀にも外壁と同じフッ素樹脂塗料を使いました。インターホンや郵便受けのまわりは、養生と塗り分けに手間がかかる部分ですが、ここがきれいだと家全体の印象が変わります。

18日後、足場のシートが外れた日

着工から18日。足場を解体し、シートが外れて、建物の全体が久しぶりに姿を見せました。

屋根は色が戻り、外壁は模様の陰影がはっきりして、塀の染みも消えました。ご近所ですでに塗り替えを終えられていたお宅と並んでも、遜色のない仕上がりになったと思います。

引き渡しのとき、お客様からいただいたのは、この言葉でした。

「次に塗るときも、お願いします」

最初にうかがったのは「どこがどう傷んでるのか分からへん」でした。18日かけて、その分からなかった部分——目地の割れ、外壁の吸水、屋根の先端の欠け、塀の染み——を一つずつ開けて、直して、閉じました。次に塗るときも、という言葉は、そのプロセスを見ていただけたということだと受け止めています。

なお、保証は外壁10年、屋根5年でお出ししています。外壁と屋根で年数が違うのは、条件の厳しさが違うからです。屋根は真上から紫外線と雨を受け続け、外壁よりはるかに過酷です。同じ年数を約束するほうが売りやすいことは分かっていますが、私たちは実際に守れる年数しか書きません。

柏原市法善寺という場所について

柏原市は大阪府の東部、奈良県との境に近い市です。大和川と石川が合流するあたりに市街地が広がり、東側には山が迫ります。ぶどうの産地として知られる地域でもあります。

法善寺は、近鉄大阪線の法善寺駅を中心とした住宅地です。今回の現場もその一角で、同じ時期に分譲された住宅がまとまって建つ区画でした。分譲した不動産会社が同じで、築年数もほぼ揃っている。だからこそ、劣化の出方まで似通っていました。ご近所を数軒見せていただいたところ、目地まわりの傷み方は共通していたのです。

これは、この区画に限った特別な話ではありません。同じ時期に、同じ仕様で建った家は、同じ時期に同じ場所が傷みます。お隣が足場を組んだら、自分の家も一度見ておく——という判断は、感覚的なようでいて、実はかなり合理的です。

みのりペイントは大阪市平野区を拠点に、柏原市を含む近隣エリアで施工しています。柏原市は八尾市を挟んでの隣接エリアで、日常的に伺っている地域です。

モニエル瓦の塗装について、よくいただくご質問

屋根に上がらずに、モニエル瓦かどうか見分ける方法はありますか?

完全に確定させるのは難しいですが、絞り込むことはできます。地上から望遠で撮った写真で、表面にツヤのあるガラス質の光り方がなく、砂を含んだようなざらついた質感に見えるなら、セメント系の瓦である可能性が高くなります。あわせて、新築時の図面や引き渡し書類に屋根材の記載が残っていないか確認するのも有効です。ただし、似た見た目のセメント系瓦は複数あり、写真だけで言い切れないことも普通にあります。最終的には屋根に上がって表面に触れ、洗ってみたうえで判断するのが確実です。

モニエル瓦の塗装を頼むとき、業者に確認しておくべきことは何ですか?

三つあります。ひとつめは「この屋根はモニエル瓦(乾式コンクリート瓦)だと思いますが、そのつもりで見積もっていますか」と、材料の認識を合わせること。ふたつめは「下塗りは何を使いますか。乾式コンクリート瓦に適用できる製品ですか」と、下塗り材を具体的に確認すること。みっつめは「吸い込みが激しかった場合、下塗りを追加してもらえますか。その場合の費用はどうなりますか」と、あらかじめ取り決めておくことです。この三つに具体的に答えられる業者であれば、モニエル瓦を扱った経験があると考えて差し支えありません。

モニエル瓦を塗装せずに放置すると、どうなりますか?

セメント系の瓦は、塗膜で表面を守ることを前提としている屋根材です。表面の保護がなくなると水を吸いやすくなり、含んだ水が乾く・凍る・膨らむを繰り返すうちに、表層が痩せたり、割れが広がったりしていきます。すぐに雨漏りするわけではありません。瓦の下には防水シートがあり、そこで水を受け止めているためです。ただし劣化が進むと、踏んだだけで割れるほど脆くなり、塗装で対応できる段階を過ぎてしまいます。そうなると葺き替えやカバー工法になり、費用は大きく変わります。

モニエル瓦には、どんな塗料を選べばいいですか?

上塗り材そのものよりも、下塗り材の選定のほうが結果を左右します。上塗りは屋根用の塗料であればシリコン系でもフッ素系でも選択できますが、その下に、乾式コンクリート瓦に適用できる浸透形の下塗り材が入っているかどうかが本質です。上塗りのグレードは、あと何年その家に住むか、次の塗り替えをいつに設定するかで決めるのが現実的です。今回の屋根には、色あせを抑えるラジカル制御タイプの屋根用塗料を使いました。

モニエル瓦は、塗装ではなく葺き替えやカバー工法にすべき場合もありますか?

あります。目安は、瓦そのものの強度が残っているかどうかです。踏むと割れる、広範囲に欠けている、割れた瓦が何十枚もある、といった状態では、塗装をしても土台が持ちません。また、瓦の下の防水シートが寿命を迎えていて雨漏りが出ている場合も、屋根の中を開ける工事が必要になります。逆に、割れが部分的で補修でおさまり、屋根全体の強度が残っているなら、塗装は費用対効果の高い選択です。判断は現地で屋根に上がってからになりますので、まずは見せてください。

柏原市の外壁塗装全般(費用相場・施主様の声・地形特有の注意点)は柏原市の外壁塗装|山と川の苔対策・費用相場・施主様の声にまとめています。

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