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大阪市平野区|築20年ヤマダホームズ住宅の外壁塗装|サイディングのツートン塗り替え18日間の全記録

BEFORE 施工前
大阪市平野区 築20年ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工前の全景
AFTER 施工後
大阪市平野区 ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工後の全景 上部を白系・下部を石積み調グレーに塗り分けたツートン


大阪市平野区 築20年ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工前の全景
大阪市平野区 築20年ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工前の全景
築20年のサイディング外壁 目地シーリングのひび割れ 施工前の劣化状態
ひび割れが入り、痩せて隙間ができた目地
サイディング外壁の目地シーリングが痩せて弾力を失った状態
弾力が失われ、押しても戻ってこない状態
サッシまわりのシーリング 外壁とサッシの取り合い部分の劣化確認
サッシまわりも目地と同じシーリングで防水されている
サイディング外壁の板どうしの継ぎ目に充填されたシーリング
板と板の継ぎ目。窯業系サイディングは目地の総延長が長い
外壁下部に繁殖した苔 湿気を含んで乾きにくくなっているサイン
外壁下部に広がった苔。湿気が抜けにくくなっているサイン
既存シーリングをカッターで切ってペンチで撤去した目地 バックアップ材が見えている
カッターを入れて引き抜く。奥の青いバックアップ材が見えるまで撤去
雨樋を外して樋の裏に隠れた目地のシーリングを打ち替える作業
雨樋を一度外して、裏に隠れていた目地も打ち替える
シーリング材を充填する前に目地の内部へプライマーを刷毛で塗布する工程
充填の前にプライマー。これがないと新しい材料が下地に付かない
コーキングガンで変性シリコン系のシーリング材を目地に充填する工程
変性シリコン系のシーリング材を、空気を巻き込まないように充填
ヘラで押さえてマスキングテープを剥がした仕上がりのシーリング目地
ヘラで押さえ、テープを剥がして仕上げ
高圧洗浄機で外壁の汚れと苔を洗い流す工程
高圧洗浄で表面の汚れ・苔・脆くなった旧塗膜を落とす
凹凸のある石積み調サイディングの溝に入った汚れを角度を変えて洗浄する
凹凸のある面は、角度を変えて溝の汚れを落とす
下塗りに使用した水性シリコン浸透シーラー 日本ペイントの実缶
下塗り材:水性シリコン浸透シーラー(日本ペイント)
透明な浸透シーラーを外壁全面に塗布する下塗り工程
透明な下塗り材を全面に。色は付かないが艶が出る
上塗りに使用したKFシェアルドF KFケミカルの1液水性フッ素樹脂塗料の実缶
上塗り材:KFシェアルドF(KFケミカル)/1液水性フッ素樹脂塗料
ローラーで外壁の中塗りを行う工程 ここで初めて色がのる
中塗り。ここで初めて色がのる
中塗りを乾かしてから同じ塗料で上塗りする外壁塗装の仕上げ工程
上塗り。中塗りと同じ材料・同じ色を、乾燥期間を置いてから
シャッターボックスなど鉄部に錆止めを塗装する下地処理工程
鉄部にはまず錆止め。白く見えるのが錆止めの色
屋根まわりの板金と水切りをローラーと刷毛で塗装する工程
屋根まわりの板金・水切りも塗装する
1階と2階の境にある幕板を黒く塗装する付帯部塗装の工程
幕板を黒で。上下の塗り分けの境目が締まる
大阪市平野区 ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工後の全景 上部を白系・下部を石積み調グレーに塗り分けたツートン
大阪市平野区 ヤマダホームズ住宅の外壁塗装 施工後の全景 上部を白系・下部を石積み調グレーに塗り分けたツートン

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「ハウスメーカーで建てた家なんですけど、よそに頼んでもいいものなんでしょうか」

大阪市平野区にお住まいのお客様から最初にいただいたのが、この一言でした。お隣が足場を組んで塗装工事をされていて、聞けば自分の家とほぼ同じ築年数。そろそろうちもか、と考え始めたものの、建てたのがハウスメーカーだったことが引っかかっていたそうです。

結論から書きます。ハウスメーカーの家でも、地元の塗装店で塗り替えることはできます。ただし「できる」と「気をつけるべき点がない」は別の話です。この記事では、大阪市平野区で築20年のヤマダホームズ住宅を塗り替えた18日間の記録を、工程写真とあわせて公開します。あわせて、ハウスメーカーの家を塗り替えるときに実際にどこで迷い、何を確認したのかも正直に書きます。

工事データ

施工エリア 大阪府大阪市平野区
築年数 20年
建物 戸建て住宅(ハウスメーカー施工)/窯業系サイディング
施工内容 外壁塗装(上下で塗り分けたツートン仕上げ)/シーリング打ち替え/付帯部塗装
使用塗料 上塗り:KFシェアルドF(KFケミカル・1液水性フッ素樹脂塗料)
下塗り:水性シリコン浸透シーラー(日本ペイント)
シーリング材:変性シリコン系
工期 18日間
保証 10年
参考価格 143万円前後(税込)
同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です。実際のお見積りは足場面積・下地の状態・付帯部の量により変動します。

ハウスメーカーの家でも、地元の塗装店で塗り替えできる?

ハウスメーカーの家も地元塗装店で塗り替えできることを、建てた会社と地元塗装店の役割で示した図解
塗り替え工事は、家の仕様と劣化状態を見て判断します

ご相談の電話でいちばん時間を使ったのが、この点の整理でした。工事の話に入る前に、お客様の不安が先に立っていたからです。

建てた会社以外に頼むと、何か問題がありますか?

建物の所有者はお客様です。塗り替えをどこに依頼するかは、お客様が自由に決められます。法的にも契約上も、建てた会社に発注する義務はありません。

そのうえで、実務上の違いを挙げます。建てたメーカーに依頼すると、図面と仕様の情報が社内にあるため、外壁材の種類や目地の位置を最初から把握した状態で話が進みます。純正の部材が必要になったときの手配も速い。ただし塗装工事そのものは協力会社が施工するのが一般的で、その間に入る管理費が見積りに反映されます。

地元の塗装店に依頼すると、その管理費の分だけ費用は抑えやすくなります。代わりに、建物の仕様は現地調査でこちらが確認する必要があります。図面や仕様書が残っていればお借りして目を通しますし、残っていなければ実物を見て、必要なら試し塗りをして判断します。どちらが正しいという話ではなく、費用の構造と情報の持ち方が違うだけです。

私たちは、建てたメーカーからも見積りを取ることをお客様におすすめしています。比べるものがないと、金額が高いのか安いのかも判断できないからです。実際このお客様も、メーカー系と私たちの両方を並べたうえで決められました。

メーカーの定期メンテナンスと、塗り替え工事はどう違いますか?

混同されやすいのですが、性質が違います。メーカーの定期点検・定期メンテナンスは、長期保証を継続するための「条件」として設定されていることが多いものです。決められた年数のタイミングで、決められた内容の有償工事を受けることで、保証が次の期間へ延長されていく仕組みです。

一方、私たちが行う塗り替えは、建物の外皮を保護し直す工事そのものです。工事の中身としては重なる部分が多いのですが、メーカー保証の延長という機能は持ちません。ここは正直にお伝えしておかなければならない点です。

ですので、判断の順番はこうなります。まずお手元の保証書を確認する。長期保証が現在も継続していて、次の延長条件の工事が近いのであれば、メーカーに相談する価値があります。すでに保証期間が終わっている、あるいは延長条件から外れている場合は、選択肢を広げて比較する意味が大きくなります。このお宅は築20年で、保証の面での制約は特にありませんでした。

築20年のヤマダホームズ住宅は「エス・バイ・エル」だった頃の家かもしれません

現地調査に伺ってお客様と話しているとき、図面を出していただきました。表紙に書かれていた社名は、ヤマダホームズではありませんでした。

社名は変わっても、家の仕様は建てた年のまま

ヤマダホームズという社名になったのは2018年のことです。それ以前は「エス・バイ・エル(SXL)」、さらにさかのぼると1951年創業の「小堀住研」という社名でした。1990年に小堀住研からエス・バイ・エルへ、2018年にヤマダホームズへ。おおまかにはこの流れです。

つまり、築20年前後のお宅の図面や保証書は、SXL・エス・バイ・エル名義で残っているのが自然だということです。「ヤマダホームズ 外壁塗装」で調べているうちに、手元の書類の社名が違っていて不安になる方がいらっしゃいますが、同じ系譜の会社ですのでご安心ください。

そして大事なのは、社名がどうであれ建物の仕様は建てられた当時のままだという点です。塗り替えの計画を立てるうえで必要なのは会社名ではなく、外壁材が何か、目地がどこに何メートルあるか、付帯部は何でできているか。この3つです。

図面が残っていると、調査がぐっと速くなります

図面があると外壁材や仕様や補修範囲を確認しやすくなることを示した図解
図面が残っていると、現地調査の精度が上がります

規格化された住宅の利点は、造りが図面どおりに揃っていることです。現場合わせで納めた部分が少ないので、目地の割り付けやサッシの位置に不規則さがありません。図面をお借りできれば、シーリングの延長メートル数をかなりの精度で出せますし、見積りの「一式」を減らして数量で書けます。

逆に、規格住宅だからこそごまかしが効かない面もあります。塗り分けの線が水平から少しでも狂うと、揃っている他の線と比べられてすぐに分かってしまう。養生の直線も同じです。この点は工事に入ってから何度も意識することになりました。

図面が見当たらない場合でも問題ありません。実物を見て判断します。ただ、お手元にあるようでしたら現地調査の際に出していただけると、こちらの確認作業が確実になります。

現地調査で見つかった劣化|築20年のサイディングに何が起きていたか

築年数が進んだサイディングで目地のやせ、サッシまわりの切れ、苔、外壁材の浮きを確認する図解
シーリングと外壁材を分けて、傷みを確認します

2024年11月、足場を組む前の現地調査です。脚立と望遠で撮れる範囲を一通り記録しました。

1|目地のシーリングが痩せて、隙間が空いていました

築20年のサイディング外壁 目地シーリングのひび割れ 施工前の劣化状態
ひび割れが入り、痩せて隙間ができた目地
サイディング外壁の目地シーリングが痩せて弾力を失った状態
弾力が失われ、押しても戻ってこない状態

いちばん進んでいたのがシーリングの劣化でした。窯業系サイディングは板を並べて張る外壁材ですから、板と板のあいだに必ず目地ができます。その目地をゴム状のシーリング材で埋めて防水しているのですが、この材料は紫外線と気温の上下で少しずつ硬く、痩せていきます。

写真のように、目地の中央にひび割れが走り、両端が縮んで隙間ができていました。ここから雨水が入ると、サイディングの裏側(防水紙のある層)に水が回ります。すぐに雨漏りになるとは限りませんが、時間をかけて下地を傷める原因になります。築20年で一度も打ち替えていないなら、この状態はごく標準的です。

なお、シーリングの打ち替えと増し打ちの違いや、劣化の見分け方については別記事で詳しく扱っています。この記事では工程の一つとして扱います。

2|サッシまわりのシーリングも同時に確認します

サッシまわりのシーリング 外壁とサッシの取り合い部分の劣化確認
サッシまわりも目地と同じシーリングで防水されている
サイディング外壁の板どうしの継ぎ目に充填されたシーリング
板と板の継ぎ目。窯業系サイディングは目地の総延長が長い

見落とされがちなのがサッシまわりです。窓枠と外壁のあいだにも同じようにシーリングが入っています。一戸建てで雨水が入りやすい場所を挙げるとき、外壁とサッシの取り合いは必ず上位に来ます。

規格住宅は窓の大きさと位置が決まっているので、サッシまわりの総延長も事前に読みやすい。ここを「外壁の目地だけ」で済ませてしまう見積りもありますので、見積書にサッシまわりのシーリングが含まれているかどうかは確認する価値があります。

3|外壁の下のほうに苔が出ていました

外壁下部に繁殖した苔 湿気を含んで乾きにくくなっているサイン
外壁下部に広がった苔。湿気が抜けにくくなっているサイン

外壁の低い位置、とくに日当たりの悪い面に苔が広がっていました。苔が出るのは、外壁の表面が湿気を含んだまま乾きにくくなっているからです。新築時の塗膜には水をはじく力がありますが、20年経つとその力は落ちます。

平野区は工場や倉庫が多く、幹線道路も通っています。空気中の粉じんが外壁に付着しやすい環境で、付着した汚れが水分を抱え込むと苔や藻の温床になります。同じ築年数でも、住宅街の真ん中より汚れの進みが少し早いというのが、この地域で工事を続けてきた実感です。

ご自分で高圧洗浄機をかけている方もいらっしゃいますが、根を張った苔は表面が落ちても内側が残ります。塗り替えの機会にまとめて処理するのが結局は早道です。

4|外壁材そのものに浮きが出ている箇所がありました

調査のなかで、サイディングの一部が下地から浮いている箇所を見つけました。長い年月で釘やビスの効きが緩んだり、板が反ったりすると起こります。塗装の前に、この部分は固定し直しています。

ここは正直にお伝えしておきたいところです。浮きや反りが軽度であれば固定と補修で対応できますが、反りが大きい・板が割れている・触ると崩れるような状態であれば、塗装では解決しません。その場合は張り替えやカバー工法を検討していただくことになります。今回は範囲が限られていたため、補修のうえで塗装に進みました。

色は、もともとの塗り分けを引き継ぎました

この家はもともと、上下で表情が違うつくりでした。2階まわりがタイル調のフラットな面、1階まわりが石積み調の凹凸のある面。1階と2階の境には幕板(帯状の部材)が水平に回っています。

ですので、色決めで悩む余地はあまりありませんでした。建物がすでに持っている線を、そのまま塗り分けの線として使う。上部は明るい白系で軽く、下部は石積みの陰影が出るグレー系で落ち着かせる。境目の幕板は黒で締める。この3層で決まりです。

ハウスメーカーの家は、外観のバランスが設計の段階で作り込まれています。その骨格を無視して自由に色を割ると、かえって間延びして見えることがあります。既存の割り付けを尊重するのは、無難だからではなく、その建物にとって理にかなっているからです。

なお、配色の決め方そのものを詳しく知りたい方は、ツートンの色分けを主題にした別の施工事例をご覧ください。この記事では深く立ち入りません。

全18日間の工程を写真で公開します

1|シーリングの打ち替え

既存シーリングをカッターで切ってペンチで撤去した目地 バックアップ材が見えている
カッターを入れて引き抜く。奥の青いバックアップ材が見えるまで撤去

既存のシーリングを、目地の両サイドにカッターで切り込みを入れてから引き抜いていきます。目地の奥には「バックアップ材」という青い部材が入っていて、これが見えるところまで取り切れているかが、撤去がきちんとできているかの目安になります。

雨樋を外して樋の裏に隠れた目地のシーリングを打ち替える作業
雨樋を一度外して、裏に隠れていた目地も打ち替える

雨樋が目地の前を通っている箇所は、樋を一度外して作業します。外さずに塗ると、樋の裏だけ古いシーリングが残ることになります。ここは完成後には見えなくなる部分ですが、水の入口としては見える場所と同じだけ重要です。

シーリング材を充填する前に目地の内部へプライマーを刷毛で塗布する工程
充填の前にプライマー。これがないと新しい材料が下地に付かない

撤去したあとは、仕上がりの直線を出すために両側へマスキングテープを貼り、目地の内部にプライマーを塗ります。プライマーは新しいシーリング材と下地を密着させるための下塗り材です。サッシまわりも同じように塗布します。

コーキングガンで変性シリコン系のシーリング材を目地に充填する工程
変性シリコン系のシーリング材を、空気を巻き込まないように充填
ヘラで押さえてマスキングテープを剥がした仕上がりのシーリング目地
ヘラで押さえ、テープを剥がして仕上げ

ガンで新しいシーリング材を充填します。今回使用したのは変性シリコン系です。充填したらヘラで押さえ、内部に空気が残らないように均します。マスキングテープを剥がして完成です。

この工程だけで数日かかります。目地の総延長が長い建物ほど日数が要りますが、ここを急いだ工事は、5年後に必ず差が出ます。

2|高圧洗浄

高圧洗浄機で外壁の汚れと苔を洗い流す工程
高圧洗浄で表面の汚れ・苔・脆くなった旧塗膜を落とす
凹凸のある石積み調サイディングの溝に入った汚れを角度を変えて洗浄する
凹凸のある面は、角度を変えて溝の汚れを落とす

塗料は、汚れの上には定着しません。洗浄で落とすのは表面の汚れだけでなく、粉状になった古い塗膜(チョーキングの粉)と、根を張った苔です。

石積み調のサイディングは表面に深い凹凸があります。真正面から水を当てるだけでは溝の底に汚れが残るので、角度を変えながら当てていきます。この面の洗浄は、平らな外壁より手間と時間がかかります。

洗浄後は、しっかり乾かす日を取ります。ここで急いで塗ると、外壁の内部に残った水分が塗膜を押し上げて膨れの原因になります。

3|下塗り(シーラー)

下塗りに使用した水性シリコン浸透シーラー 日本ペイントの実缶
下塗り材:水性シリコン浸透シーラー(日本ペイント)
透明な浸透シーラーを外壁全面に塗布する下塗り工程
透明な下塗り材を全面に。色は付かないが艶が出る

外壁は3回塗りです。その1回目が下塗り。使用したのは日本ペイントの水性シリコン浸透シーラーで、透明の材料です。

下塗りの役割は、傷んで吸い込みやすくなった外壁の表面を固め、上に塗る塗料の食いつきをつくることです。透明なので塗っても色は変わりません。ただ、塗った面は艶が出るので、塗ったところと塗っていないところは現場では見分けがつきます。

この工程で使う材料の選定は、外壁材との相性で決まります。前述したように、光触媒や無機系のコーティングがされた「難付着サイディング」であれば専用の下塗り材が必要ですが、この建物は一般的な窯業系サイディングでしたので標準的な仕様で問題ありませんでした。ハウスメーカーの家だから特殊、と決めつけて割高な材料を提案するのは違います。実物を見て決めることです。

4|中塗り・上塗り(KFシェアルドF)

上塗りに使用したKFシェアルドF KFケミカルの1液水性フッ素樹脂塗料の実缶
上塗り材:KFシェアルドF(KFケミカル)/1液水性フッ素樹脂塗料
ローラーで外壁の中塗りを行う工程 ここで初めて色がのる
中塗り。ここで初めて色がのる
中塗りを乾かしてから同じ塗料で上塗りする外壁塗装の仕上げ工程
上塗り。中塗りと同じ材料・同じ色を、乾燥期間を置いてから

2回目と3回目が主剤です。今回はKFケミカルのKFシェアルドFを使いました。1液型の水性フッ素樹脂塗料です。

1液型は現場で硬化剤を混ぜる必要がないため、必要な量だけを扱いやすく、可使時間に追われません。水性なので臭いも比較的おだやかです。住宅密集地で、隣家との距離が近い平野区の現場では、この臭いの少なさは実際に効いてきます。

フッ素樹脂は、外壁用の塗料のなかでは耐候性の高い部類に入ります。ただし「フッ素だから何十年も持つ」という言い方はしません。塗料の性能が発揮されるのは、下地が健全で、下塗りが適切で、規定の量をきちんと塗った場合です。同じ缶を使っても、薄く延ばせば性能は出ません。塗料のグレードは持ちを決める要素の一つであって、すべてではないというのが私たちの立場です。

中塗りと上塗りのあいだには、必ず乾燥期間を置きます。同じ色・同じ材料を2回重ねるので、塗り残しが分かりにくい工程でもあります。日をまたぎ、面ごとに区切って、塗り漏れが出ないように進めました。

5|付帯部の塗装

シャッターボックスなど鉄部に錆止めを塗装する下地処理工程
鉄部にはまず錆止め。白く見えるのが錆止めの色
屋根まわりの板金と水切りをローラーと刷毛で塗装する工程
屋根まわりの板金・水切りも塗装する
1階と2階の境にある幕板を黒く塗装する付帯部塗装の工程
幕板を黒で。上下の塗り分けの境目が締まる

付帯部とは、外壁以外で塗装できる部分の総称です。今回はシャッターボックス・雨樋・水切り・幕板を塗りました。

鉄部には、仕上げの前にまず錆止めを入れます。錆止めは名前のとおり錆の発生を抑える材料ですが、膜厚をつくって仕上がりを平滑にする役割もあります。下地の状態が悪い箇所はケレン(表面を削って荒らす作業)をしてから塗ります。錆止めが乾いたら、ペンキを2回重ねて仕上げます。

幕板の扱いはこの家では特に重要でした。上下の塗り分けの境目に走る部材ですから、ここが濁ると全体がぼやけます。黒でくっきり締めることで、上の白系と下のグレーがそれぞれ独立して見えるようになります。

付帯部を後回しにする見積りもありますが、足場が架かっているあいだにしか手が届かない場所が多いのが付帯部です。外壁だけ新しくして雨樋が色あせたままだと、遠目にも古さが残ります。

6|タッチアップ・清掃・お引き渡し

付帯部が終われば塗装工程は終了です。最後に、養生を外した際に細かく残った箇所をタッチアップで直し、敷地内を清掃します。足場の解体は、お客様に仕上がりを一緒に確認していただいてからにしています。足場があるうちにしか直せないことがあるからです。

ハウスメーカーの家の塗り替えで、正直にお伝えしていること

ハウスメーカー住宅の塗り替えで塗装で直せない劣化、純正部材、保証内容を事前確認する図解
塗れる範囲と、メーカーに確認すべき範囲を分けて説明します

ここまでは工事の話でした。最後に、良いことだけを書いて終わらないために、限界とデメリットも書いておきます。

塗装では直せないものがあります

塗装は、外壁の表面をつくり直す工事です。防水と美観を回復させることはできますが、外壁材そのものが寿命に近い場合、塗ってもその寿命は延びません。板が大きく反っている、割れている、触ると崩れる、内部まで水を吸っている。こうした状態であれば、張り替えやカバー工法を検討するほうが結果的に無駄がありません。

雨漏りが実際に起きている場合も同じです。原因が屋根や板金にあるなら、外壁を塗っても止まりません。「外壁塗装をすれば雨漏りが直る」という説明は正確ではありません。私たちは、塗装で対応できるかどうかを調査の段階で判断し、できない場合はそう申し上げます。

純正部材の交換は、メーカーに分があります

ハウスメーカーの住宅には、そのメーカー専用の部材が使われていることがあります。特殊な形状の役物、独自規格の換気部材、意匠のための部品など。これらが破損していて交換が必要な場合、部材の入手はメーカーのほうが確実です。

私たちは汎用品での代替や、既存部材を活かす方法を提案しますが、まったく同じものを取り寄せる力ではメーカーに及びません。塗装以外の部分で純正交換が必要と分かったときは、その旨を先にお伝えします。

こういう方には、地元業者は向かないかもしれません

ひとつは、メーカーの長期保証を最優先されている方です。延長条件を満たすことが目的なら、その工事はメーカーで受けるのが筋です。

もうひとつは、建物に関わる会社を一本化しておきたい方です。将来の設備工事やリフォームも含めて窓口を一つにしておきたいという考え方は合理的で、そこに費用を払う価値はあります。

私たちが提供できるのは、現場との距離が近いこと、工程を写真で全部お見せすること、そして塗装でできることとできないことを最初に切り分けてお伝えすることです。これが必要な方に選んでいただければと思っています。

完工の日

着工から18日。雨で予定をずらした日もありました。

足場が外れて、初めて全体が見えた日のことです。お客様は道路の向かい側まで下がって、しばらく黙って家を見ておられました。それから、こうおっしゃいました。

「メーカーさんに頼まないとダメなんじゃないかと、ずっと思っていました」

最初にいただいた不安と同じ言葉でした。ただ、今度は過去形でした。

ハウスメーカーの家であることは、塗り替えのハードルではありません。むしろ、規格化された家は目地の位置も付帯部の形も揃っているぶん、数量を出しやすく、工程が読みやすい建物です。必要なのは、その家がどう建てられているかを現地で確認し、仕様に合った材料と手順を選ぶこと。それだけです。

お隣の工事を見て「そろそろかな」と思ったところから、この18日間は始まりました。同じように迷っておられる方がいれば、まずは家の写真を撮るところからで構いません。今すぐ塗るべきか、まだ待てるのか。それをお伝えするところから始めます。

よくあるご質問

ヤマダホームズで建てた家の外壁塗装は、建てたメーカーに頼まないといけませんか?

義務ではありません。建物の所有者はお客様ですので、どの会社に塗り替えを依頼するかは自由に選べます。建てたメーカーに依頼する利点は、図面や仕様の情報を社内に持っていること、純正部材の手配ができることです。一方で工事そのものは協力会社が行うことが多く、その分の管理費が見積りに乗ります。地元の塗装店は現場との距離が近く費用も抑えやすい反面、建物固有の仕様は現地で確認しながら進めることになります。どちらが良い悪いではなく、性格の違いです。判断に迷う場合は、両方から見積りを取って内容を並べて比べるのがいちばん確実です。

築20年で、図面に「SXL」「エス・バイ・エル」と書かれていました。ヤマダホームズの家ですか?

同じ系譜の会社です。1951年創業の小堀住研が1990年にエス・バイ・エル(SXL)へ社名を変更し、その後2018年にヤマダホームズという社名になりました。ですから築20年前後のお宅では、図面や仕様書がSXL名義で残っていることがよくあります。会社名が変わっても、建物の仕様は建てられた当時のままです。塗り替えの検討では社名よりも、外壁材の種類・目地の位置・付帯部の素材といった実際の仕様を確認することのほうが大切になります。

ハウスメーカーの家は外壁材が特殊で塗れないと聞きました。本当ですか?

外壁材によります。窯業系サイディングやモルタルであれば、下地の状態が健全な限り通常どおり塗装できます。注意が必要なのは、光触媒・無機系・フッ素系などの機能を持たせた塗装がされている「難付着サイディング」です。この場合は専用の下塗り材を使わないと塗料がのりません。判別は現地で塗膜の状態や水のはじき方、建築年、仕様書の記載などから行います。判断が難しいときは試し塗り(付着試験)をして確かめます。この事例の外壁は一般的な窯業系サイディングで、標準的な下塗り材で問題ありませんでした。

メーカーの長期保証を受けています。他社で塗ると保証は切れますか?

保証の内容によります。多くの長期保証は「メーカーが指定する時期に、指定する内容の有償メンテナンスを受けること」を延長の条件にしています。他社で塗り替えた場合、その延長の条件から外れて以降の保証が継続されないことがあります。ただし打ち切りになるのは保証の継続部分であり、すでに終了している期間や、雨漏りとは無関係な部分の保証がすべて消えるわけではありません。判断を間違えないために、まずお手元の保証書を読み、不明な点はメーカーの窓口に電話で確認してください。私たちも保証書を一緒に読んでご説明しますが、最終的な保証の可否を決めるのはメーカーです。

ハウスメーカーの家の塗り替えで、工事の内容そのものが変わることはありますか?

工程の骨格は変わりません。洗浄・下地補修・シーリング・下塗り・中塗り・上塗り・付帯部という流れは同じです。違いが出るのは細部です。規格化された住宅は目地の位置や付帯部の形が設計図どおりに揃っているため、シーリングの延長メートル数を事前に見積りやすく、逆に養生や納まりでごまかしが効かない面もあります。また幕板や見切り材といった意匠部材が多く、これらを外壁と塗り分けるかどうかで仕上がりの印象が変わります。この事例でも幕板の扱いが仕上がりを左右しました。

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