東大阪市箱殿町|築24年で剥がれたシーリングを全打ち替え|フッ素塗装まで全工程を公開


「壁の継ぎ目のゴムが、めくれて落ちてるんです」
東大阪市箱殿町のお客様から最初にいただいたご相談は、この一言でした。築24年、一度もシーリングを打ち替えていない窯業系サイディングのお宅です。
お子様の進学が続いていた時期と重なり、「そのうちやらなければ」と思いながら後回しになっていた工事でした。お子様が社会人になられたタイミングで、ようやくご縁をいただきました。
それから21日後。足場が外れた日、お客様は道路に出てご自宅を見上げ、こう言われました。
「継ぎ目が、なくなったみたいですね」
この記事は、その21日間の記録です。剥がれ落ちたシーリングを全て撤去して打ち替え、外壁はフッ素樹脂塗料で、屋根はスレート用の塗料で塗り替えました。同等の内容を現在の価格でお見積りすると160万円前後になります。
築24年放置されたシーリングが実際にどうなっていたのか、なぜ「打ち替え」でなければいけなかったのか。全工程を22枚の写真で公開します。
工事データ
| 施工エリア | 大阪府東大阪市箱殿町 |
|---|---|
| 築年数 | 24年(シーリングは新築時のまま) |
| 建物 | 2階建て戸建て/窯業系サイディング+スレート屋根 |
| 施工内容 | シーリング打ち替え/外壁塗装/屋根塗装/付帯部塗装 |
| 使用材料 | 目地:ノンブリードタイプの変成シリコン 外壁:KFシェアルドF(フッ素樹脂塗料) 屋根:ファインパーフェクトベスト(日本ペイント) |
| 工期 | 21日間 |
| 保証 | 外壁10年・屋根5年 |
| 参考価格 | 160万円前後 ※同等の内容を現在の価格でお見積りした場合の目安です |
「継ぎ目のゴムが落ちてくる」という相談から始まりました
お客様が気にされていたのは、外壁の色でも屋根でもなく、目地のシーリングでした。地面に落ちた黒いゴム状の切れ端を拾って、「これ、うちの壁のやつですよね」とお見せくださったのが始まりです。
ご不安は、はっきりしていました。「もう中に水が入っているのではないか」ということです。築24年、一度も手を入れていない。何が起きていてもおかしくない、と考えておられました。
ですので、最初にやったのは提案ではなく現地調査でした。脚立を立て、ドローンを飛ばし、目地を1本ずつ指でなぞって確認していきます。

外壁面はチョーキングが出ていました。塗膜の樹脂が紫外線で分解され、顔料が粉になって表面に浮いてくる現象です。塗り替え時期に入っている一つの目安になります。

屋根はスレート瓦。塗膜で下地を守るタイプの屋根材で、色褪せが進んでいました。カバー工法という選択肢もありましたが、瓦そのものの割れや欠けは少なく、塗装で寿命を延ばせる状態と判断しました。
そして本題の目地です。ここが、この工事のすべてでした。
築24年、シーリングはどうなっていたか
結論から言います。この現場のシーリングは「剥がれ」の段階まで来ていました。ひび割れでも、肉やせでもなく、その先です。
シーリングの劣化は4段階で進みます

目地のシーリングは、ある日突然だめになるのではありません。ほぼ決まった順番で進みます。
- ひび割れ……表面が硬くなり、細かい亀裂が入る段階。まだ内部は生きています。
- 肉やせ……可塑剤が抜けて体積が減り、目地の中で痩せて凹んでいく段階。
- 剥離(剥がれ)……サイディングとの接着が切れ、シーリングが壁から浮く段階。今回はここ。
- 破断……シーリングそのものが真っ二つに切れ、目地が完全に開く段階。
1と2は「劣化している」で済みますが、3から先は意味が変わります。防水が成立していないからです。

シーリングが剥がれるとどうなる?
「剥がれる」という言葉は、見た目の話ではありません。接着が切れているという構造の話です。
シーリングは、目地の左右にあるサイディングの小口(切断面)に接着することで防水しています。この接着が切れると、シーリングと壁のあいだに髪の毛ほどの隙間ができます。この隙間は、外から見てもほとんど分かりません。

ここに雨が当たるとどうなるか。水は隙間の幅が狭いほど、毛細管現象で吸い込まれます。大きく開いた穴より、細い隙間のほうが積極的に水を吸うのです。しかも風で叩きつける雨は、壁面を横から押し込みます。
入った水の行き先は、サイディングの裏側です。窯業系サイディングはセメントに木質繊維を混ぜた板ですから、裏から湿気を吸うと反り・膨れ・凍害が始まります。さらに奥へ回れば防水紙、そして構造材です。
今回の現場は、剥がれた奥からバックアップ材が見えている箇所までありました。目地の底に入れる下地材が露出しているということは、シーリングが本来の厚みを失い、防水層としては機能していない状態です。

幸い、室内に雨漏りの痕跡はありませんでした。間に合った、というのが正直な感想です。
シーリングの寿命は何年?築24年だとどうなっているか
一般的な変成シリコン系シーリング材の耐用年数は、おおむね7〜10年です。日当たりの強い南面・西面では、これより早く傷むこともあります。
ということは、築24年で一度も打ち替えていない家は、寿命の2倍以上を経過していることになります。計算上は2回打ち替えていておかしくない年数です。
私たちの経験で言えば、この条件で目地が無事だった家は、ほぼありません。剥がれているか、破断しているか、どちらかです。今回もその通りでした。
逆に言えば、築20年を超えて塗装をご検討中の方は、「塗装のついでにシーリングもやる」ではなく「シーリングをやるついでに塗装もする」と考えたほうが実態に近いと思います。塗膜は見た目が悪くなるだけですが、目地は水の入口だからです。
打ち替えと増し打ち、どちらを選ぶ?

シーリングの補修には2つの方法があります。
- 打ち替え……既存のシーリングをすべて撤去し、新しく充填し直す方法。
- 増し打ち……既存を残したまま、その上から重ねて充填する方法。
サイディングの縦目地は、原則として打ち替えです。理由は単純で、増し打ちでは既存の劣化したシーリングが下に残るからです。
剥がれているシーリングの上に新しいものを重ねても、下の層は接着が切れたままです。下が動けば、上も一緒に切れます。新品の見た目になるだけで、防水としては何も解決していません。
さらに、目地は必要な厚み(10ミリ前後)が確保できて初めて伸縮に耐えます。既存を残したまま上塗りすると、新しいシーリングの層が薄くなり、必要な厚みが取れません。
今回は縦目地・幕板の上部・貫通部のまわり・入隅・軒天と外壁の取り合いまで、すべて打ち替えました。
ただし例外があります。サッシまわりだけは増し打ちにしました。サッシの内部にはバックアップ材が仕込まれており、既存のシーリングを無理に撤去すると、この下地材まで一緒に引き抜いてしまう危険があるからです。無理に撤去して構造を痛めるくらいなら、上から確実に被せたほうが良い。部位によって正解が違うということです。
二面接着とは?バックアップ材の役割

ここが、シーリング工事でいちばん見えにくく、いちばん差が出る部分です。
目地のシーリングは、左右の壁2面にだけ接着させ、底には接着させないのが正しい納まりです。これを二面接着と呼びます。底にも付いてしまった状態は三面接着で、これは失敗です。
なぜ底に付けてはいけないのか。サイディングは温度で伸び縮みするからです。夏の日射で膨張し、冬の夜に収縮する。この動きを、目地のシーリングがゴムのように伸び縮みして吸収しています。
2面だけで接着していれば、シーリングは中央部が自由に伸びて動きを逃がせます。ところが底まで接着していると、シーリング全体が固定されてしまい、逃げ場がありません。動きの力がそのまま材料にかかり、数年で切れます。
そこで使うのがバックアップ材です。目地の底に詰めるスポンジ状の下地材で、これが「シーリングを底に接着させない仕切り」として働きます。同時に、目地の深さを調整して適正な厚みを作る役割も持っています。浅い目地にはボンドブレーカーというテープを使います。
打ち替えの本当の価値は、この底の納まりからやり直せることにあります。増し打ちでは、底がどうなっているか触ることすらできません。
プライマーを省くとどうなるか
撤去のあと、充填の前に必ず入れる工程がプライマーです。シーリング材と外壁材を接着させるための下塗り剤で、専用のハケで目地の左右の面に塗ります。
この工程は、完成後は絶対に見えません。だからこそ省かれやすい。しかしプライマーを塗らずに充填したシーリングは、数年で今回と同じ「剥がれ」を起こします。材料そのものが劣化するより早く、接着面から負けるのです。
塗るタイミングにも決まりがあります。塗ってすぐ充填しても、乾きすぎてから充填してもいけません。この待ち時間の管理こそが職人の仕事です。
工期21日のうち、シーリングに何日かけたか
今回の工期は21日間でした。そのうち、シーリングの撤去・清掃・プライマー・充填・ヘラ押さえに充てたのは、丸2日間です。
「たった2日?」と思われるかもしれません。ですが一般的な2階建て(外壁200平方メートル前後)で、目地の総延長は300〜350メートルあります。これを1本ずつカッターで切り、引き抜き、清掃し、マスキングを貼り、プライマーを塗り、充填し、ヘラで押さえ、テープを剥がす。2日というのは、朝から日没まで手を止めずに動いてようやくの日数です。
大事なのは順番のほうです。シーリングは、足場を組んだ直後、高圧洗浄よりも前に行いました。目地が開いたまま高圧洗浄をかければ、洗浄水を壁の中に打ち込むことになるからです。塗装のあとに目地をいじれば、新しい塗膜を切ることになります。シーリングを最初に終わらせる。これが全工程の前提でした。
21日間の全工程を写真で公開します

1|劣化したシーリングを撤去する

既存シーリングの両サイドにカッターで切り込みを入れ、ペンチで端を掴んで引き抜きます。うまく入れば1本まるごと抜けてきます。抜いたあとは目地の中に残ったカスをきれいに落とします。ここに旧材が残っていると、新しいシーリングの接着不良の原因になります。
撤去後、仕上がりのラインを真っ直ぐ出すためにマスキングテープを貼ります。余談ですが、職人はこのテープの使用本数で、その家に何メートルの目地があったかをおおよそ把握しています。
2|プライマーを塗布する

目地の左右の面に、ハケでプライマーを塗ります。前述のとおり、この一手間が10年後の差になります。
3|変成シリコンを充填する

使用したのはノンブリードタイプの変成シリコンです。「ノンブリード」とは、シーリング内部の可塑剤が上に塗った塗膜へ移行しないタイプという意味です。
ここを間違えると、数年後に目地の上だけ黒く汚れが筋になって出てきます。ブリード汚染と呼ばれる現象で、せっかく塗り替えた外壁に線が浮かび上がってしまう。塗装とセットで行う以上、材料の選定は最初から決まっています。

専用のコーキングガンで、目地の奥から手前へ空気を巻き込まないように充填していきます。
4|ヘラで押さえて仕上げる

ヘラで押さえるのは、見た目を整えるためだけではありません。シーリングを目地の側面に押し付けて密着させるための工程です。内部に空気が残ると、そこが弱点になります。均し終えたらすぐにマスキングテープを剥がします。硬化してから剥がすと縁が汚くなるためです。
5|サッシまわりは増し打ちで補修する


外壁とサッシの取り合いは、戸建てで最も雨漏りが起きやすい場所のひとつです。ここは撤去せず、上から確実に被せる増し打ちで補修しました。理由は前述のとおり、内部のバックアップ材を守るためです。

6|高圧洗浄

目地を塞ぎ終えてから、屋根、外壁の順に上から下へ洗い落としていきます。チョーキングの粉や旧塗膜が残ったまま塗ると、塗料が下地ではなく粉の上に乗ることになり、早期の剥離を招きます。洗浄の日は窓の戸締りを徹底していただきます。
7|鉄部のケレンと錆止め

水切り・庇・棟板金といった鉄部は、研磨して旧塗膜と錆を落とし、先に錆止めを入れます。錆は塗り込めても内側で進行するため、落としてから止めるのが順序です。
8|外壁の下塗り(シーラー)

下地と仕上げ塗料を密着させる接着剤の役割です。無色ですが、塗った箇所は元の外壁より色が濃くなり、近くで見ると艶が出るため、塗り残しは現場で判別できます。
9|外壁の中塗り・上塗り(フッ素樹脂塗料)

仕上げ材はKFシェアルドF。1液水性のフッ素樹脂塗料で、塗料のグレードとしては上位に位置します。「どうせやるなら長くもつものを」というお客様のご希望で選定しました。

中塗りと上塗りは同じ塗料・同じ色です。「同じ色を重ねて塗り残しが分かるのか」とよく聞かれますが、分かります。塗料は乾くと色が濃くなるため、塗ったばかりの箇所は乾いた箇所より薄く見えます。濃く見えている面がまだ上塗り前、という判断ができるのです。
10|屋根の塗装

屋根は日本ペイントの強化シーラーで下地を固めてから、ファインパーフェクトベストで中塗り・上塗り。スレート瓦は紫外線を正面から受けるため下地の傷みが外壁より大きく、シーラーの吸い込みの差がはっきり出ました。

11|付帯部の塗装とタッチアップ
最後に雨樋・水切り・庇・破風板といった付帯部を2回塗りで仕上げます。破風板は元の黒系からお客様のご希望で白に変更しました。全体を見回してタッチアップと清掃を行い、工事完了です。
東大阪市箱殿町という土地で、目地はどう傷むか
箱殿町は東大阪市の東部、生駒山地の裾に近い住宅地です。近鉄奈良線の沿線で、平坦な市街地から山手へ向かって少しずつ標高が上がっていくエリアにあたります。
このあたりのお宅を見せていただいて感じるのは、建物の向きによって目地の傷み方の差が大きいことです。山側に向いた面と、開けた南西面とでは、同じ家でも劣化の進み方が明らかに違います。日射をまともに受ける南面・西面の目地は、他の面より一段先の段階まで進んでいることがよくあります。
今回の現場も、同じ築24年でありながら面によって状態が違いました。ですので「北側の目地が大丈夫だから、うちはまだ平気」という判断は危険です。点検は必ず全周を見る必要があります。
また、東大阪市は昭和後期から平成初期にかけて建った戸建てが多く、ちょうど今、築25年から35年に差しかかっているお宅が集中しています。窯業系サイディングが普及し始めた時期の建物が、そろそろ2回目・3回目の判断を迫られている。箱殿町でも、同じご相談が増えています。
みのりペイントは大阪市平野区が拠点で、東大阪市は日常的に伺っているエリアです。点検も見積もりも無料ですので、目地が気になった時点でお声がけください。
完工の日
21日目、足場を解体した日のことです。
お客様は道路に出て、正面からご自宅を見上げ、それから壁に近づいて、目地に指を当てて確認されていました。剥がれて落ちてきていた、あの継ぎ目です。
そして、こう言われました。
「継ぎ目が、なくなったみたいですね」
塗り替えた外壁の色や、引き締まった屋根の色よりも先に、目地を確認されたのが印象的でした。24年間ずっと気にされていた場所だったのだと思います。
色選びには、ずいぶん時間をかけられました。私たちが過去に施工したお宅を実際に見に行かれたり、ご近所を歩いて回られたり。悩み抜いて選ばれた色でしたので、気に入っていただけたことが何よりでした。
よくあるご質問
Q. シーリングが剥がれていても、まだ雨漏りしていなければ急がなくていいですか?
A. 急いだほうがよいです。剥がれた段階では、入った水はまだサイディングの裏側で止まっていることが多く、室内に出てきません。症状が出ていない期間こそ、いちばん安く直せる時期です。室内に出てきた時点では、防水紙や下地の補修が必要になっている場合があります。
Q. 打ち替えと増し打ちで、費用はどのくらい違いますか?
A. 撤去の手間があるぶん、打ち替えのほうが高くなります。ただし、剥がれている目地に増し打ちをしても数年で同じ状態に戻るため、安いほうを選んだ結果もう一度足場を組むことになれば、総額では逆転します。サイディングの縦目地は打ち替えを前提にお考えください。
Q. シーリングだけを先にやって、塗装は後からでもいいですか?
A. 可能ですが、あまりおすすめしません。どちらの工事にも足場が必要で、足場を2回組むことになるからです。また、シーリング材には塗装を前提とした種類とそうでない種類があり、先行して打つ場合は後の塗装を見越した材料選定が必要になります。
Q. 築24年で外壁塗装と屋根塗装をまとめてやると、いくらくらいですか?
A. この事例は、シーリング全打ち替え・外壁フッ素・屋根塗装・付帯部塗装をすべて含めて、現在の価格でお見積りすると160万円前後が目安です。塗料のグレードを下げれば下がりますし、下地補修が多ければ上がります。金額そのものより「何が含まれているか」で比べてください。
Q. 工事中も家に住めますか?洗濯物はどうなりますか?
A. 住みながらで問題ありません。ほとんどのお宅がそうです。高圧洗浄の日と塗装の日は洗濯物を室内に干していただきますが、それ以外は普段どおりお過ごしいただけます。工程は毎日ご報告します。
おわりに
最初のご相談は、地面に落ちていた黒いゴムの切れ端でした。
それは単なるゴミではなく、24年ぶんの時間が、防水の限界を超えたという合図でした。ひび割れから始まり、肉やせを経て、壁との接着が切れて剥がれ落ちる。この現場は、あと一歩で破断という段階にありました。
21日間かけてやったことは、突き詰めればひとつです。水の入口を、全部塞ぎ直すこと。そのために目地を底からやり直し、その上で外壁と屋根を塗りました。
足場が外れた日、お客様は色よりも先に目地に手を伸ばされました。「継ぎ目が、なくなったみたいですね」——あの一言が、この工事の答えだったと思っています。
お住まいの目地に、ひび割れや隙間が見えていませんか。剥がれているかどうかは、写真1枚でもある程度お伝えできます。東大阪市箱殿町をはじめ、東大阪市全域に伺っています。点検・お見積りは無料です。
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